この近未来型トラックであるテスラ「セミ」は、トレーラーのない状態で0〜60mphは5秒、80,000ポンドのトレーラーをけん引した状態でも20秒で0〜60mphを達成できるとのこと。また、継続距離は500マイル…。このクルマこそ、世界が待っていた貨物自動車ではないでしょうか?
テスラは、この「セミ」を2019年に生産を開始する予定とのこと。そして「セミ」は、トラック運送業者にとってはるかに優れた運転経験、安全性の向上、輸送コストの「大幅な削減」を提供することを目指していると述べています。
数字で言えば、それは今まであり得なかった値をマーク。なんと0-60mphは5秒で到達すると報告されています。そしてテスラは、それが同等のディーゼルトラックが出せる最高の状態より3倍速いと自負しています。さらに重要なことに、「セミ」は80,000ポンド以下のトレーラーをけん引した場合でも、20秒間で同じ速度に到達すると言っています。
Courtesy of Tesla Motors
イーロン・マスクの言葉を借りるなら…、「ディーゼルが出せる最高スピードよりも、5倍は優れている」ということです。
そして基本的な内装に関しては、 2つのタッチスクリーン、ハンドル、中央に配置された座席と、視界はかなり開けています。決して「エキサイティングな」という形容にはなりませんが、そこには「サティスファクションな」運転が待っているのです。
運転席への出入りもスムーズ。運転席に入っても、立ったままいても窮屈な思いなどしません。さらに運転席からの眺望もクリア。死角となるゾーンは、カメラで監視できるようにもなっています。おまけに車内の電子データ収録システムを管理本部のシステムと接続することによって、スケジューリングや出納品管理、さらにはリモート監視もサポートされているとのことです。
また「セミ」は、補強されたバッテリーを搭載。フロントガラスは耐衝撃性ガラス製の仕様なっています。加えて、高度なオートパイロット機能とともに、すべてのブレーキは独立で作動するシステム…と、さらなる安全性を追求した設計になっています。このブレーキのシステムに対して補足するなら…、「ベストで安全な停止距離となるよう、センサーによってそれぞれのブレーキが独立したカタチで制御するようにした」とのことです。
特にジャッキナイフ(急ブレーキした際にトラクターとトレーラーが「く」の字状に折れ曲がる)現象を防止するため、各ホイールにはポジティブまたはネガティブのトルクで反応するセンサーを搭載しているそうです。
この他、さまざまな画期的な機能を搭載する「セミ」ですが、詳しくはこちら(>>> https://www.tesla.com/semi/)をご覧ください(英語表記です)。
このテスラの全電動貨物輸送トラック「セミ」の価格は、航続距離300マイル(約480km)レンジ・バージョンのモデルが15万ドル(約1670万円)、500マイル(約800km)レンジ・バージョンが18万ドル(約2000万円)。加えて、最高の性能に贅沢装備を追加した"ファウンダーシリーズ"に関しては、20万ドル(約2225万円)とのことです。
米国での一般的なディーゼルトレーラーの価格は、約10万~12万ドル。これと、たとえば500マイルレンジ・バージョンとを比べれば、その差額は6万~8万ドル(約667万~897万円)に。そこでイーロン・マスク氏は、こう語っています。
「テスラ『セミ』のランニングコストは、通常のディーゼル車よりも2割少なくなる。そのため、100万マイル(約160万km)走行すれば25万ドル(約2803万円)は節約できるだろう」と…。
このままテスラ「セミ」が問題なく発売となった暁には…その頃には、精度向上を成し遂げたAIの参入も増加していることでしょう…それらのシナジー効果によって、運送業界はいま以上に大躍進することでしょう。そして、地球環境の保全に対する大きな貢献も、かなり期待できるのです。この実現を大いに期待しましょう!
【このテスラ「セミ」をあらゆる角度からチェックしましょう!】
Tesla Semi #01
テスラは16日夜、アメリカ・カリフォルニア州ホーソーンにあるスペースX本社で発表会を開催。そこで完全電動セミトレーラーである「Semi(セミ)」を初公開しました。これはよってイーロン・マスク氏は、「惑星を蝕む化石燃料の存在を人類に忘れさせ、電力という福音もたらすミッション」をさらに大きく一歩踏み出したのです。
もちろん、そこにはトラック業界の意識改革と国を説得できれば、という試練もありますが…。そして、このセミトレーラーをイーロン・マスク氏は2019年に製造開始すると断言しました。
Tesla Semi #02
Courtesy of Tesla Motors
バッテリーの容量は非公開です。高さ約90センチで、前タイヤから2列目のタイヤにわたって広がっているとのこと。運転台の後方に、「モデル3」と同種の電気モーターが4個搭載し、それぞれ2個が車軸ごとに使われているそうです。「モデル3」のモーターは1つ258馬力に相当すると記述している米環境保護庁の文書から推定すれば、この「セミ」は1032馬力に達する計算となります。
このパワーは、ディーゼルエンジンを積んだ同種のセミトレーラーと比べると約2倍に相当します。ですが、トラックで本当に重要なのはトルクとなるはず。しかし、テスラはこの数字も明らかにしませんでした…。ちょっと気になるところですね。
Tesla Semi #03
Courtesy of Instagram@Teslamotors
テスラのインスタグラムから、この「Teala Semi」の初期スケッチをご覧ください。
Tesla Semi #04
Courtesy of Instgram@Teslamotors
ティザーのアニメーションをご紹介。
Tesla Semi #05
Courtesy of Instagram@Teslamotors
続いて、2つ目のティザーのアニメーションをご覧ください。
Tesla Semi #06
Courtesy of Tesla Motors
フロントの迫力、そしてこのモダンなフロントデザインをご堪能ください。
Tesla Semi #07
Courtesy of Tesla Motors
サイドから見ると、こんな感じです。
Tesla Semi #08
Courtesy of Tesla Motors
コンテナパートをセッティングすれば、こんな横顔です。
Tesla Semi #09
Courtesy of Tesla Motors
サイドルックスの全体像です。こんなセミトレーラーが高速を連なって走っていたら…まさに近未のイメージ。そのいち、空中に飛ぶのでは…と思ってしまいますね。
Tesla Semi #10
Courtesy of Tesla Motors
ブルーのモデルとなると、かなりスタイッシュ。青空を背景にすると、実に映えます。
Tesla Semi #11
Courtesy of Instagram@Teslamotors
それではステップを昇って、コックピットを覗いてください。
Tesla Semi #12
Courtesy of Tesla Motors
もう少しじっくりコックピットを覗きたい方は、こちらの画像を。
Source:Road & Track, Reuters Courtesy of Tesla
編集者 / 小川和繁