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ゲームの世界では、3年〜5年ごとに新世代のゲーム機が登場します。アートの域とも言えるゲームは、この意味では他の芸術表現の形態とも異なっています。同様の傾向にあるのが、「音楽」や「映画」かもしれません。数年ごとに、その体験方法がまったく変わってしまうケースが通常です。
確かにテクノロジーは、過去数十年であらゆるメディアにおいて進化してきました。これにならうようにゲーム文化に関しても、ゲーム機の世代をベースに…「コンソール・ジェネレーション」と呼んで世代ごとに分けています。
このような現代のゲーム業界において、常にプレイヤーの注目を勝ち取ろうと競い合っている3つの巨大企業があります。それが、マイクロソフトとソニー、任天堂です。過去にはセガやアタリ、インテレビジョンといったメーカーから大ヒットゲーム機が発売されたこともあります。が、現在のテレビゲーム機市場を支配しているのは、間違いなくこのビッグスリーです。
そして、ゲーム機市場の支配を争ってきたこれらの企業は浮き沈みを繰り返してきました。任天堂は90年代にセガとしのぎを削っていましたし、マイクロソフトの「Xbox」は2000年代初頭にオンライン機能でゲーム界を一変させました。そして今日、「プレイステーション4」はゲーム市場で最も売れているテレビゲームとして君臨し続けています。
とは言え、ゲーム機の素晴らしさは売上だけでは決まりません。当然のことながら、ゲームソフトの良し悪しが、その評価の大部分の割合を占めるでしょう。あるゲーム機が優れているかどうかは対応するソフト次第であり、ゲーム機メーカーのオリジナルタイトルやサードパーティータイトル(ゲーム機を出していないメーカーから発売されるゲームソフト)の質や量は、そのゲーム機の運命を左右するわけです。
そうして長年、技術的に優れたゲーム機は多数リリースされてきました。ですが、その数の多さにカタログからも見つけられなかったり、見逃してしまった機種も少なくないでしょう。そこで今回、「エスクァイア」US版 編集部が考えるゲーム市場最高のテレビゲーム機を10機種選出し、ランク付けしました。
第10位:任天堂「Wii」(2006年発売)
「Wii Sports」のあらゆるファンアカウントやファンクラブを率いる私に言わせれば、「Wii」は「Wii Sports」の存在だけでこのランキングに載るに値します。
「Wii」はゲーム業界にとって、驚くべきターニングポイントでした。その仕掛けやモーションコントロールが理由ではなく、このゲーム機がゲーム体験の新たなスタンダードをもたらしたからです。
「Wii」というゲーム機やその遊び方は、老若男女誰もが知っています。当時のゲーム市場で最も評判になったこのゲーム機には、ファミリーフレンドリーで「ゲームを通じて絆を深める」というようなスタンスがありました。「Wii」はあらゆる人にゲーム体験を身近なものにしたのです。
また、魅力的なゲームライブラリもありました。最高のマリオゲーム(『大乱闘スマッシュブラザーズ』や『マリオカート』など)や多くのリメイク作品、新たなタイトルやキャラクターをもたらし、当時としてほぼ完璧なテレビゲーム機だと言えます。
第9位: セガ「メガドライブ」(1989年発売)
セガは1989年にゲーム市場に参入。どちらかと言えば、子ども向けの任天堂のゲームに代わる、クールでヒップなゲームをもたらすという試みでした。これは今考えれば、独断的な選択に思えるかもしれませんが、長年セガはこれでうまくいってきたのです。
『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』や『ゴールデンアックス』、『アースワームジム』のようなタイトルは、実際にゲーム業界の幅を広げました。これらのゲームは90年代の精神を捉えており、「メガドライブ」や従来機の「マスターシステム」は任天堂の代表的なテレビゲーム機に比べれば、覚えている人は少ないかもしれません。ですが、いずれも印象的なゲーム機でした。
