[目次]

▼ 板タブ・液タブの違いと、おすすめの使い方

▼ ペンタブレットの選び方

▼ ペンタブ(ペンタブレット)のおすすめ10選

▼ まとめ


PCでのイラスト作成に便利なペンタブレット(ペンタブ)は、近年価格が大幅に下がったことでビジネスでの活用例も増えてきました。タッチパネルのないPCでもスタイラスペンでの手書き入力が可能になり、資料・レポート作成やオンライン授業・会議などに役立ちます。

ここでは、板状の通称「板タブ」と、モニターに直接描き込む「液タブ(液晶タブレット)」の両方について、購入時にチェックすべきポイントを解説します。さらにPCとMacだけでなく、Androidスマホ/タブレットで使える製品や初心者向き、プロ向きの製品まで、幅広くおすすめ製品を紹介します。

板タブ・液タブの違いとおすすめの使い方

【板タブ】リーズナブルで購入しやすい。ビジネスにも

 
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「板タブ」とは、ボード状のペンタブレットのこと。長らくこのタイプが主流だったこと、比較的シンプルな技術でつくられていることから、故障のリスクが少なく価格もリーズナブルです。

安いからと言って性能が悪いわけではなく、現在もプロのイラストレーターや漫画家が使っています。使いこなすのには多少の慣れが必要ですが、モニターを見ながら視線を動かさずに使えたり、描いているときに手元が隠れない点がメリットです。

PCを使ったイラスト作成にチャレンジしてみたい人や、たまにビジネスの資料に手書きしたい方は、まず板タブを購入することをおすすめします。

【液タブ】モニターに直接描ける。ヘビーユーザー向け

 
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「液タブ」とは液晶タブレットのことで、液晶画面の上を専用のスタイラスペンでなぞって直接操作するタイプです。紙に描くのと同じような感覚で直感的に使えます。

液晶ペンタブレットの価格の目安は、3万円~40万円程度までさまざま。液晶画面の大きさで、価格が大きく変動します。高価な製品が多いことから基本的にヘビーユーザー向けです。

板タブを使っていたプロのイラストレーターが液タブに移行するケースも多く、使いやすさはプロお墨付き。本格的にイラストや漫画制作に取り組んでいる人におすすめです。

ペンタブレットの選び方

大きさは使い方に合わせて選ぶ

 
Choochart Choochaikupt / EyeEm//Getty Images

[板タブタイプのペンタブレットの場合]

板タブでイラストを描く場合は、モニターと近いサイズを選んだほうが使いやすいでしょう。これは手を動かして引いた線の長さとモニターの中で描かれる先の長さが同じくらいになり、何度もペンを行き来させる必要がなくなるためです。

一方、ビジネス用途で資料に手書きで文字を書く目的であれば、かならずしも大きい必要はありません。持ち運びやすく収納しやすい、小さい板タブでOKです。

[液タブタイプのペンタブレットの場合]

液タブの場合は、液晶画面の解像度を確認しましょう。最低でも、一般的なPCモニターと同じフルHD(1920 × 1080px)をおすすめします。仕事で大きなイラストを描く人は、4K解像度の製品を選んでもよいでしょう。

忘れがちなのが、本体がデスクに置けることの確認です。特に液タブは斜めに設置することもありスペースを取ります。忘れず確認しましょう。

描きやすさは「筆圧レベル」と「傾き検知」をチェック

graphic designer working on computer
DragonImages//Getty Images

イラストを描くためにペンタブを購入するなら、線の太さを自在に操れることも大切です。目安として「筆圧レベル」と「傾き検知」を確認しましょう。

「筆圧レベル」は、ペンにかかった力の強弱をどれくらい細かく検知できるかの目安になり、線の微妙な太さの表現に役立ちます。おすすめは「2048」「4098」「8192」のいずれかで、数値が大きいほど感知精度が向上します。

「傾き検知」はペンを傾かせることで、線の太さや濃淡を表現できる機能です。ペンを寝かせると線が太く、ペンを立てると細い線になります。鉛筆のように使えるため、イラストを描く人なら使いこなせる機能です。

