史上最高の携帯ゲーム機ベスト10
任天堂がこれまでに投入してきた携帯ゲーム機は、これまで多くのファンたちに愛され続けてきました。そんな任天堂の携帯ゲーム機を脅かす存在はあるのでしょうか。
任天堂は過去数十年にわたって、携帯ゲーム機市場を支配してきました。同社はこれまでに驚くほど多くの携帯ゲーム機で大成功を収めており、2019年9月20日に販売開始となった「Nintendo Switch Lite」もこのリストでは新顔にしか過ぎません。次々に新たなゲームを送り出す任天堂については、根っからのファンという人もいれば、「ソフトがあまりに子どもっぽい」あるいは「『ニンテンドー64』時代の全盛期は終わった」と考える人もいるでしょう。とは言え、任天堂がテレビゲームを持ち歩いて遊ぶ方法を総合的に定義したという事実は、誰も否定できません。なぜならばゲームボーイの発売以前、携帯ゲーム機の世界はまったく違うものだったのです。
ただし、任天堂だけが素晴らしい携帯ゲーム機をつくってきたわけではありません。多くのゲーム会社は長年にわたって同社に対抗しようと試みてきましたし、そのうち数社はかなり一貫した成功を収めてきました。
そこで今回、「エスクァイア US」編集部が考えるゲーム史上最高の携帯ゲーム機を10機種選出し、ランク付けしました。
第10位:セガ「ノーマッド」(1995年)
北米市場向けの携帯ゲーム機「ノーマッド」は、当時かなり時代を先取りしていました。とは言え、セガの意気込みもむなしく、この携帯ゲーム機は任天堂のものほどスムーズには動作しませんでした。セガが1995年に発売した「ノーマッド」は、その22年後にデビューした「Nintendo Switch」と同様に、据え置き型ゲーム機の体験をうまく手のひらサイズに収めたものです。この大きな黒いボディに「メガドライブ」のカートリッジを差し込むだけで、様々なゲームを持ち歩いて遊ぶことができたのです。しかし、残念ながら「ノーマッド」はバッテリー消費が激しく、外出先でプレーできたのは短時間でした。
第9位:任天堂「ニンテンドーDS」(2004年)
「1台の携帯ゲーム機に2つの画面」という斬新なデザインの「ニンテンドーDS」ですが、こんなゲーム機をあえてつくるのは任天堂だけではないでしょうか。オリジナルの「ニンテンドーDS」は下画面のみタッチペンで操作できる仕組みとなっており、ゲームデベロッパー各社はかなり奇抜な携帯ゲーム機向けタイトルを考案する必要がありました。このような一見おかしな仕組みにもかかわらず、「ニンテンドーDS」には次々に面白いタイトルが登場したのです。特に、『New スーパーマリオブラザーズ』は同社を象徴するシリーズを、久々に横スクロールアクションに原点回帰した作品でした。
第8位:任天堂 「ゲームボーイカラー」(1998年)
「ゲームボーイカラー」は、「ゲームボーイ」のあらゆる楽しみに鮮やかな色彩を加えてくれたゲーム機です。この8ビット機は「マリオ」シリーズから数々のライセンスゲームまで、素晴らしいラインナップを誇ります。「ゲームボーイカラー」という名にふさわしく、任天堂は誰もが個性を加えられるよう、次々と新たなカラーバリエーションを展開しました。
第7位:ネオジオ「ポケットカラー」(1999年)
ネオジオは常に、携帯ゲーム市場のダークホースでした。SNKが開発したこの携帯ゲーム機は、お世辞にも当時一番人気があったとは言えません。ですが、それでも一定の影響力を持った小型ゲーム機として記憶に残っています。『ザ・キング・オブ・ファイターズ』や『SNK VS. CAPCOM』のような格闘アクションゲームは、今や象徴的なタイトルとなっており、前者のキャラクターであるテリー・ボガードは、年内に『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』に参戦することも決まっています。
第6位:セガ「ゲームギア」(1990年)
「ゲームギア」は、セガの人気タイトルやカラフルなバックライト付き画面、処理能力の高さ、人間工学に基づいた大きめの本体といった要素で、「ゲームボーイ」の競合ゲーム機として最も健闘しました。しかし、任天堂から携帯ゲーム機市場の王座を奪おうとする試みもむなしく、「ゲームギア」が十分な成功を収めることはありませんでした。ハードウェアの技術はライバルを上回っていましたが、「ゲームボーイ」の圧倒的な人気タイトルのラインナップに敗れ去ったのです。