なんと言っても「メガドライブ」は、3500万台も売れているのです。実はこれ、「ニンテンドー64」よりも多い数なのです。
第8位:マイクロソフト「Xbox」(2001年発売)
オリジナルの「Xbox」と「Xbox 360」のどちらを選ぶかは迷いましたが、オリジナルモデルの新鮮味が後継モデルをわずかに上回ると判断しました。
初代「Xbox」は、現在のマイクロソフトの巨大なゲーム帝国の礎を築いたモデルで、ゲーム界に圧倒的人気シリーズ『Halo』をもたらしました。何より初代「Xbox」は、「Xbox Live」によって、オンラインでゲームを遊ぶ方法に革命を起こしました。
これはゲーム史に残る偉大な業績であり、このオンラインでの遊び方は現在も業界のスタンダードとなっています。
第7位:ソニー「プレイステーション」(1995年発売)
記憶違いをしている人もいるかもしれませんが、ソニーの初代「プレイステーション」は実際のところ、「ニンテンドー64」より先に発売されました。任天堂が1996年に発売した「ニンテンドー64」はしばしば、ゲーム業界に3Dを送り出したものとみなされていますが、実際にこの進歩をもたらしたのは1995年の初代「PlayStation」だったのです。
このソニーのテレビゲーム機は、『メタルギアソリッド』や『ファイナルファンタジーVII』などのタイトルでゲーマーたちを3Dの世界に誘いました。よりシリアスで大人っぽいゲームが多かった「プレイステーション」ですが、『クラッシュ・バンディクー』や『スパイロ・ザ・ドラゴン』のような楽しい子ども向けタイトルもありました。
こうして「プレイステーション」は、テレビゲーム機の金字塔となりますが、最終的にはさらに優れた後継機の「プレイステーション 2」の影に隠れることになったのです。
第6位: 任天堂「スーパーファミコン」(1991年発売)
多くの人にとって、「スーパーファミコン」は今でもテレビゲーム機の定番です。ゲーム業界を16ビットの時代に進めた「スーパーファミコン」は、画期的なグラフィック性能を誇り、いくらかの初歩的な3Dさえ表示できました。
とは言え、「スーパーファミコン」で最も印象的だったのは、底なしに思えるほどの革新的なゲームのライブラリです。『スーパーマリオワールド』はプラットフォーマーゲームの常識を書き換え、『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』は新しいジャンルを生み出しました。
また、『スーパードンキーコング』、『スーパーメトロイド』、『スターフォックス』、『スーパーマリオカート』など、名作を挙げていけばキリがありません。
最近では「Nintendo Switch」のオンラインサービスに「スーパーファミコン」のカタログが追加されましたので、人々はこのゲーム機の栄光を再発見しつつあります。これらのゲームを、これから初めて遊ぶ人が羨ましい限りです。
第5位:ソニー「プレイステーション4」(2013年発売)
ソニーの「プレイステーション 3」は、「Xbox 360」の後塵を拝しました。が、最も新しい「プレイステーション4」は、新たな世代のゲーム機戦争をリードしてきました。
そして、この理由は明白です。と言うのも、「プレイステーション4」では発売以来、『ゴッド・オブ・ウォー』から『スパイダーマン』、『ファイナルファンタジーVII リメイク』、『デス・ストランディング』まで、圧倒的な独占タイトルの数々がリリースされてきたからです。
これに加えて「プレイステーション4」は、本物のVRヘッドセット(「ニンテンドーラボ」には気の毒ですが)に対応する唯一のテレビゲーム機であり、このVRシステムは「VIVE」や「Oculus VR」のものより、はるかに手ごろな価格ながら素晴らしいデキなのです。さらに、多種多様な驚くべきライブラリがあるのも、「プレイステーション4」です。
第4位:任天堂「Nintendo Switch」(2017年発売)
「Wii U」が数年にわたって迷走した後、任天堂はセガと同じ方向に転換するようにも思えました。つまり、もはやゲーム機の開発を止め、既存の優れたゲーム機向けのソフトを開発する道です。
