◇タンパク質とは?

 まず、基本的な知識をおさらいしましょう。

 タンパク質とは、アミノ酸が多数結合した高分子化合物で、筋肉や臓器など体を構成する栄養素として非常に重要で大切なものです。さらに、アミノ酸の組み合わせや種類、量などの違いによって形状や働きが異なっており、酵素やホルモン、免疫物質として様々な機能を担っています。そして、骨も強化してくれることが期待できる重要な栄養素です。

 しかしまがら、高タンパク質な食品は豊富にあるため、その種類の多さで何を摂取したら良いのか分かりにくい面もあるのではないでしょうか。

 本記事では、タンパク質の基礎を掘り下げ、その複雑な科学的知識をすべて消化しやすい情報にかみ砕き、皆さんの腹筋を割ることなど肉体美を手にする目標達成に、少しでも参考になるようにしております。

◇タンパク質は『体に良いもの』ということは知っていますが、では、体にとってどのような働きがあるのか?

 「タンパク質」は「炭水化物」、そして「脂質」とともに、体を機能させるための日々必要な3大栄養素の1つになります。

 厚生労働省が発表している日本人の食事摂取基準(2015年版)中の日本人の食事摂取基準によれば、一日に必要なタンパク質は摂取エネルギーの13~20%が理想とされており、推奨量は「成人男性は一日60g」、「成人女性は一日50g」としています。

 体格形成への効果において、タンパク質は称えられています。が、体の増大への影響だけではなく多くの働きがあるのです。より多くのタンパク質を摂取する人は、骨粗鬆症のリスクを減らし、より高い代謝を持ち、さらに血圧を下げることが研究では示されているそうです。

 現在ではチキン、粉末プロテイン、プロテインの入ったクッキーなど、様々な方法で摂取することが可能となっています。このように多くの方法があるにも関わらず、実はタンパク質には2つの基本形しかありません。それは「自然食品」か、「サプリメント」かです。

これはpollの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。


◇「自然食品」から摂取できるタンパク質

 多くの人は、「ビタミンやミネラルなどの栄養素は、サプリメントよりも自然食品から摂取した方が良い」と思っているのではないでしょうか…。
 
 「タンパク質についても、同様に思っている人が多い」と、オハイオ州立大学の管理栄養士であるデナ・チャンピオンさんは言います。

 「自然食品に含まれるすべての良い栄養素を、瓶に詰めたりパッケージ化することはどうしてもできません」。

 「自然の恵みを受けて生まれる『自然食品』には、実験室でつくられるサプリメントでは真似することのできない栄養素が含まれています。例えばブロッコリーには、サプリメントのような錠剤では摂取することのできない、数百もの植物性化合物が含まれています。研究では、自然食品にのみ含まれるこういった物質が、心血管疾患を発症するリスクを下げることに役立っていることが証明されてもいます。さらに自然食品は、多くの食物繊維も摂取できるのです」と、彼女は説明します。

 「完全なタンパク質」と「不完全なタンパク質」について、誰かが議論していることを耳にしたことがあるのではなないでしょうか。その名前が示すように、「完全なタンパク質」には、私たち人間の体内に必要な9つの必須アミノ酸がすべて含まれていますが、「不完全なタンパク質」にはすべては含まれておりません。

 植物ベースのタンパク質は、キヌアや豆腐のようないくつかの例外を除くと、一般的には「不完全なタンパク質」です。

 しかし、「バランスの取れた食事をしていれば、完全なタンパク質を十分に摂取しないというストレスなど感じる必要はありません」と、ノースウェスタン大学の登録栄養士でありスポーツ栄養士のクリスティーナ・ウェイドマンさんは言います。

 「1日に豊富な種類の食べ物を食べているのであれば、体内に必要な必須アミノ酸組成をすべて満たしているはずです」と。

▶体内で必要量を合成できないため、食事から摂取する必要がある「必須アミノ酸」は次の9種類です。

「イソロイシン、スレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジン、フェニルアラニン、メチオニン、リジン、ロイシン」

▶下記は、タンパク質を豊富に含むいくつかのおすすめ食品です。

◇「サプリメント」から摂取できるタンパク質

 これまでは、自然食品以外でのタンパク質の摂取と言えば、粉末プロテインやシェイクがメインのものでした。が、いまでは大豆やホエイなどのタンパク質を加えて加工されたお菓子タイプのものもあります。

 栄養士のチャンピオンさんによると、「お菓子タイプのものでのタンパク質の摂取は、このお菓子だけがタンパク質の唯一の摂取源ではない限り、問題はありません」と言っています。つまりバランスの良い食事が大切なわけです。

 とは言え、「タンパク質が摂取できると謳うサプリメントなどには、現在アメリカでは規制がないため、実のところパッケージの中身が何なのかはわからないのです」とも説明しています。

 「例えば、粉末プロテインの中には汚染物質があるものもあります。だから、私はよりシンプルなものを選択するように患者や皆さんに忠告しています」と。

◇「粉末プロテイン」のおすすめの選び方 

 さらに栄養士のウェイドマンさんは、「ラクトース(Lactose=低甘味度甘味料)」からつくられたホエイプロテインを選ぶことをすすめています。

 なぜなら、それには必須アミノ酸の「ロイシン (leucine)」が豊富に含まれているからです。

 「ロイシンとは、筋肉の構築、脂肪の減少、疲労回復を助ける3つの分岐鎖アミノ酸(BCAA)の1つなのです。ジムでのトレーニングの後に、このロイシン が豊富に含まれているプロテインシェイクを飲むことは非常に効果的です」と、栄養士のチャンピオンさんも教えてくれました。

 「筋力強化トレーニングを行い、それからロイシン が豊富な食品を摂取することは、筋肉を鍛えることを2倍しているようなものです」。もし乳製品が苦手な場合、大豆タンパク質の粉末も、ロイシン の優れた供給源になるそうです。

 粉末プロテインを選ぶときには、「NSFインターナショナル(世界保健機関の食品衛生協力センターとして活動をしている機関)」による「スポーツ認定」シールが貼られていることを確認してください。

 このシールが添付されていることは、その製品は第三者認証機関により検査を受けており、ラベルに記載されている内容のものがきちんと含まれていることを意味しておりますので。

◇では、人気の高いチョコレートなどで覆われたプロテインスイーツなどはどうでしょうか?

 「こういったものは美味しく、手軽に利用できます。が、栄養士としては正直なところ、あまりおすすめできませんね…」と、チャンピオンさん最後に教えてくれました。

Source / Men's Health
Translation / Kazuhiro Uchida 
※この翻訳は抄訳です。