[目次]
▼ やっと仕事終わった……おなかすいた、さあ思いっきり食べるぞ!で大きな代償が
▼ 気づいたら寝る直前まで、大好きなお菓子やお酒何を食べたか覚えていない!
※2024年4月8日に「ダイヤモンド・オンライン」に掲載された、岡田明子氏(管理栄養士)による記事の転載になります。
なぜ夜遅くに
食事をすると太るのか
食事から取ったエネルギーは、寝ている間は昼間の活動時よりも消費されにくいので、夜遅い時間に食事をすると、余分なエネルギーが体脂肪として蓄積されやすくなります。
また、脂肪の合成を促進する「B-MAL1(ビーマルワン)」というタンパク質が夜〜深夜に体内に増加します。このタンパク質が増えて活発に活動している時間帯に食事をすると、脂肪がつきやすくなることも分かっています。
しかし、「夜遅い時間に食事をするから」という理由だけで太るのでしょうか。もちろんその要因もありますが、加えて、良くない食習慣がプラスアルファの原因となって、結果的に太ってしまっていることもあります。
それらの「NGな食習慣」にはどのようなパターンがあるか、見ていきましょう。
やっと仕事終わった……
おなかすいた、
さあ思いっきり食べるぞ!
で大きな代償が
【NGな食習慣1 「大食い」や「早食い」】
まず挙げられるのが、空腹で帰宅し、「大食い」をしてしまう習慣です。昼食を食べてから何もおなかに入れず、夜21時過ぎまで何も食べないと、夕食時に空腹が頂点に達します。このタイミングで食べると、夕食の量に歯止めが利かなくなってしまいます。
夜遅くに大量に食べるのを防ぐためには、夕方に「分食」をするのがおすすめです。18時までに主食となるおにぎりやサンドイッチなどを食べて、帰宅後は、主食の炭水化物は取らずに、主菜のタンパク質や副菜の野菜、きのこ類、海藻類がとれるおかずのみにします。具だくさんのスープやみそ汁などの汁物、サラダ、冷ややっこや湯豆腐などの豆腐料理などがおすすめです。
夕方に分食をすることで、おなかが落ち着き、帰宅後のドカ食いを抑えることができます。炭水化物を取るのが難しい時は、バナナやミカン、コンビニで購入できるカットフルーツなどの果物や、ドリンクやクッキータイプの栄養補助食品を活用しましょう。
ポイントは、甘いお菓子のようなものではなく、タンパク質や、ビタミン、ミネラルなどの栄養が取れるものを選ぶことです。緑茶や紅茶、コーヒーなどの温かい飲み物を一緒に飲めば、更に満足感がアップして胃が落ち着きます。
夕食時、大皿に盛られた料理を食べたり、お代わりをして食べる習慣がある方は、自分がどれだけの量を食べているのか把握できていない可能性があります。
このような習慣がある方は、大皿ではなく、1人分を小皿に盛りましょう。同じ量でも大皿より小皿に盛り付けた方が量が多く見えるので、脳が勘違いして食べ過ぎを防ぐことができます。
どんぶり物やカレーライスやパスタなどの単品メニューではなく、主食、主菜、副菜をそろえて、できるだけ品数を増やすことでも満足感が得られます。
さらに、「早食い」は、「大食い」につながってしまうので要注意。食べるのが早い方は、満腹中枢が脳に指令を出して「満腹感を得た」という状態になる前にどんどん食べてしまうので、必要のない分まで摂取してしまうのです。
食事の際には箸置きを常備して、何口か食べたら箸を置くようにすると、食べるスピードをペースダウンできます。また、「一口食べたら20回はかむ」などと決めて、よくかんで食べることも意識しましょう。
気づいたら寝る直前まで、
大好きなお菓子やお酒
何を食べたか覚えていない!
【NGな食習慣2「ダラダラ食い」】
仕事から帰宅後、テレビやスマートフォンなどを見ながら飲食し、夕食後もお菓子やアイスクリームなどをダラダラ食べる、お酒をずっと飲み続けるなどの習慣のある方は、気づかないうちにカロリーの取りすぎにつながっています。また、寝る直前まで食べ続けることは、脂肪蓄積に直結してしまいます。
食べる量や食べ終わる時間などを決めずに、食生活にメリハリがないことで、食べているという行為が記憶に残らず食べ続けてしまうこともあるでしょう。そんな習慣のある方は、夕食を全てテーブルに並べて、よくかんで味わって食べるようにしましょう。
夕食後のお酒やお菓子なども量を決めて、お菓子は小皿に入れて食べるようにしましょう。
また、自分の食べているものの写真を撮って記録することで、どれだけ食べているのかの把握ができます。夕食だけではなく、朝食、昼食も撮影し、夕食前に確認することで、夕食の量を控える意識にもつながります。
食べ終わったらすぐに片づけをして、歯を磨いてしまうのもおすすめです。
家にあると
ついつい食べてしまう
意志が弱い人へ対策は?
【NGな食習慣3 誘惑食い】
「帰宅途中にコンビニに寄り、欲望のままに必要以上の食品やお菓子などを大量買いしてしまう」「家にいるとついつい冷蔵庫に手が伸びてしまう」ーーこのような習慣がある方は、周りの環境につられて食べ物を口にしてしまうタイプです。
特に、空腹の状態でコンビニやスーパーに寄るのは、とても危険です。もし寄るのであれば、買うものを事前に決めて、それ以外は見ないようにしましょう。
また、家に余分な食べ物があると、ついつい食べ過ぎにつながってしまいます。買い置きはできるだけ控えるとよいでしょう。食べきらないといけない袋菓子ではなく、個包装のものを選んだり、「ダラダラ食い」防止の対策と同じく、お菓子用の皿を用意して「1皿分だけ」と決めて食べるのも手です。
夕食が遅い時間になってしまう方は、単に食べる時間が遅いからだけではなく、食習慣にも問題がある場合があります。まずは食生活全体を見直して、改善していきましょう。