ラルフ・ローレン氏が自身の名を冠したブランド「ラルフ ローレン」を立ち上げたのは1967年のこと。それから半世紀以上にわたり、ブランドのデザイナーを務めただけでなく、ビジネスリーダーとしても社会に大きな旋風、そして慣習を生み出してきました。

 さらにそれだけでなく、氏は医療格差の問題により、質の高い治療を受けられずにいるがん患者に焦点を当てた慈善活動も積極的に行っています。それらは、がんの終息に向け、乳がんをはじめとした様々なカテゴリの研究センターや施設の設立等、これまで数えきれないほどの多額の寄付などが挙げられます。

 まさに「偉大な米国人」と呼ぶにふさわしい生涯を通じての社会貢献が評価され、このたび「 名誉最優秀英帝国勲章 KBE(ナイト・コマンダー)」が授与されました。

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Chris Allerton

 叙勲式は2019年6月19日に、英国バッキンガム宮殿で非公式に行われました。贈呈はチャールズ皇太子殿下よって行われましたが、名誉勲章は英国外務・英連邦大臣の助言をもとに女王陛下がお選びになり、そして贈られるものになります。

 この英国の叙勲制度は1917年に設立され、これまでドワイト・D・アイゼンハワー元大統領、ロナルド・レーガン氏、ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領、元ニューヨーク市長マイケル・ブルームバーグ、ルドルフ・ジュリアーニ氏、アンジェリーナ・ジョリー氏、スティーブン・スピルバーグ氏、ビル&メリンダ・ゲイツ氏、アンジェラ・アーレンツ氏などが称号を授与されてきました。


 同称号を授与された米国人ファッションデザイナーは、ラルフ・ローレン氏が初めてということ。

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 この英国の叙勲はすべて、功績・貢献度に基づいて行われますが、2016年6月に氏が開設したがん研究の先端施設「オークがんセンター」の新設オープンを約束したことが大きく起因していると考えられます。同施設には300人以上の研究者と毎年14万人の患者の治療に当たると予定されており、世界最新の研究結果をいち早く応用して治療とケアを大きく進化させることで、併設されたロイヤルマースデン病院内はもちろん、その他のがん患者の闘病生活に変革をもたらすものと期待されています。

 これまで、数々の栄誉ある称号・勲章・賞を授与されてきたラルフ・ローレン氏。今回の「名誉ナイト勲章」受章により、今後氏が望んだ場合には「Ralph Lauren “ KBE”」と、名前の最後に称号を任意に添えることが許されるのでした…。