しかしその後、任天堂は「Nintendo Switch」のリリースで誰もに衝撃を与えました。2016年10月に初披露されたとき、このゲーム機の「携帯ゲーム機とテレビゲーム機の両方として遊べる」というコンセプトが人々の心を掴んだようには思えませんでした。
そんな中、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』や『スーパーマリオ オデッセイ』、『マリオカート8 デラックス』のような大型タイトルが発表されるにつれ、ゲームファンにとって任天堂の斬新なアイデアを無視するのは、ますます不可能に思えてきたのです。こうして彼らはこのゲーム機を選びました。
「Nintendo Switch」は現在も売れ続けており、マイクロソフトとソニーも自社のテレビゲーム機の体験をモバイル端末のスクリーンにもたらそうと試みていますから、「Nintendo Switch」が今後のゲーム界に長期的な影響を与えることは明白でしょう。
第3位:任天堂「ファミリーコンピュータ」(1985年発売)
「ファミリーコンピュータ」(以下、ファミコン)は、アタリが崩壊させそうになった家庭用ゲーム機市場を、完全に再活性化させました。
ゲーム業界で成功を収めているほとんどのシリーズのスタートが「ファミコン」であり、ゼルダやカービー、マリオなどゲーム界を代表する数々のキャラクターは、このゲーム機から控えめなスタートを切りました。
これらのゲームが現在も再リリースされ続けているのは、その多くが今遊んでも極めて楽しく夢中になれるものだからです。
「ファミコン」には膨大なライブラリがあり、当時は(セガの参入まで)競争も少なく、『ダックハント』の光線銃型コントローラーなど最先端のテクノロジーもありました。このテレビゲーム機は、誕生から35周年を迎えます。が、ほとんどあらゆる点で今でも通用します。
第2位:ソニー「プレイステーション 2」(2000年発売)
「プレイステーション 2」の魅力は、その豊富なラインナップでした。最高のシューティングゲームからライセンスゲーム、ボンドゲーム、素晴らしいRPGやレーシングゲーム、オープンワールドゲーム、『グランド・セフト・オート』、『キングダムハーツ』、『タイムスプリッター 〜時空の侵略者〜』まで、プレイヤーが求めるありとあらゆるタイプのゲームがありました。
『Halo』など「Xbox」の独占タイトルを除けば、当時のゲーム界のすべてがあったと言っても過言ではありません。グラフィックも最高で、新たな「DualShock」コントローラーは初代「プレイステーション」から劇的に進化していました。
また、「プレイステーション2」のシステムは、ゲーム開発が容易だったことでも知られており、これまでテレビゲーム機でつくられていなかった大量のタイトルが、「プレイステーション2」でリリースされました。私のお気に入りの多くも、このゲーム機で発売されたものが多かったのです…きっと、1位に選ぶ人も多いことでしょう。
第1位:任天堂「ニンテンドー64」(1996年発売)
80年代・90年代に青春時代を過ごしたラッキーな人々にとって、「ニンテンドー64」は自分の子ども時代を思い出す栞(しおり)のような存在かもしれません。
ソニーの初代「プレイステーション」は、ゲーム界の3D時代への進歩に貢献しましたが、3Dゲームがプレイヤーにもたらす幅広い体験を本当に見せてくれたのは、この「ニンテンドー64」でした。
『スーパーマリオ64』は3Dプラットフォームゲームを1つの芸術の域に導き、『ゼルダの伝説 時のオカリナ』に関しては間違いなくゲーム界の最初の傑作でした。
コントローラーやゲームカートリッジは不格好でしたし、一部のタイトルでは、ときに処理落ちもありました。ですが、創造的かつ進歩的であった「ニンテンドー64」は、今でもゲーム業界の頂点にあり続けているのです。
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From Esquire US
Translation / Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳で