創業は1904年のスイス。株式を公開することなく、高い独立精神を保ち続けてきたオリス。高い自由度で臨む時計づくりには、時計に注がれた深い愛情と内に秘めた先鋭的なブランドの姿勢が滲(にじ)みます。
技術開発における外部機関とのコラボレーションに積極的なことでも知られ、その代表にはスイス連邦工科大学チューリッヒ校(チューリッヒ工科大学)傘下の9T研究所との協業によって完成した、カーボンファイバー製ケースが魅力のアビエーションウォッチ「プロパイロット アルティメーター」が挙げられます。
もちろん独自の開発でも、業界をあっと言わせるプロダクツを発表してきました。例えば、5日間パワーリザーブの自動巻でクロノメーターを超える精度とともに、高度な耐磁性そして10年間メンテナンス不要、10年保証という革新的なムーブメントとして世に送り出した「キャリバー400」は、高次元のスケールで業界の新たなスタンダードとなっています。
また、同社が積極的に取り組む海洋環境保護の観点から開発された、海洋プラスチックゴミをアップサイクルした文字盤を使用した「AQUIS デイト」や、同じく海洋ゴミのひとつとして問題視されている廃漁網から生まれた文字盤を使用した「オリス X ブレスネット」なども。そこには熱いメッセージも存在しています。
時計業界初のテクノロジーで
オリスの独自性を表現
そんなオリスの軽やかなステップを改めて強く感じたのが、最新のコレクション「プロパイロットXキャリバー400 レーザー」です。グリーン、ブルー、バイオレット。チタン製ダイヤルに広がるグラデーションの色味は、色素による着色でも化学的な酸化反応による彩色でもありません。全てレーザーによる彫刻加工によるの物理.的な作用から色を生み出されているものです。
これは“光学干渉”という現象を利用したもので、反射する光を肉眼で特定の色に見える波長に変えることによって、目指す色彩を感知できるようにしています。つまり、(合金や酸化被膜によって薄茶色のものや黒もありますが…)基本的には銀色のチタンに、人間の手によって色が組み立てられるという感覚です。「コガネムシが光を反射して青みがかったグリーンに輝く様子を連想してください。それと同じ原理です」とオリスは説明しています。
そう聞いて改めてダイヤルを覗き込むと、多色使いながらまるでエイジング掛かったような独特の深みのある色合いを感じます。この加工技術は、スイス連邦工科大学チューリヒ校の学生グループと一緒に開発したもので、およそ2年掛け生み出されたのだそう。
プロジェクトを担当したオリスの商品開発エンジニアであるリチャード・シグリスト氏は、「業界初のテクノロジーを採用したことでオリスの独立性を表現した」と語ります。
「(今回のコラボのように)オリスは、若い人たちの才能を生かす機会をつくることに情熱を持っています。これらの要素を集めて、オーナーに長年にわたる楽しみを提供して笑顔をもたらす時計として、この時計をつくったのです」
オリスが打ち出す、科学の力が生み出す美しい時計という提案。見る角度によって反射する光の波長が変わり変化していくという。オリスらしさに満ちた今度の新作は、日々の生活をどんな色に彩っていくのでしょうか――。
- Ref.:400 7778 7150-07 7
- ムーブメント:自動巻き、オリス キャリバー400
- パワーリザーブ:約120時間
- ケース径:39mm
- ケース:チタンケース
- ケースバック:チタン、サファイアクリスタル
- 風防:サファイアクリスタル、両面ドーム加工、内面反射防止コーティング
- ブレスレット:チタンブレスレット
- 防水性:10気圧(100m)
- 価格:81万4000 円
●問い合わせ先
オリスジャパン株式会社
TEL 03-6260-6876
公式サイト