ミッドセンチュリー期の
アイコニックなタイムピース
腕時計の誕生以来、数々のアイコニックなモデルが誕生してきましたが、ハミルトンの「ベンチュラ」もまた別格の存在感を放ちます。ラウンドやレクタンギュラーなど左右対称のフェイスを持った腕時計が大多数を占めるなか、1957年に「ベンチュラ」はとトライアングルのフェイスというスタイルで世に登場した独創的なタイムピースです。
デザインを担当したのは、キャデラックのデザインでも知られるインダストリアル・デザイナーのリチャード・アービブ。「ベンチュラ」は、このアービブによる最高傑作との呼び声も高く、腕元にミッドセンチュリーデザインを忍ばせる悦楽、そしてその造形の美しさは、誕生から半世紀以上が過ぎた今も色あせることはありません。
ご覧の通りの強烈なデザインに加え、世界初とされる電池式時計。さらには、エルヴィス・プレスリーが愛用した時計というストーリー性も兼ね備える「ベンチュラ」。得てして、見どころや語りどころに富んだアイテムというものは、その存在だけで全てを成立させてしまうほどのオーラを放つものです。もちろん「ベンチュラ」も、その例外ではありません。強烈なその存在感は合わせる服やTPOなど、時として身に着ける人のセンスを、より強く問いかけることもあります――。
近未来感と古の伝説の生物。
絶妙なコントラストを腕元に
そんな「ベンチュラ」から、“新たなるお題”とも呼べるタイムピースが登場しました。
「ベンチュラ Elvis80 スケルトン ドラゴン(Ventura Elvis80 Skelton Dragon)」です。2024年の干支である辰から着想し、伝説の生物ドラゴンの力強さを表現した新たな「ベンチュラ」となります。
おそらく、中国市場も意識したモデルであることは想像に難くありませんが、間違っても「企画モノ」と侮ってはならないでしょう。期間限定モデルとしての展開ではなく、あくまでもレギュラーモデルとしてのラインナップ。半ば無理矢理に漢字や龍のイラストをダイヤルに描くなど、取ってつけたかのような野暮なデザインではありません。
ダイヤルにはスケルトンの窓を複数デザインし、9時位置が下に来るようにして時計を覗き込めば、ドラゴンの威信あふれる表情が「ベンチュラ」の代名詞でもある盾形ダイヤル内に現れるという大胆なデザインが利いています。
ケース素材はローズゴールドカラーPVD加工のSSケースと、ブラックPVD加工のSSケースの2種類。前者のドラゴンの目はエメラルドグリーン、後者はレッドとなります。どちらのタイプもドラゴンの鱗(うろこ)模様を模したデザインのラバーストラップを採用し、時計全体をよりコンセプチュアルに仕上げています。
Esquire編集部のお気に入りを強いて挙げるなら、ブラックPVD加工のタイプでしょうか。ツヤ感のあるブラックケースが、より強く醸し出すフューチャリスティック感とドラゴンという本来であれば相容れないはずの存在を許容して、デザインとして成立させてしまうあたりに「ベンチュラ」のスケールの大きさを感じずにはいられません。
この「ベンチュラ Elvis80 スケルトン ドラゴン」もまた、着ける人のセンスを問いかける1本になることは間違いないでしょう。どう猛なドラゴンの破壊力を呼び覚まし、時計に印象を全て持っていかれてしまうのか…。それとも、上手にドラゴンを飼い慣らして、センス良くこの時計を楽しめるのか。どちらに転ぶにしても、一度は試してみたいと思わせるに十分な逸品です。
ベンチュラ Elvis80 スケルトン ドラゴン(Ventura Elvis80 Skelton Dragon)
- Ref.:H24525332(ローズゴールドカラーPVD加工のSSケース) 、H24535332(ブラックPVD加工のSSケース)
- ムーブメント:cal. H-10-S、自動巻き
- パワーリザーブ:約80時間
- ケースサイズ:42.5 × 44.6mm
- ケース厚:12.3mm
- ケース:ローズゴールドカラーPVD加工のSSケース、ブラックPVD加工のSSケース
- 風防:サファイアクリスタル
- ブレスレット:ブラックラバーストラップ
- 防水性:5気圧(50m)
- 価格:29万7000 円
●問い合わせ先
ハミルトン/スウォッチ グループ ジャパン
TEL 03-6254-7371
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