栄養士が教えるダイエットに最適な「高タンパク質&低炭水化物」の優秀な食材20選
現在流行りのダイエットでは、「ケトジェニック・ダイエット」から「パレオダイエット」、「Whole 30」まで、高タンパク質・低炭水化物のフードプランニングが大人気になっています。
高タンパク質・低炭水化物の食事は、減量に役立つことが示されてきています。
現在、世界のダイエットでは、「ケトジェニック・ダイエット」から「パレオダイエット」、「Whole 30」まで、高タンパク質・低炭水化物の食事計画が大人気になっています。
これにはもっともな理由があります。というのも、高タンパク質・低炭水化物の食事は減量に役立つことが示されてきていますから。また、米国の『ジャーナル・オブ・ニュートリション(Journal of Nutrition)』誌に掲載された別の研究では、1日を通して高タンパク(約30gのタンパク質を含む)の食事を摂ることが、筋タンパク合成を刺激することもわかっています。それだけのメリットがあるわけです。
米国栄養士会(Academy of Nutrition and Dietetics)の広報担当者で、栄養士でもあるサンドラ・J・アレヴァロ氏は、「1日摂るべきタンパク質の量は一般的に、体重1kgあたり0.8g〜1.2gが必要としています」とし、「もちろん、たくましく無駄のない筋肉を維持するためには、より多くのタンパク質が必要となります」と語っています。
また、高タンパク質・低炭水化物の食事を目指すと言っても、もちろん炭水化物の摂取量をゼロにするわけにはいきません。
アレヴァロ氏は、「高タンパク質・低炭水化物を徹底することは、しばしば食事に取り入れる食材のバリエーションを減らすことになり、他の栄養素を必要量摂取できないことにもなりかねません」とし、少なくとも食事の半分は野菜で摂ることの重要性も指摘しています。
それでは、様々なダイエットの食事計画に役立つ、高タンパク質・低炭水化物の20種の食材をご紹介していきましょう。
【1】黒豆
「黒豆は植物性タンパク源として非常に優秀で、食物繊維も豊富に含んでいます」と、アレヴァロ氏は説明します。
また、「黒豆にはアントシアニン(黒豆の深い紫の色を出している成分)が豊富に含まれている」と、栄養士でジャーナリストのマリサ・ムーア先生は説明します。彼女はジョージア州立大学で栄養学の学士号を取得した後、「ジョージア栄養士協会」や「米国疾病管理センター」でも働いていた経歴を持っています。
植物界において広く存在する色素である「アントシアニン」は、パワフルな抗酸化物質でもあり、「心臓疾患のリスクを下げることが期待できる」とされています。
◇減塩黒豆缶2分の1カップあたり:
約109kcal、脂質約0.4g(飽和脂肪酸0g)、炭水化物約20g、糖質約0.3g、ナトリウム約166mg、食物繊維約8g、タンパク質約7gが目安です。
【2】ツナ缶
「タンパク質豊富なほか、飽和脂肪酸が少なく、ビタミンBを豊富に含んでいます」、とアレヴァロ氏。
◇ツナ缶3オンス(約85g)あたり:
約73kcal、脂質約0.8g(飽和脂肪酸0g)、ナトリウム約210mg、食物繊維0g、タンパク質約17gが目安です。
【3】ピーナッツバター
脂肪というイメージをもつ人が多いかもしれませんが、「ピーナッツバターには、良質や脂肪が豊富に含まれています」と、アレヴァロ氏は言います。
「とは言え、脂肪は脂肪なので食べ過ぎには注意です」とも、付け加えていることには注意してください。
◇ピーナッツバター大さじ2杯あたり:
約187kcal、脂質約12g(飽和脂肪酸2g)、炭水化物約13g(正味炭水化物約11g)、糖質約3g、ナトリウム約194mg、食物繊維約2g、タンパク質約10gが目安です。
【4】デリターキー(七面鳥のハム)
「昼食にタンパク質を摂りたいならデリターキーがぴったりです」と、アレヴァロ氏はすすめています。
◇デリターキー2オンス(約57g):
