バラク・オバマ前大統領は、他の政治家たちが苦戦するところの「クールさと気高さを好印象に表現する」ことに長けた人物です。完璧とも言えるバランスで、いままでも幾度もそれを楽々とこなしてきました。

 彼は若者から「クールだ」と一目置かれながらも、「愛嬌」という名の魅力にもなり得る…「ちょっとしたダサさ」も大切にする懐の深いライフスタイルをおくる人物です。そう、恥じらいもなくポップカルチャーについて語れる稀有な政治家なわけです。

 これはなんとも羨ましい限りです。

 そんなオバマ前大統領が、2018年もお気に入り映画や音楽、本をまとめた年末恒例のリストを発表してくれました。例年のように今回のラインナップも、クールながら豊かな知性を感じさせるものになっています。 
 
 オバマ氏はこの1年のリストについて、「インスピレーションや示唆に富む、あるいは単純に愛すべきものと感じた本や映画、そして音楽を再確認することで、この1年を的確に振り返ることができるのです」と、Instagram上に綴っています。 
 
 「加えて、才能ある作家やアーティスト、そして語り手たちに対し、改めてスポットライトを当てることで、時の流れに埋もれないようお手伝いできれば…とも思っています。この中には、誰もが知っている名前もあれば、聞いたことがない名前もありますから」と、オバマ前大統領。 
 
 このリストのお気に入り曲の中には、カーディ・Bとバッド・バニー、J・バルヴィンの『I Like It』や、1983年に録音されたプリンスの『Mary Don’t You Weep』、ザ・カーターズの『Apeshit』などが含まれていました。また、マリ共和国のシンガーソングライターであるファトゥマタ・ジャワラの『Nterini』など、国外アーティストの作品も選ばれています。 
 
 お気に入りの本では、デヴィッド・ブライトによるフレデリック・ダグラスの伝記、ジャーナリストのシェーン・バウアーによる民間刑務所の潜入ルポ、ザディ・スミスのエッセイ集である『Feel Free』などを紹介。 
 
 映画については、大ヒット作からは距離を置きつつも、当然、『ブラックパンサー』はおさえています。他には、フレッド・ロジャースのドキュメンタリーである『Won’t You Be My Neighbor(原題)』、スパイク・リーの『ブラック・クランズマン』、海外作品の『バーニング』、『万引き家族』などが挙げられていました。

 ちなみに、現在大ヒット中の映画『スパイダーマン:スパイダーバース』については、まだ観ていないようです。

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【オバマ氏のInstagram投稿】

2018年も終わりに近づいたので、個人的に気に入っている習慣である年末のリストを共有します。リスト作りは、インスピレーションや示唆に富む、あるいは単純に愛すべきものと感じた本や映画、音楽を通して、1年を的確に振り返ることができる心地いい時間を与えてくれます。また、才能ある作家やアーティスト、語り手にスポットライトを当てる機会も与えてくれるのです。この中には、誰もが知っている名前もあれば、聞いたことがない名前もあることでしょう。スワイプして2018年の個人的なベストをまとめたリストをご覧ください。皆さんの今後の読書や映画・音楽鑑賞に役立てれば幸いです

 さあ2019年も、オバマ前大統領が好む素晴らしいカルチャー&エンターテインメント作品が登場するのでしょうか? 日本からも、『万引き家族』に続く良作がリストアップされることを期待しましょう。 


 

FromEsquire UK 
Translation / Wataru Nakamura 
※この翻訳は抄訳です。


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