ヘビーユーザーはショートカットキー付きがおすすめ

 
artisteer//Getty Images

板タブや液タブの中には、自由に機能を割り当てられるショートカットキーがついている製品があります。イラストを描く人に多いのは、進む・戻る機能を割り当てたり、拡大や縮小機能を割り当てるケースです。そうすることで今引いた線を消したり、細かい部分を描き込むことがスムーズになります。

また、上書き保存機能を割り当ててこまめに押せば、データの消失を防ぐこともできます。ヘビーユーザーであればショートカットキー付きを選ぶのがおすすめです。

ペンタブ(ペンタブレット)のおすすめ10選

XP-Pen Deco Fun XS

XP-Pen Deco Fun XS

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¥3,580
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初めてのペンタブレットとして、価格が安いものを探している人や仕事で使う資料などにPC上で手書きしたいと考えている人におすすめの、シンプルな板タブタイプのペンタブレットです。

PCとMacだけでなくAndroidスマホ/タブレットでも使えるので、スマホで撮った写真に手書きで文字やイラストを入れるなど、工夫次第で用途が広がります。サイズも小さく邪魔になりにくいのも利点です。

  • タイプ:板タブ
  • 大きさ:4.8 × 3インチ(読み取り範囲)
  • 筆圧レベル:8192
  • 傾き検知・ショートカットキーなし

XP-PEN Deco01 V2

XP-Pen Deco01 V2

Deco01 V2

手頃なサイズと価格ながら、傾き検知機能やショートカットキーも備えた本格的な板タブタイプのペンタブレットです。小さなイラストを描く人なら、このサイズでも十分。イラスト用板タブの入門機にうってつけと言えるでしょう。

機能は本格的ながらコンパクトで軽いので、出先に持っていきやすいのもよいところ。13インチ前後のノートパソコンと同じくらいのサイズなので、重ねてしまっておけます。

  • タイプ:板タブ
  • 大きさ:10 × 6.25インチ(読み取り範囲)
  • 筆圧レベル:8192
  • 傾き検知・ショートカットキーあり

ワコム One by Wacom CTL-672/K0-C

Wacom One by Wacom CTL-672/K0-C

One by Wacom CTL-672/K0-C

ペンタブレットの老舗「ワコム」が、手頃な価格で購入できるラインとして用意しているのが「One」シリーズ。機能はシンプルながら、間違いのない製品との評判が高いペンタブです。

筆圧検知レベルは、今回紹介する製品の中で最も少ない「2048」段階。ですが、普通にイラストを描いたり、文字を描いたりするには十分な性能とも言えるでしょう。信頼できる国内メーカーの製品が欲しいと願う人にもおすすめです。

  • タイプ:板タブ
  • 大きさ:216.0 × 135.0mm(読み取り範囲)
  • 筆圧レベル:2048
  • 傾き検知・ショートカットキーなし

ワコム Intuos Mediumワイヤレス TCTL6100WL/K0

Wacom Intuos Mediumワイヤレス TCTL6100WL/K0

Intuos Mediumワイヤレス TCTL6100WL/K0

ワコムのペンタブレットの主力製品が「Intuos」シリーズ。こちらはBluetoothによるワイヤレス接続が可能なタイプでPCとMacの他、Androidスマホ/タブレットでも手軽に使えます。

高機能な分、価格はやや上がりますが、年額2800円するイラスト用ソフト「CLIP STUDIO PAINT PRO」のライセンスが2年分ついているので、しっかりイラストを描いていきたい人にはおすすめです。

  • タイプ:板タブ
  • 大きさ:152 × 95mm(読み取り範囲)
  • 筆圧レベル:4096
  • 傾き検知なし、ショートカットキーあり

HUION KD200

HUION KD200

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Now 20% Off
¥15,999

左側半分がキーボードになっている、一風変わった板タブタイプのペンタブレットです。イラストなどを描く際に、左手用キーボードを購入してショートカットキーを割り当てているヘビーユーザーにおすすめです。

有線接続とBluetooth、USBレシーバー接続の3つが使えるので、PCだけでなく、Androidスマホ/タブレットへの接続も簡単です。無線の場合は、内蔵バッテリーで連続18時間使用できます。