約62kcal、脂質約0.5g(飽和脂肪酸0.1g)、炭水化物約2g(正味炭水化物約1.7g)、糖質2g、ナトリウム約440mg、食物繊維約0.3g、タンパク質約12gは目安です。
【5】ひよこ豆
「 ひよこ豆は幅広い料理に使えます。ローストもいいですし、フムスにしてもいいでしょう」とアレヴァロ氏。
さらに、「ひよこ豆」は、食物繊維とタンパク質を含みながら、低カロリーです。さらに、缶詰にすればな安くすみます。
「ひよこ豆」のローストを作るには、豆を水に浸したあとにペーパータオルで水分を拭き取り、乾かします。次にボウルの中でオリーブオイルと混ぜて、塩と粉末唐辛子、またはほかのスパイスで味つけします。
最後にベーキングシートに広げて、茶色くカリカリになるまで30~40分ほど焼いたら、簡単にでき上がり!! ぜひ、試してみてください。
◇ひよこ豆2分の1カップあたり:
約176kcal、脂質約3.5g、炭水化物約29g、糖質約5g、ナトリウム約310mg、食物繊維約8g、タンパク質約9gが目安です。
【6】鶏もも肉
「脂質については鶏胸肉の方が少ないのですが、鶏もも肉は胸肉と同程度のタンパク質を含んでおり、風味はより豊かです」と、アレヴァロ氏。
◇鶏もも肉3オンス(約85g):
約393kcal、脂質約37g(飽和脂肪酸約10g)、炭水化物0g、糖質0g、食物繊維0g、タンパク質約14gが目安です。
【7】レンズ豆
「レンズ豆は、タンパク質と食物繊維が豊富です。スープで食べるのが大好きです」と、アレヴァロ氏はすすめています。
またレンズ豆は1カップで、1日の推奨摂取量の半分の食物繊維を摂ることができ、タンパク質も豊富です。サラダ、スープ、もしくはパスタ用のソースを作る際に1カップ加えるだけで、繊維質約15g前後とタンパク質約18g前後を簡単に摂ることができるのです。
ニュートリション・ストリップド社の創業者で、管理栄養士のマケル・ヒル先生は、「レンズ豆は食物繊維とマグネシウムを摂るためには、最高の食べ物となります」とも説明しています。彼女はオハイオ州立大学、臨床栄養と栄養学の修士号を取得しています。
さらに豆類は、おならの原因に挙げられることがよくありますが、これには特有の理由があるのです。
学術誌「ニュートリショナル・ジャーナル」に掲載された研究によれば、レンズ豆やナッツ、エンドウ豆などほとんどのマメ科植物は、食物繊維を豊富に含むだけでなく、ラフィノースやスタキオースなど、人間が適切に消化できない糖分を含んでいるということなのです。
腸内細菌はこれらの糖分を分解するにあたって、結果的に水素やメタン、さらには硫黄(腐った卵のような臭いで知られていますね)のようなさまざまなガスが放出するからなのです。
缶詰の豆は流水にさらして、しっかりと水を切りましょう。そうすることによって、これらのガスの原因となる成分を減らすことが期待できるとのことです。
◇調理済みレンズ豆2分の1カップあたり:
約230kcal、脂質約0.8g(飽和脂肪酸約0.3g)、炭水化物約40g(正味炭水化物約24g)、糖質約4g、ナトリウム約4mg、食物繊維約16g、タンパク質約18gが目安です。
【8】ビーフジャーキー
ワークアウトを日課としている男性なら、このことはご存知の方も多いでしょう。
「ビーフジャーキーは脂質が少なく、タンパク質が豊富です」、とアレヴァロ氏。実際、ビーフジャーキーが嫌いな男性はいないことでしょうから…。
◇ビーフジャーキー1オンス(約15g)あたり:
約116kcal、脂質約7g(飽和脂肪酸約3g)、炭水化物約3g(正味炭水化物約2.5g)、糖質約3g、ナトリウム約506mg、食物繊維約0.5g、タンパク質約9gが目安です。
【9】豆腐
日本人にとっては、これは「国民食」と言っても過言ではないでしょう。毎日でも食べられるという方も少なくないはずです。
米国においても豆腐の知名度は高く、栄養士のアレヴァロ氏は「とにかく豆腐は大好きです。豊富にタンパク質を含んでいますから…」とひと言!(そんなの知っているよっ!!!)
