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手軽に動画を撮影できるアクションカメラが人気です。スノーボードやサーフィン、自転車競技などで、選手視点の迫力ある映像がきっかけとなり人気になりましたが、現在はスポーツだけでなく、バイクのツーリングの様子を撮影したり、旅行の記録用カメラとしても定番になりつつあります。
撮影した動画はスマホ連動機能ですぐにチェックでき、そこからYouTubeやインスタグラム(Instagram)に、撮影した動画を簡単にシェアすることも可能。こうした手軽さがウケて、特に若者を中心にユーザーが増えています。
そこでこのページでは、性能に磨きをかけた定番の「GoPro」や、「DJI Osmo」シリーズなどの人気商品を中心に、おすすめのアクションカメラを紹介します。
アクションカメラとは? デジカメとの違い
アクションカメラ(ウェアラブルカメラとも呼ばれます)とは、超コンパクトな動画撮影用カメラ。アクションカムと呼ばれることもあります。
サイズが小さくて軽い上に、衝撃にも強くつくられているので、スポーツをするときなどに身体に装着して撮影できるのが特長です。自転車やスキー、ダイビングやサーフィンなど、アスリート視点の動画が撮れる面白さから人気に火がつきました。
また、バックパックのベルトなどにつけてハンズフリーで撮影できることから、最近では旅行などの記録用としても人気を集めています。
▼アクションカメラの選び方▼
アクションカメラを購入する際に、チェックすべきポイントを解説します。
手ぶれ補正機能・水平維持機能に注目
アクションカメラの特徴ともいえるのが、強力な手ぶれ補正です。例えば、人気のGoProでは、マウンテンバイクで荒れ地を走ったり、スケボーで宙を舞うような動きをしても、ブレの少ないなめらかな映像を提供してくれます。
同時に、カメラが斜めになっても水平をキープする水平維持機能にも注目するとよいでしょう。特にすごい製品は、カメラを1回転させても映像に影響せず、例えばバイクに装着して車載動画を撮影するときでも揺れの少ない動画を撮影できます。
画質(4Kなどの解像度・フレームレート)を確認
アクションカメラの解像度は「4K(3840 × 2160ドット)」以上が主流。YouTubeに動画を投稿するなら最低でも、「フルHD(1920 × 1080ドット)」は欲しいところです。
フレームレートは、1秒間に撮影するコマ数(静止画の枚数)を表した数値。動画はパラパラ漫画の要領でできているので、コマ数が多いほど滑らかな映像として観ることができます。
コマ数は「fps(Frame Per Second)」という単位で表され、映画は24fps、テレビは30fpsですが、最近のYouTubeなどでは60fpsのなめらかな動画が増えています。4Kかつ60fpsに対応できる製品を選べば、まず間違いないといえるでしょう。
写せる範囲(画角)もチェックしよう
製品によって写(映)せる範囲(画角)が違います。広い範囲が写(映)せると、周りの風景を広く取り込んだ臨場感のある映像が撮れますし、自撮りにも適しています。
画角は、水平画角や「FOV」、35mmフィルムカメラ換算の焦点距離など、製品によって表し方がまちまちでわかりづらい状況です。そのため、動画やカタログのサンプルを確認して、映る範囲の広さが十分かを確認しましょう。
防水・Wi-Fiなどの機能・バッテリー持ちも大切
サーフィンやダイビングなどのマリンスポーツはもちろん、スキーやスノーボードのウィンタースポーツで撮影するなら防水性能は必須です。また、スマホとWi-Fiで接続できる機能があれば、スマホの画面からコントロールができ操作性が向上します。こうした機能もチェックするとよいでしょう。バッテリー持ちも重要です。長時間の連続撮影が可能な製品なら、予備バッテリーを用意することなく装備が身軽になります。購入前にチェックしましょう。
必要なアクセサリーが用意されている製品を選ぼう
アクションカメラは、撮影用のアクセサリー類と組み合わせて使うケースが多いカメラです。バイク用マウントやヘルメット用マウント、バックパックの肩紐に取り付けるマウントなど、必要なアクセサリー類が用意されているかを、購入前にチェックしましょう。
なお、こうしたアクセサリーは「GoPro」に豊富に用意されており、GoProのアクセサリーを流用できる他社製アクションカメラもあります。
アクションカメラのおすすめ10選
おすすめのアクションカメラ(ウェアラブルカメラ)の紹介です。選び方を踏まえて購入できるよう、詳細なスペックも記載しています。
2023年9月に発売された「GoPro HERO 12」は、より美しい映像の撮影が可能なHDR(ハイダイナミックレンジ)撮影に対応し、本格的な映像編集を前提としたLogモードを搭載しています。撮影後の映像を自分で編集したい人や、映画撮影に役立てたい人にもおすすめです。
また、Bluetoothオーディオの接続に対応したため、AirPodsなどのBluetoothイヤホンのマイクからも音声を録音できます。これにより、Vlogやインタビューの撮影がしやすくなりました。
