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偉大なる宇宙への旅10選 ― 人類史上最強のミッションたち

まさに「人類にとっては偉大な飛躍」であり、畏敬の念をも感じさせるミッションの数々を振り返ってみてください…。

By and ALEX WATT
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NASA//Getty Images

 1969年7月21日11時56分、彼は一連の解説の中で次のような一節を放ちました。「That's one small step for (a) man, one giant leap for mankind.(これは人間にとっては小さな一歩であるが、人類にとっては偉大な飛躍だ。)」と…。

 彼とは、一連のアポロ計画の中でアポロ11号で船長を務めたニール・アームストロング氏のこと。そして彼はこの日、月面に人類初の第一歩を記したのでした。

 そうです、あれから50年の月日が経とうとしているのです。そんな記念すべき年である2019年、さらに宇宙に目を向けるべきではないか…という考えのもと、第一弾として、これまでの宇宙でのミッションを振り返ってみることにしました。

 宇宙への旅は、「どれだけ遠くまで行くことができるのか?」を挑戦するという、人類全体をワクワクさせる一大イベントでした。誰もが憧れの目で、宇宙(そら)を見ていたものでした。しかし、ときにそれは「大国同士の鍔迫り合いでは?」と真っすぐに冷静な目を持たせるときもありました。またさらに、われわれに悲しみや無力さを思い知らせるほど…目を伏せてしまうほどのトラジックも味わわせてもくれました。

 これまで、これらの宇宙へのミッションに関わった乗組員やマシンたちは、われわれに「宇宙」という未知なる世界への突破口を開き、今後の人類の未来を左右するであろう大きな進歩を遂げてくれた偉大なる人々である、偉大なるモノたちなのです。これらの歴史的な偉業を、われわれはどれも忘れてはならないでしょう。

スプートニク1号宇宙船

Sputnik I Satellite
Bettmann//Getty Images

 1957年10月4日に「スプートニク1号」は、当時ソビエト社会主義共和国連邦(現カザフスタン)にあるバイコヌール基地から打ち上げられました。そして地球周回軌道に入り、宇宙入りした初の人造物となったわけです。

 アルミニウム合金からできたその球体は、信号を失うまでの21日間、1440回惑星を旋回。その後1958年1月4日に落下し、大気中で破壊されました。

 当時のソビエトがこれに課した任務は、地球の大気の密度を計り電離層の観測を行うことでした。その電波は世界各地で受信され、宇宙時代の幕開けとなったのです。

 ちなみにメスの犬「ライカ」が、地球軌道を周回した最初の動物となったのは、「スプートニク2号」の話になります。打ち上げの日は、1957年11月3日になります。

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ボストーク 1号

Vostok I, The Space Shuttle Used By Yuri Gagarin
Keystone-France//Getty Images

 1961年4月12日、ソビエト宇宙飛行士のユーリイ・ガガーリン氏は、「ボストーク1号」で地球を周回した初の宇宙飛行士となりました。つまり、人類初の有人宇宙飛行を実現したミッションになります。

 彼はおよそ108分間の飛行後、当初の計画通り射出座席により機体から脱出し、パラシュートで地上に戻るわけです。

 彼が宇宙へと旅立つ前に、当時のソビエト連邦は「ボストーク 1号」のプロトタイプを使用し、犬と人間サイズのダミーを使用したテスト飛行の実験も行っていました。 

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アポロ11号

35th Anniversary Of Apollo 11 Landing On The Moon
NASA//Getty Images

 フロリダのケネディ宇宙センターから打ち上げられてから4日後、1969年7月20日にニール・アームストロング氏は前述の「これは人間にとっては小さな一歩であるが、人類にとっては偉大な飛躍だ」という言葉とともに、人類初の月面着陸をはたしました。

 このときの様子はテレビ中継され、全世界がそのテレビにかじりつくように見入っていたわけです。

 それから約20分後、月着陸船のパイロットであるバズ・オルドリン氏も月面歩行に降り立ちました。2人はサンプルを採取しながら、約3時間歩いて月を探検したと言われています。

 他にもマイケル・コリンズ飛行士が同船していました。そして同年7月24日に、彼らは無事地球に帰還しています。

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アポロ 13号

Apollo 13 Recovery
NASA//Getty Images

 アポロ13号は、1970年4月11日にジム・ラヴェル氏、ジャック・スワイガート氏、およびフレッド・ヘイズ氏を乗せ、打ち上げられました。が、任務からわずか56時間後、事態は一変しました。

 船内で酸素タンクの爆発が起こり、当初予定されていたフラマウロ・エリアの探索どころか、乗務員は深刻な酸素・電力・水・不足に陥ってしまったのです。

 彼らは即座に修正案を導き出し、着陸船を救命ボートに見立て乗り移り、同年4月17日に無事地球へと生還したのでした…。

 生還時の様子が、こちらの写真になります。さらに詳しく知りたい方は、映画『アポロ 13』をご覧になるといいでしょう。

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アポロ 13(字幕版)

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
アポロ13 (字幕版)
アポロ13 (字幕版) thumnail
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YouTube ムービーより