◇豆腐2分の1カップあたり:
約142kcal、脂質約8g、炭水化物約4g、ナトリウム約2mg、食物繊維約0.6g、タンパク質約12gが目安です。
【10】うずら豆
「うずら豆は、含まれる食物繊維やタンパク質の量に比して、カロリーが低めなのが特徴です」とアレヴァロ氏。
◇うずら豆2分の1カップあたり:
約122kcal、脂質約0.6g、糖質約0.3g、ナトリウム約203mg、食物繊維約8g、タンパク質約8gが目安です。
【11】卵
「卵は手早く調理でき値段もリーズナブルです」と栄養士のサンドラ・J・アレヴァロ氏は言います。固茹でからデビルドエッグ、オムレツまで活用の幅がかなり広いのも特徴です。
◇大きめの卵1個あたり:
72kcal、脂質5g(飽和脂肪酸2g)、炭水化物0.4g、糖質0.2g、ナトリウム71mg、食物繊維0g、タンパク質7g
【12】牛乳
「牛乳はタンパク質を豊富に含むほか、カルシウムやビタミンDの摂取にも効果的です」とアレヴァロ氏。
ただし、制限の多いケトジェニック・ダイエットに挑戦している人は、摂り過ぎないよう気をつけましょう。
◇低脂肪乳1カップあたり:
101kcal、脂質3g(飽和脂肪酸1g)、炭水化物12g、糖質12g、ナトリウム106mg、食物繊維0g、タンパク質8g
【13】ストリング・チーズ(糸状のチーズ)
「チーズスティックは忙しい人の朝食や軽食にぴったりです。また、脂質も少ないんです」とアレヴァロ氏は説明します。
◇チーズスティック1本あたり:
50kcal、脂質2.5g(飽和脂肪酸1.5g)、炭水化物1g、糖質0g、ナトリウム160mg、食物繊維0g、タンパク質6g
【14】サーモン
「サーモンは他の食肉に比べて脂質は多めですが、良質なオメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸を豊富に含んでいます」とアレヴァロ氏。
また、サーモンはオメガ3脂肪酸を豊富に含む魚で、この成分は『Journal of Sleep Research』誌に掲載された研究のなかで、熟睡との関連が示されています。この研究自体は子どもを対象に行われたものでしたが、専門家によれば、研究結果は大人にも十分当てはまるとのことです。 オメガ3脂肪酸の摂取が熟睡につながる理由については、専門家たちもはっきりとは理解できていません。ですが、オメガ3脂肪酸を十分に摂ることで、「メラトニン」による睡眠促進効果が高まる可能性があることが研究結果に示されたそうです。
◇ サーモン3オンス(約85g)あたり:
177kcal、脂質11g(飽和脂肪酸3g)、炭水化物0g、糖質0g、ナトリウム50mg、食物繊維0g、タンパク質17g
【15】ギリシャヨーグルト
「ギリシャヨーグルトはタンパク質が豊富で朝食や軽食、デザートにぴったりです」とアレヴァロ氏。ただし、糖質にはご注意。選ぶならプレーンタイプにしましょう。
さらに、「複数の研究結果からの分析によれば、健康食としてヨーグルトを摂取することは『2型糖尿病』のリスクを低減する可能性があると言います」と管理栄養士であり糖尿病療養指導士として全米で知られている、エリン・パリンスキ - ウェイド氏は説明します。