第5位:任天堂「ゲームボーイアドバンス」(2001年)
16ビットでバックライトが付いた「ゲームボーイアドバンス」は、夜でも快適に遊ぶことができました。ゲームのラインナップは任天堂のあらゆるゲーム機の中でも指折りで、『ポケットモンスター』シリーズや『メトロイド』といった輝かしいタイトルに加え、奇抜な周辺機器の数々や「ゲームキューブ」との連動する機能(『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』でお馴染みです)もありました。間違いなく傑作ゲーム機であり、16ビットのゲーム機が秘める可能性を示してくれた1台でした。
第4位:ソニー 「プレイステーション・ポータブル」(2004年)
「プレイステーション・ポータブル」の発売以前の携帯ゲーム機市場は、いくつかダイヤの原石と呼べるようなゲーム機こそあったものの、基本的には任天堂に支配されていました。そこに『ファイナルファンタジー』や『キングダムハーツ』、『メダル・オブ・オナー』、『メタルギア』などの衝撃的な数のトリプルA級タイトルを引っさげて登場したのが、「プレイステーション・ポータブル」でした。またこのゲーム機には、当時前例のなかったオンラインマルチプレイヤーアクションゲームもありました。残念ながらソニーは、後継機のPlayStation Vita(プレイステーション・ヴィータ)で失敗してしまいましたが、将来同社が携帯ゲーム機市場に再びカムバックをはたすことを祈っています。「『スパイダーマン』を持ち歩いて遊べたら」、なんて想像をせずにはいられません。
第3位:任天堂「Nintendo Switch Lite」(2019年)
「『Nintendo Switch Lite』が兄弟機の『Nintendo Switch』より優れている」、なんて言うつもりは決してありません。とは言え、こちらは携帯モードに特化したゲーム機ですから、今回のランキングにふさわしいというだけです。このゲーム機は「Nintendo Switch」のほぼすべてのソフトを遊ぶことができるのですから、失敗するはずがありません。また、外観と操作感が優れていることもプラス要素です。据え置き型ゲーム機としても遊べる「Nintendo Switch」を持っていない限り、「Nintendo Switch Lite」はいま最も信頼のおける携帯ゲーム機でしょう。
第2位:任天堂「ゲームボーイ」(1989年)
ずっしりとしたボディに緑がかった画面という美しいデザインの「ゲームボーイ」は、任天堂からゲーム界への最高の贈り物と言えるかもしれません。持ち歩きできる小型ゲーム機という任天堂のアイデアは、テレビゲームのまったく新しい体験をもたらし、ゲーム開発者の考え方に革命を起こしました。また、「ゲームボーイ」は現在もゲームの世界に影響を及ぼし続けており、これはスマートフォン向けにリリースされる最新タイトルの数々を見てもはっきりしています。何より、トイレに座る時間をワクワクするものにしてくれたゲーム機でした。
第1位:任天堂「ニンテンドー3DS」(2011年)
火の鳥は、灰の中から蘇るものです。任天堂は史上最も売れた携帯ゲーム機となった「ニンテンドーDS」の後継機に、3Dとモーションコントロールの機能を加えました。「ニンテンドー3DS」は前途多難なスタートを切ったものの、『ポケットモンスター』シリーズや『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』、『モンスターハンター』シリーズ、『スーパーマリオ 3Dワールド』といった素晴らしいゲームのおかげで、誰もが楽しめる携帯ゲーム機となりました。同社は最近このゲーム機のサポート体制を縮小しましたが、様々なモデルや価格帯、カラーバリエーション、素晴らしいラインナップなど、「ニンテンドー3DS」は任天堂が携帯ゲーム機を徹底的に理解していることを証明するものです。
From Esquire UK
Translation / Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です