【 INDEX 】

◇プロトレーナー(C.S.C.S.)監修記事

大胸筋を鍛える「ダンベルフライ(英語圏ではチェストフライ Chest Flyとも言います)」こそ、トレーニングの根幹をなすべきものです。正しい方法をいま一度おさらいしておきましょう。

ジムにおけるトレーニングの基本とも言えるダンベルフライ(チェストフライ)ですが、誤った方法で行っていないか? ここで確認しておくことが重要です。シンプルで基本的な筋トレですが、それを正しく行うことで他のトレーニングの効果を上げることが望めるからです。

「メンズヘルス」US編集部のフィットネスディレクターであり、パーソナルトレーナーの認定資格を発行している団体NSCAの認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト資格者エベニーザ・サミュエル(以下、Eb)と、アソシエイト・フィットネス・エディーターのブレット・ウィリアムと一緒に、このトレーニングについて改めて確認し、誤った方法についてはしっかりと修正しておきましょう。あらゆるトレーニングの質を高めることにもつながるはずです。

◇「胸筋を鍛えるダンベルフライ」効果的なやり方を解説

ダンベルを持ってベンチに横になる前に、まずはこの筋トレについて理解を深めておくことが重要です。「胸の上で、ただウエイトを上げ下げすれば良い」というわけではないのです。

一連のトレーニングの動きは記事冒頭で動画にてご紹介しております。次から、一つひとつの動きを写真と一緒に細かく確認していきましょう。 

最高地点で絞り込む

Ebさん:ダンベルフライの真価は、両腕を広げきった状態ではなく、持ち上げた両腕をそろえた状態でこそ効果を得られるものです。

その体勢ではじめて胸筋が引き締められ、厚い胸板が作られてゆくのです。効果を最大化するためにも、力を絞り込むことに集中し、その状態で少なくとも1秒間は体勢を保つように努めてください。

ダンベル 使い方,
 ダンベル 胸筋,
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Courtesy of Men's Health US
最高地点では、両手のダンベルが触れ合わないように注意。

《注意点》

最高地点では、両手のダンベルが触れ合わないように注意してください。得るべき最高の効果を損なうことになるからです。また、すぐに両腕を開いてしまわぬよう、気をつける必要もあります。十分にコントロールされた動作を行うことで、胸の筋肉がより引き締められることになるからです。レップ毎に、たっぷりと時間を費やすように意識しましょう。

両腕を開きすぎない

Ebさん:ダンベルフライ(チェストフライ)から得られる最大の効果は、動作が最高地点に達したときであり、両腕が開かれた状態でないことをいま一度、胸に刻み込んでおきましょう。

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Courtesy of Men's Health US
開いた両腕が床と並行になるくらいが望ましく、それ以上は必要ありません。

《注意点》

両腕を広げつつ下げてゆく際には、肩の高さを目安とすることをこころがけるようにしてください。

開いた両腕が床と並行になるくらいが望ましく、それ以上は必要ありません。柔軟性を高めるためではなく、より大きく、力強く、充実した筋肉をつくり上げるためのトレーニングなのです。肩の可動域も個々人によって異なりますし、特にデスクワークを行う人々は可動域が狭まっている可能性があります。

ダンベルを持った両腕を開く際には、胸がストレッチされたと自分で感じられる状態までで問題ありません。肩や上腕二頭筋にまでストレッチの感覚がある場合には、多少やり過ぎであるという自覚を持つようにしてください。初めてこの筋トレを行う人は開いた両腕が床と平行、もしくは、それよりもやや下がった状態が適当であると考えていただければ良いでしょう。

肩甲骨を絞り込むのを忘れない

Ebさん:ダンベルフライを行う際には、ベンチに当たる肩甲骨(けんこうこつ)にも意識を向けましょう。

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Courtesy of Men's Health US
両方の肩甲骨を絞り込む感覚を忘れないようにしてください。

ウエイトを下ろしながら、両方の肩甲骨を絞り込む感覚を忘れないようにしてください。余計な負荷から大切な肩を守ることにつながります。ウエイトを持ち上げる際にも、肩甲骨は絞り込んだままの状態を維持するよう、心がけましょう。

◇「ダンベルフライ」期待できる効果について

ふたつの効果が望めます。

まずは、やはりあなたの肩をしっかり守るということ。そして、勢いに任せてウエイトを挙げてしまうのを避けるためです。肩の関節が過剰を緩めてしまえば、肩の回旋筋腱板の可動域が制限されてしまいます。肩甲骨を引き絞ることにより、そのような事態を回避するのです。

◇まとめ:動画で一連の流れを確認

preview for How To Perfect Your Chest Fly | Form Check

ダンベルフライを終えるまで肩甲骨を引き締めた状態が維持できれば、それがもっとも望ましいと言えるでしょう。各レップごとの最高地点において、胸筋がきちんと引き締められることで効果につながります。肩甲骨を緩めれば、肩の関節に頼ってウエイトを持ち上げてしまうことになります。

菱形筋(りょうけいきん=脊椎から起こり左右の肩甲骨に停止する一対の筋)を引き締めておくことで肩甲骨の状態を維持し、肩がしっかりと下がった状態を保てるのです。

つまり、絞り込まれた胸筋の働きによりダンベルを持ち上げることができるようになるわけです。可動域が狭まってしまうように感じられるかもしれませんが、そのようなことはありません。胸筋の本来の可動レンジが保たれているに過ぎず、無駄に大きな動作が生まれないので、このほうがむしろ好ましいのです。

Source / Men’s Health US
Translation / Kazuki Kimura 
※この翻訳は抄訳です。