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STS-51-L

Challenger Crew
NASA//Getty Images

 「STS-51L」とは、1986年1月28日に行われたスペースシャトル「チャレンジャー」のミッションになります。スペースシャトルのミッションとしては25回目で、チャレンジャーとしては10回目に当たります。ケネディ宇宙センター発射施設39-Bからのシャトルの初打上げであった。

 この日行われたNASA(アメリカ航空宇宙局)によるスペースシャトルのミッション第25回目は、発射から約73秒後に空中分解を起こし、乗組員7人全員が死亡という悲惨な結果となりました。

 原因はブースタロケットの異常によるもの。

 当初、打ち上げは同年1月22日に予定されていましたが、前ミッションの遅延や悪天候などを理由にスケジュールは再検討されていたのです。

 当時のNASAによる任務は、ハレー彗星の観察、衛星の追跡…など。乗組員の一人には、高校教師のクリスタ・マコーリフさんがいました。彼女は「子供たちに宇宙の授業をしたい」という思いから、初の民間宇宙飛行士として乗船していたのです。

 この悲惨な事故により、全世界が震撼しました。

 そして宇宙開発は危機に陥り、以降3年近くの間スペースシャトルの打ち上げは中断。原因究明と安全性向上のための改良にフォーカスされていたのでした。

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ボイジャー 1号

Saturnian System From Voyager 1
Heritage Images//Getty Images

 「STS-51-L 」の事故が起きる前、NASAによる太陽系の外惑星および太陽系外の探査を行う目的で、1977年9月5日打ち上げられた「ポイジャー 1号」。その後、同年8月20日には「ポイジャー 2号」が打ち上げられています。

 この探査機の活躍により、今日われわれは木星や土星の輪郭について詳しく知ることができているわけです。

 「ポイジャー 1号」はいまも強く宇宙の旅を続けており、私たちに情報を提供し続けています。1990年には太陽系全体の写真を撮影するもそれだけに終わらず、2012年には星間空間に入り込んだ初の人造の探査機となったのです。

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マーズ・パスファインダー

Mission To Mars
Space Frontiers//Getty Images

 NASAによるこの火星探査機は、1996年12月4日に地球から旅立った後、1997年7月4日に火星に着陸。その名の役目を担うこととなったのです。

 火星に着陸する際、安全面に関して様々な懸念がありましたが、探査機を包み込む独自のエアバックの使用により、着陸は成功しました。

 それからその大気、気候、地質学などをこの機械を通じて分析し、それにより火星にはかつて水が流れていたことや、大気により惑星の表面が加熱されていることを示唆する証拠を見つけるきっかけをつくってくれたのです。

 そして同年9月には最後の信号を送信し、その通信は途絶えました。ですが、この機も火星探査に大きく貢献し、この計画は大成功と評価されました。

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国際宇宙ステーション(ISS)

ISS Concept
NASA//Getty Images

 国際宇宙ステーションの最初のピースは、ロシア製造のもと米国にて、1998年の秋に地球を飛び立ちました。

 打ち上げから日本、アメリカ、ロシア、フランス、カナダなどが協力して運用し、機械的な面と外交的な面、両面から様々な調整が行われてきました。

 世界中から集まる宇宙飛行士たちは、微小重力が人体におよぼす影響などを含めたあらゆる種類の実験に、自らの身をもって取り組み続けています。

 2018年に初の打ち上げから20周年が経ち、これまでの功績が祝われた一方でトランプ政権に代わり、その存続が危ぶまれるなど様々な見解がいま飛び交っています。

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ケプラー

NASA's Kepler mission confirmed the discovery of its first rocky planet, named Kepler-10b.
Universal History Archive//Getty Images

 2009年3月7日、NASAによう宇宙探査機「ケプラー」は、フロリダ州ケープ・カナベラルから飛び立ちました。

 「ケプラー」のミッションは、「惑星系の構造と多様性を探る」ことでした。2013年に1/4のリアクションホイールが故障し、初期ミッションを終了。そののち運用チームは対応策として、2個のリアクションホイールとスラスターの噴射を利用し、探査機の写野を3カ月ごとに切り替える、「K2」と呼ばれる延長ミッションに乗り出ました。

 その任務は2018年まで続くと予想されており、そのとお
り2018年8月まで燃料を保ち、同年10月に燃料が枯渇し運用は終了しました。

 しかし2016年5月までに、「ケプラー」は1284の新しい惑星を識別。そのうち、住めると考えられる9つの惑星を発見することができたのです。

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カッシーニ

Cassini-Huygens spacecraft in orbit around Saturn
De Agostini Picture Library//Getty Images

 NASAとESA(欧州宇宙機関)により開発された、この探査機は1997年に打ち上げられ、宇宙空間で20年間という驚くべき時間を過ごした後、カッシーニ探査機とともに搭載されていたホイヘンス・プローブ宇宙船は2017年9月15日にその任務を終えました。

 NASA、ESAおよびイタリア宇宙機関の共同作業により、土星の環(わ)の間を飛行。四季を通して、土星の月を研究したのです。

 この任務は、土星の大気圏への突入で終わりを迎えました。この終わりは、周囲の月の生物学的構成を保護するためになされた決断でもありました。

※本記事は、これまでのミッションをダイジェスト化したものであり、詳しくご覧になりたいという方は、ご自身でリサーチください。

Source / POPULAR MECHANICS
Translation / Mirei Uchihori
※この翻訳は抄訳です。

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