その他にも、より強力な手ぶれ補正と、今まで以上に長持ちするバッテリー性能を実現しているほか、1/4インチのネジ穴が追加されたことで、カメラ用の三脚にも直接固定できるようになりました。今までもっとも撮影の幅が広がったGoProといえるでしょう。
- 動画性能:5.3K(60fps)、4K(120fps)、2.7K(240fps)
- バッテリー持ち:―
- 防水性能:水深10mまで可
- その他:Wi-Fi経由で専用スマホアプリと連携可
アクションカメラ業界は「GoPro」一強ですが、その中で変化球とも言っていいアプローチで人気を集めているのが、ドローンの技術を転用した「DJI Pocket 2」です。
特徴は、小さなジンバルがついていること。そのおかげで、物理的にブレや傾きの少ない滑らかな映像が撮影できます。ただしジンバルが繊細なので、スポーツの撮影にはあまり向きません。その一方で、旅行に携行したり、「Vlog」撮影用として支持されているという点て異色な存在となっています。
一つ前のモデル「DJI Osmo Pocket」より撮影できる画角が広くなり、映像性能も向上。さらに「サンセットホワイト」モデルが追加され、こちらも人気を集めています。
- 動画性能:4K、2.7K、フルHD(60fps)
- スローモーション撮影:フルHD(120fps or 240fps)
- バッテリー持ち:フルHD(24fps)で約140分
- 防水性能:なし。別売りの防水ケースが必要
- その他:Wi-Fi経由で専用スマホアプリと連携可
DJI Action2は、2021年に発売されたアクションカメラで、最も注目を浴びた製品といっても過言ではないでしょう。GoProの完全なフォロワーだった前モデルと違い、オリジナリティにあふれた真新しいものになりました。
この「Dual Screenコンボ」は、上下2つのユニットから成り立っており、片方はカメラ、片方はモニターになっています。それぞれ切り離して撮影が可能で、たとえばヘルメットの上につけたカメラの映像を、手元のモニターで常に確認することが可能です。
カメラユニットはわずか56gと軽量なため、付属のアクセサリーを使ってマグネットで胸元に付けたり、天井などの高いところに設置することもできます。今までのアクションカメラの枠を超え、さまざまな可能性を秘めた製品です。
- 動画性能:4K(120fps)、2.7K(120fps)、フルHD(240fps)
- スローモーション撮影:4K(120fps)、2.7K(120fps)、フルHD(120fps or 240fps)
- バッテリー持ち:フルHD(30fps)で約70分
- 防水性能:なし。別売りの防水ケースが必要
- その他:Wi-Fi経由で専用スマホアプリと連携可
360°写せるアクションカメラです。180°写せるカメラを背中合わせに2つ配置して、上下左右と前後を同時に録画。さらに6つのマイクを内蔵しているので、全ての方向の音を同時に録音できます。
長い自撮り棒に装着して上空から写すと、まるでドローンで撮影したように録画できるモードもあり、通常のアクションカメラのように前だけ・後ろだけを撮影することも可能。水平維持機能が強力で、カメラをグルグル回しても写(映)っている映像は常に水平…ということもできます。
360°撮影ではない通常の撮影も可能で、そのときは強力な水平維持機能と、GoPro史上最も広い画角が威力を発揮します。工夫次第でさまざまな撮影ができるカメラです。
- 360°動画性能:5.6K(30fps)
- 通常動画性能:2.7K、フルHD(60fps)
- バッテリー持ち:5.6K(30fps)で約35分、フルHD(60fps)で約100分
- 防水性能:水深5mまで可
- その他:Wi-Fi経由で専用スマホアプリと連携可
360°写(映)せるアクションカメラで、GoPro MAXの競合となる製品です。開発時期が新しいことから、GoPro MAXのスペックを少しずつ上回るようにつくられています。
180°写せるカメラを背中合わせに2つ配置する構造は同じですが、スティック状の薄型ボディになっているのが大きな違い。撮影性能にGoPro MAXとの大きな差はなく、自分が使いたいアクセサリーが用意されているかがカギになるでしょう。
Insta360独自の編集アプリでは、撮影した映像をAIが自動で組み合わせて、エフェクトをかけた凝った動画をつくってくれます。また、ウェブカメラとしても使えるので、ビデオ会議やYouTubeなどのLIVE配信にも使えます。
- 360°動画性能:5.7K(30fps)/ 4K(50fps)、3K(100fps)
- 通常動画性能:QHD(50fps)/フルHD(50fps)
- バッテリー持ち:5.7K(30fps)で約80分
- 防水性能:水深10mまで可
- そのほか:Wi-Fi経由で専用スマホアプリと連携可、AI編集可
2022年9月に発売された「GoPro HERO 11」は、前作「HERO 10」の正常進化版でありながら、さまざまな機能がアップデートされ、より多くのシチュエーションで強力な撮影が可能となっています。