この「2型糖尿病」は、「血液中のブドウ糖(血糖)が正常より多くなる病気だ」と説明されています。初期のころは自覚症状がほとんどありません。ですが、血糖値を高いまま放置すると、徐々に全身の血管や神経が障害され、いろいろな合併症を引き起こします。また、この「2型糖尿病」は、すい臓から分泌されるインスリンの働きの低下、つまり「インスリンの作用不足」が原因で起こる傾向にあるようです。
そしてヨーグルトには、「善玉菌」がたっぷり含まれています。善玉菌は健康的な消化プロセスをサポートし、炎症を抑えてくれる効果は期待できるものです。「善玉菌は腸全体から考えても、重要な要素となります。特に、ガスによる膨張感がある場合においては、もっとも重要となるのです」と説明してくれたのは、体を健康に保つための食事と栄養の活用法を専門的に学んだ医療専門家であり、登録栄養士でもあるジェシカ・コーディング氏です。
◇プレーンタイプのギリシャヨーグルト7オンス(約198g)あたり:
146kcal、脂質4g(飽和脂肪酸3g)、炭水化物8g、糖質7g、ナトリウム68mg、食物繊維0g、タンパク質20g
【16】ピーナッツ
「焙煎したピーナッツはタンパク質を豊富に含み、食物繊維もかなり含まれています」と栄養士のアレヴァロ氏は説明します。
◇ピーナッツ1.5オンス(約42g)あたり:
250kcal、脂質10g(飽和脂肪酸3g)、炭水化物9g、ナトリウム174mg、食物繊維4g、タンパク質10g
【17】アーモンド
「ナッツ類は素晴らしいタンパク源です。アーモンドはピーナッツに比べて脂質が多いため食べる量には注意しましょう」と、アレヴァロ氏。
また、アーモンドと聞くと、ほとんどの人は「脂肪」を思い浮かべるかもしれません。ですが、「食物繊維」も実に豊富に含まれています。
◇アーモンド1.5オンス(約42g)あたり:
254kcal、脂質18g(飽和脂肪酸1g)、炭水化物8g(正味炭水化物2g)、ナトリウム0mg、食物繊維5g、タンパク質9g
【18】枝豆
我々日本人が大好きな「枝豆」。健康志向と世界的な日本食ブームにより、その存在と美味しさは世界中に広く知れ渡っています。
そして、今回栄養士のアレヴァロ氏は、「枝豆は、茹でたり焼いたりすることで植物性タンパク質豊富な完璧な軽食になります」と紹介しています。
◇枝豆1カップあたり:
188kcal、脂質8g(飽和脂肪酸1g)、炭水化物14g(正味炭水化物6g)、糖質3g、ナトリウム9mg、食物繊維8g、タンパク質18g
【19】ホエイ プロテインパウダー
筋トレをしている男性諸氏ならご存知の方も多いはず『ホエイ・プロテインパウダー』。
アレヴァロ氏は、「私はホエイプロテインパウダーが大好きです。タンパク質豊富で炭水化物は少なく(糖質含有量にもよります)、野菜や果物のスムージーに加えると最高です」と言います。
ホエイプロテインには多くの製品があるので自分にあったものを選べるのも魅力ですね。
◇ホエイプロテイン大さじ1杯あたり:
45kcal、脂質2g、炭水化物2g、糖質6g、ナトリウム36mg、食物繊維0.8g、タンパク質5g
【20】小エビ
「魚介類は通常、高タンパク質・低炭水化物の食事にぴったりな食材です。個人的には小エビが好きです。手早く調理でき、タンパク質含有量の割にカロリーが低いためです」とアレヴァロ氏は薦めています。
◇ 小エビ3オンス(約85g):
84kcal、脂質22g、炭水化物0.2g、糖質0g、ナトリウム94mg、食物繊維0g、タンパク質20g