記事のポイント

  • 海底火山の噴火によって、日本の硫黄島の近くに新たな島が誕生しました。
  • 海底の浅い場所に火山灰と岩石が積み重なり、海面から高さおよそ66フィート(約20メートル)の島ができました。
  • 島に激しく打ち寄せる波により、島が無傷でいられる期間が限られているかもしれません

硫黄島沖に出現した
島に世界が注目

日本の近くに新しい島ができました。それはここ数週間で形成されたばかりで、人工的なものではありませんが、自然の独特な干満を垣間見ることができるのはほんの束の間のこととなるかもしれません。

AP通信によると、最近硫黄島の南海岸から約0.5マイル(約800メートル)沖で無名の海底火山が噴火。そのわずか約10日後、浅い海底に火山灰と砕けた岩が堆積し、11月上旬の観測時には直径328フィートほど(約100メートル)、海抜66フィートほど(約20メートル)の新しい島が形成されました。

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気象庁の地震火山部によれば、直径約328フィート(約100メートル。直近の情報では、南北に約400メートル、東西約200メートルとも)というこの新しい島は、この地域の記念碑的なものとなるかもしれませんが、驚くほど短命に終わる可能性もあるそうです。 気象庁のアナリスト碓井勇二氏はAP通信に、次にように語りました。

「地震活動が弱まるにつれて、島はすでに縮小し始めています。それは絶え間なく押し寄せる波によって“崩れやすくなっている”土台が原因です。私たちはただ、その進展を見守るしかありません…」

このように急速に形成された島は、過去100年の間に何十個も出現し、時には同じ場所にあり続けることもあります。例えば、ニュージーランドからトンガまで続く太平洋のホームリーフという海底火山は、何度も噴火を経験し新しい島を形成してきました。数カ月で流されたものもあれば、同じ場所で4回も形成、流失、再形成を繰り返したものもあります。

surtsey island
Nik Wheeler//Getty Images
1980年に撮影されたアイスランド沖のスルツェイ島。2008年には、第32回世界遺産委員会でアイスランド初の自然遺産として登録されました。

1995年にトンガ近海のラテイキ火山で生じた噴火により形成された島は25年間続き、これは長く続いた例と考えられています。そして、地質学的に現代に形成された火山島の中で優れたものと言えば、1963年に海底火山の噴火により出現したアイスランド沖のスルツェイ島です。

この島は何年にもわたる噴火活動によって、面積は1平方マイル(約2.6平方キロメートル)となりました。それ以来、この島は独自の動植物生態系を育み、「新しい地域に生息する動植物がどのように成長するのか?」と科学者たちにユニークな見解を与えてきました。60年代以降、島の大きさは約半分になりましたが、専門家たちは2100年まで海上に残る可能性があると信じています。

日本近くにできた新しい島は、おそらくスルツェイ島レベルにまで確立するには至らないと思われますが、観測可能な状態が続く限りにおいては興味をそそる島であることは確かでしょう。それとともに11月20日、パプアニューギニアのウラウン火山で噴煙が高度1万5000m規模となる大きな噴火もあったばかり。「地震および津波など、自然災害への対策を改めて引き締めておくべきとき」と言えるでしょう。

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

Translation & Edit / Satomi Tanioka
※この翻訳は抄訳です

From: Popular Mechanics