注目すべきは水平ロック機能。これは、カメラを360度グルグル回しても画像が回転しないもので、HERO 10までは45度となっていたため大幅な進化です。また、アクティビティでの撮影で重要となるブレ補正機能も進化。過去最高のブレ補正レベルを実現しています。
さらに、動画の中から切り出せる静止画も、これまでの23メガピクセルから27.13メガピクセルに進化。カラーも8bitから10bitへ進化しており、10億色を超える鮮やかな写真を切り出せます。価格は高価ですが、それだけの機能のつまった製品といえそうです。
- 動画性能:5.3K(60fps)、4K(120fps)、2.7K(240fps)
- バッテリー持ち:―
- 防水性能:水深10mまで可
- その他:Wi-Fi経由で専用スマホアプリと連携可
GoPro HERO 11に登場したニューバージョンがこちらの「Mini」です。GoPro自体十分コンパクトですが、Miniはさらに小さく軽く、HERO 11の154gに対して133gとなっています。
この小ささによって、体やヘルメットに固定して撮影するPOVコンテンツの撮影がよりしやすくなりました。スポーツ時などの撮影の幅がさらに広がり、今まで撮影できなかったシーンでも映像を残せる可能性があります。
大型モニターが省かれており、基本的にスマホ連携で操作すること、バッテリーが内蔵式になり交換できないことは注意が必要ですが、価格も抑えられており、撮影機能もHERO 11と基本的に共通のため、小型のアクションカメラが欲しい人にとってよい選択肢となるでしょう。
- 動画性能:5.3K(60fps)、4K(120fps)、2.7K(240fps)
- バッテリー持ち:―
- 防水性能:水深10mまで可
- その他:Wi-Fi経由で専用スマホアプリと連携可
GoPro HEROシリーズと同形態のアクションカメラとして、人気を集めてきたのが、ドローンで有名なDJIの「Osmo Action」です。2023年8月に第4世代となり、GoPro HERO 12より小型で防水性能が高いアクションカメラに進化しました。
最高画質は4Kで、GoPro HERO12の5.3Kより解像度が低いものの、4Kを超える画質に対応できる再生機器はほとんどなく、4Kあれば十分すぎるほどです。360度カメラをグルグル回しても映像が水平を保つ水平維持機能も装備されています。
今までより大型のセンサーを搭載することで、階調豊かな映像表現が可能となったほか、別売りの無線マイク「DJI Mic」と連携することで、2つのマイクの音を同時に録音することも可能です。アクティビティでの撮影はもちろん、インタビュー撮影でも役立つでしょう。
- 動画性能:4K(120fps)、2.7K(120fps)、フルHD(240fps)
- バッテリー持ち:フルHD(24fps)で最大160分
- 防水性能:水深18mまで可
- その他:Wi-Fi経由で専用スマホアプリと連携可
ジンバル付きカメラとして唯一無二のポジションを築いてきた「DJI Pocket 2」の正常進化版です。今までの2倍以上の面積がある1型イメージセンサーを使うことで、大幅に高画質化していることが特徴となっています。
小型かつ高精度なジンバルがついていて、ブレの少ないなめらかな映像が撮影できることは今までどおり。今回からは4K/60fpsでの撮影も可能となり、今までとは次元の違う滑らかな映像を楽しむことができます。
さらに、センサーを大型化したことで夜間にも強くなっており、暗い場所でも美しくリアルな色合いでの撮影が可能になりました。また、65w PD規格対応充電器を使うことで、16分で80%、32分100%充電できる急速充電も魅力です。
- 動画性能:4K、2.7K、フルHD(60fps)
- スローモーション撮影:4K(120fps)
- バッテリー持ち:フルHD(24fps)で約166分
- 防水性能:なし
- その他:Wi-Fi経由で専用スマホアプリと連携可
できるだけリーズナブルに、4Kでの撮影に対応したアクションカメラを探している人には、こちらの製品もおすすめです。
Insta ONE RSシリーズは、カメラモジュールを交換できることが特徴のカメラで、これはその4K版。ほかに360度撮影できるモジュールや、ライカと共同開発した大型センサー付きの高画質モジュールなどが存在します。
比較的リーズナブルな製品ながら、トレンドになっている360度の水平維持機能に対応するほか、4800万画素の高精細な静止画の切り出しも可能です。専用アクセサリーも数多く展開されているため、さまざまな撮影に活躍してくれるでしょう。
- 動画性能:4K(60fps)、2.7K(100fps)、フルHD(200fps)
- バッテリー持ち:4K(60fps)で約75分
- 防水性能:水深5mまで可
- その他:Wi-Fi経由で専用スマホアプリと連携可
まとめ
工夫次第で、他のカメラでは撮影できない映像が撮れるのがアクションカメラの魅力。そしてコンパクトなので、旅カメラとしても優秀です。アクションカメラは、使い倒してこそ魅力を発揮します。ぜひアクションカメラを手にして、旅やアウトドアに繰り出してみてはいかがでしょう。