  • タイプ:板タブ
  • 大きさ:226 × 142.88mm(読み取り範囲)
  • 筆圧レベル:8192
  • 傾き検知・ショートカットキーあり

HUION Kamvas12

HUION Kamvas12

Kamvas12

現在販売されている液晶ペンタブレットの中で、最もコンパクトな11.6型の製品です。基本的な機能をしっかり押さえつつ、価格もリーズナブルに抑えています。

2万円台で購入できる製品ですが、sRGBカラーを120%カバーする色彩豊かなIPS液晶画面を使っており、表示の美しさが口コミでも評判。Photoshopなど主要ソフトでの動作も確認済みです。

  • タイプ:液タブ
  • 大きさ:11.6インチ(フルHD)
  • 筆圧レベル:8192
  • 傾き検知・ショートカットキーあり

XP-Pen Artist 13.3 Pro

XP-Pen Artist 13.3 Pro

Artist 13.3 Pro
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¥34,065

コチラは13.3インチの液タブで、13~14インチのノートPCを使っている人にぴったりのサイズ。13インチのMacBookを使っている人にもおすすめの製品です。

ショートカットボタンだけでなく、ダイヤルコントローラーがついているためキャンバスの拡大・縮小も直感的にできます。Amazonでも売れ筋の製品の一つで、イラスト用の液タブデビューにも最適です。

  • タイプ:液タブ
  • 大きさ:13.3インチ(フルHD)
  • 筆圧レベル:8192
  • 傾き検知・ショートカットキーあり

ワコム Cintiq 16 DTK1660K1D

Wacom Cintiq 16 DTK1660K1D

Cintiq 16 DTK1660K1D

他社に先駆けて長年液晶ペンタブレットをつくってきたのが、日本メーカーのワコムです。世界中のプロが使う業界標準的なペンタブだけに、スペック表だけでは見えにくい部分もしっかりとつくられています。

例えば、ペンでなぞったときに描画の遅れが限りなく少なかったり、鮮やかさより正確さを重視したディプレイ性能などがそれです。趣味ではなく、仕事で液タブタイプのペンタブレットを使う人にもおすすめできます。

  • タイプ:液タブ
  • 大きさ:15.6インチ(フルHD)
  • 筆圧レベル:8192
  • 傾き検知あり、ショートカットキーなし

XP-Pen Artist 22セカンド

XP-Pen Artist 22セカンド

Artist 22セカンド

「大型の液タブをできるだけ安く購入したい」と考えているユーザーから、人気を集めている製品です。従来製品の半額近い価格ですが、動作も安定していると大変好評です。

21.5インチのフルHDというのは、多くのデスクトップPCのモニターとほぼ同じサイズ。表示サイズに余裕があるため資料を大きく表示したり、大きなキャンバスに絵を描くことも容易です。

  • タイプ:液タブ
  • 大きさ:21.5 インチ(フルHD)
  • 筆圧レベル:8192
  • 傾き検知・ショートカットキーあり

ワコム Cintiq Pro 24 ペン & タッチモデル

Wacom Cintiq Pro 24 ペン&タッチモデル

Cintiq Pro 24 ペン&タッチモデル

まだ製品数が少ない、4Kモニターを使った液晶ペンタブレットです。4KはフルHDの4倍の面積を表示できるため、今まで全体像を表示しきれなかった大きな絵や資料が見やすくなるメリットがあります。

17個のショートカットキーを設定できるリモコンが付属していて、単独でも液タブの縁に設置しても使えます。また、この製品はタブレットPCのように指でズームやピンチ動作が可能となっています。

  • タイプ:
  • 大きさ:23.6インチ(4K)
  • 筆圧レベル:8192
  • 傾き検知・ショートカットキーあり

まとめ

このページでは、ペンタブレット購入時にチェックしたいポイントとおすすめのペンタブを紹介してきました。数年前は最も安いものでも5000円以上していましたが、コストパフォーマンスに優れた海外製品が登場したことで価格が下がり、日本メーカー製品も手頃な価格で良いものが買えるようになりました。

画面に直接字などが書けるタブレットとは違い、PCで手描きを行いたい場合にはペンタブレットが必要となります。これを一つ持っていると表現の幅が大きく広がるので、気に入ったペンタブがあれば検討してみることをおすすめします。