あのラルフ・ローレン氏が、今度は映画スターになるようです。

 正確に言うと、ドキュメンタリーに出演することが決まりました。米大手ケーブルテレビ放送局「HBO」は、2019年7月25日(木)にファッション界の伝説的人物と、同名のブランドを題材にしたドキュメンタリー映画を製作することを発表しました。

 ローレン氏自身のように、スタイリッシュで興味深い作品になると思われる『Very Ralph(原題)』は、2019年11月12日に米国にて公開予定です。

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 ローレン氏がドキュメンタリーの題材になるというのは、そのファッション業界における立ち位置を考えれば、驚くべきことではありません。彼はただの“ファッション業界の人”ではないのです。ローレン氏が業界の一員なのは言うまでもありませんが、服や文化のトレンドの発端となり、そして先導し、また新たなトレンドをつくり上げてきたのですから…。

 ドキュメンタリーで注目すべきは、1968年に立ち上げたブランド「ラルフ ローレン」の裏話だけではなく、影響力を持った才能あふれる人々が作品に携わっていることです。

 まずは監督兼プロデューサーを務めたのは、これまで『映画と恋とウディ・アレン』や『ジョン・レノン、ニューヨーク』などの製作総指揮や監督を手掛けたスーザン・レイシーです。
 
 レイシー監督の他にも、ローレン氏が文化や服に与えた影響を見守ってきた業界人から政治家まで多くの関係者が出演し、様々な視点からローレン氏とブランドについて話してくれます。

 ファッション業界からはアナ・ウィンター氏、故カール・ラガーフェルド氏、カルバン・クライン氏などのファッション界の重鎮らが出演します。

 文化的な側面から語るのはマーサ・スチュアート氏、ティナ・ブラウン氏、そしてジェシカ・チャステイン氏です。その他にもヒラリー・クリントン氏や、「ニューヨーク・タイムズ」紙のファッション批評家ヴァネッサ・フリードマン氏によって、ローレン氏がファッション以外の分野においても与え続けた影響を語ります。

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

 かなり見応えのある作品になることは、すでに間違いないことでしょう。

 そもそも、「ラルフ ローレン」のブランドが宣伝してきたのは、服だけではありません。理想的で非常にスタイリッシュなライフスタイル、いやそれ以上の世界観を打ち出してきたのです。この世界観はサブカルチャーによって再解釈され、時とともに進化してきました。それこそが、量子力学的スケールで君臨する「ラルフ ローレン」の魅力そのものと言えるのです。

 こう表現すると陳腐になってしまうかもしれませんが…。つまりローレン氏は、“インフルエンサー”という言葉が誕生するずっと前から崇高なるインフルエンサーだったわけです。

 …ということで、「綿密にデザインされたファッションから、ライフスタイルを表現する」という、素晴らしい前例をつくった功績者であり功労者であるローレン氏のドキュメンタリーを楽しみに待つとしましょう。、日本での公開の予定は現段階では発表されていませんが、きっと順次公開されていくに違いありませんので…。

From ESQUIRE US
Translation / Yuka Ogasawara
※この翻訳は抄訳です。