ゼロからマイナス…骨折した骨が完治すると、これまで以上に丈夫になるように…プラスへと。アメリカの「MonsterVerse(モンスター・ヴァース)」と混同してはいけないかもしれません。確かに『GODZILLA ゴジラ』(2014年)、『キングコング:髑髏島の巨神』(2017年)、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019年)、『ゴジラvsコング』(2021年)と続く海外の作品群も素晴らしいのですが…。

これぞ真の、ゴジラからの新しくも永遠のメッセージです(本当は、永遠に続くことはないことを願っています)––。


このたび東宝が1954年からスタートさせた特撮怪獣映画、「ゴジラ」シリーズの最新作『ゴジラ -1.0』が、2023年11月3日(金)より日本公開となりました。舞台は第二次世界大戦後の日本…。

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
英国の映画記者も
「ゴジラ」に対して期待大のよう

英国を拠点とするエンターテインメント情報ウェブサイト「Digital Spy」の記者チャーリー・ダンカン(Charlie Duncan)は、10月にイギリスとアイルランドで同年12月15日(金)から公開されることとなったことを喜び、記事をつづっていました。その記事の紹介するとともに加筆していきます。ちなみにアメリカおよびカナダでの公開は、12月1日(金)からとなっています。

ダンカンは、「この映画は東宝の巨大爬虫(はちゅう)類怪獣をフィーチャーした33作目だが、『コング: 髑髏島の巨神』、『ゴジラ: キング・オブ・ザ・モンスターズ』、『ゴジラ対コング』といったゴジラをフィーチャーしたワーナー・ブラザースの映画世界とは無関係だ」とつづっています。

ダンカンの言う「33作目」は、東宝による「ゴジラ」シリーズの映画本数を指していることから、ダンカンがこだわり派のゴジラファンであることが推測できます。世界的に観れば、この『ゴジラ -1.0』は「ゴジラ」映画として37作目に当たり、国産の実写作品としては30作目。2010年以降となると、『シン・ゴジラ』(2016年)以来の7年ぶりの映画です。そして、「ゴジラ生誕70周年記念作品」として位置づけられています。

godzilla minus one official trailer
Toho
ゴジラの襲来に絶叫する路面電車の運転手。
『ゴジラ-1.0』のプレミアも
盛大かつオリジナリティ満載

    日本では全国公開前の10月18日(水)に、“『ゴジラ-1.0』ワールドプレミア レッドカーペットイベント”として初の限定公開が都内で行われたことも、ダンカンはうらやましそうにつづっています。さらに、11月1日(水)には東京国際映画祭のクロージングタイトルとして上映されたことも含め…。それから、「あと1カ月も待たないといけないのか!」と嘆いているようです。ちなみに筆者も、日本にいながらにして観ることはできませんでした、悔しい!

    ですが、ゴジラシリーズ初となるアドトラックキャンペーン「ゴジラ襲来トラック」の走行には渋谷で出くわすことに成功…ダンカンは、きっとうらやましがるでしょう。

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    映画の公式に発表しているあらすじは、「出兵していた敷島浩一(神木隆之介)は日本へ帰還するが、東京は焼け野原と化し、両親は亡くなっていた。人々が日々を懸命に生き抜いていく中、浩一は単身東京で暮らす大石典子(浜辺美波)に出会う。しかし、これから国を立て直そうとする人々を脅かすように、謎の巨大怪獣が現れて……」となっています。そして、公式サイトのイントロダクションページには、「生きて、抗(あらが)え。」の見出しのあと、「焦土と化した日本に、突如現れたゴジラ。残された名もなき人々に、生きて抗う術はあるのか――絶望の象徴が、いま令和に甦(よみがえ)る。」としています。

    なるほど素直に言えば、「戦後0となった日本に巨大怪獣ゴジラが襲来することで、マイナス1になるってことね…」ということに。9月から公開されている予告編を観れば、同様のことが確認できます。

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    ゴジラが国中に大惨事を引き起こしている映像、そしてゴジラが船を投げ飛ばし、街を破壊しながら横切ってシーンも。そして何百人もの人々を、あの鱗(うろこ)にも岩石化したかにもみえる足で踏みつぶすシーン、そして軍艦を沈めるシーンが映っていました。

    山崎監督だからこその
    戦後描写と群像劇に期待大

    この映画の監督・脚本そしてVFX(視覚効果)を務めるのは、2005年に始まる「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズ、2013年の『永遠の0』、2016年の『海賊と呼ばれた男』 でも 監督・共同脚本・VFXを務めてきた山崎 貴です。…ということは、前述に挙げた3作におけるあの時代の描き方、そして実写とCGを組み合わせる卓越した技術、さらにさまざまな登場人物を組み合わせ感動(および涙)をもたらす群像劇に仕立てる卓越したセンスは大いに期待できます。…とは言えおそらく、(あくまでも筆者の個人的な感想ですが)、2019年の『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』と『ルパン三世 THE FIRST』という3DCGアニメ映画で高評価を得られなかった氏なので、おそらくギークな人々は斜めの視線で観るだろうと予測もできます。

    シンプルなお涙頂戴ものが大の好物であり、しかも人生初めて鑑賞した映画が『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』である筆者に関しては、この映画にはかなりの期待を抱いております。そのため、鑑賞のタイミングを慎重に考えすぎているため、まだ鑑賞できていないのにこんなことを書いて恐縮です。

    godzilla minus one official trailer
    Toho
    焼け野原の戦後日本を、単身で強く生きる大石典子役を演じる浜辺美波。
    時代を超えてゴジラが再び
    心の中の-を+へと
    転化してくれる…と期待大

    2024年、生誕70周年を迎えるゴジラの熱が徐々にこれで熱くなってくるでしょう。そして2024年4月12日(金)には、日本の「ゴジラ」とアメリカの「キングコング」シリーズの融合リブート映画『ゴジラvsコング』の続編で「モンスター・ヴァース」シリーズ第5作目となる『ゴジラxコング:ザ・ニュー・エンパイア』の公開も待っています(一時はワーナー・ブラザースの公開スケジュールはストの影響を鑑みて2023年8月に見直されましたが、結局このタイミングとなりました)。

    ちなみに、第1作目『ゴジラ』は1954年(昭和29年)11月3日に封切られたということで、ファンの間ではこの日を「ゴジラの誕生日」としていました。そして2017年に一般社団法人・日本記念日協会によって、記念日として認定・登録がなさます。

    そして当時のキャッチコピーは、「放射能を吐く大怪獣の暴威は日本全土を恐怖のドン底に叩(たた)き込んだ!」ですが…。

    映画『ゴジラ-1.0』公式サイト

    国内実写版30作品の予告編集
    ゴジラ予告編ギャラリーを観る
    United Archives//Getty Images

    From: Digital Spy