1980年代を舞台設定にし、少年少女たちの友情とともに謎が謎を呼ぶ冒険活劇として仕上げているNetflixシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」（以降、「ストレンジャー・シングス」に略）は、2016年7月にシーズン1を配信して以来全世界で大ヒットを記録。社会現象とも言えるムーブメントまで巻き起こしてきました。
Netflixの作品群の中でも群を抜いた人気をキープ
このように、Netflixのコンテンツ群の中でもハイスコアにファンを獲得している「ストレンジャー・シングス」シリーズですが、日本でも既にご覧になっている人も少なくないでしょう。現在、これを「カップルで観ている」という人がアメリカでは増えているそうです。
もちろん、お1人さまでも十分楽しめる内容です。特に、80年代に青春期を迎えていた人ならなおさら。すでに、夜更かしするほど夢中になっている（なっていた）人もいるはずですが、逆に「話題沸騰中だからなぁ」と天邪鬼（あまのじゃく）なところを発揮して、まだ頑なに観るのを避けている、なんて人もいるはずです（笑）。ですが、後者の人は損をしているかもしれません。そんな思いを込めて、ご紹介しましょう。
「ストレンジャー・シングス」その近況
「ストレンジャー・シングス」の近況としては、シーズン4 Vol.2が7月1日より配信開始となりました。シーズン4はVol.1として、5月27日より7エピソードが配信され、Vol.2として残りの2エピソードを配信したということになります。Twitter社の発表によれば、「シーズン4の初配信から同ドラマに関するツイートは全世界で1900万件以上」とのこと。またNetflixおよび「The Hollywood Reporter」の報告によれば、最新のシーズン4の視聴時間はわずか3日間で、10億時間を突破したといいます。
それはそれは、かなり惹きつけられる内容になっているようです。同作品の製作総指揮を務めるダファー兄弟自ら、2022年2月にNetflixを通じて「シーズン5の製作が決定している」と発表しています。しかし喜びも束の間、シーズン5で同作品が終了することも明らかにし、Netflixの公式Twitterに「Every ending has a beginning（すべての終わりは始まり）」と書かれた逆さまのOOH（Out of home＝屋外広告）の写真を投稿しています。
シーズン5の全貌が明らかになるのはもう少し先になりそうですが、マット & ロス・ダファー兄弟は「『ストレンジャー・シングス』の世界には、まだまだたくさんのエキサイティングなストーリーがある」「結末はもう決まっている」と語っているので、シーズン5も大いに期待しましょう。そうしてシーズン5で完結し、永遠のお別れとなるわけです。
ですが、人気ドラマのオリジナルのキャラクターが再び集結することはなくても、今日では多くの作品が続編や前日譚（ぜんじつたん＝ある物語よりも前に起きていた出来事）、スピンオフ作品がつくられていることは皆さんもご存じのはず。
ダファー兄弟はポッドキャストで、スピンオフの可能性を示唆
そんな折、MTVの司会者ジョシュ・ホロウィッツのポッドキャスト「Happy Sad Confused」のおかげで、「ストレンジャー・シングス」も例によってスピンオフ作品が製作されることがわかりました。
ダファー兄弟は、そのポッドキャストにゲストとして登場。「『ストレンジャー・シングス』のスピンオフ作品が、いつか日の目を見るときがくるだろう」と認めたのです。
「イレブン（個人にフォーカスしたストーリー）のスピンオフがあるとか、スティーブとダスティンのスピンオフがあるとか、（ホーキンス研究所の）別のナンバーの登場人物が現れるとか、そういう噂を耳に挟んだことがあります。私にとってはそれらは面白くもなんともない展開ですね。何時間費やしたかわからないくらい、そのすべてを探求してきたんですから…。だから、全く別物になると思いますよ」
80年代の子どもたちが中心となって繰り広げられるこの物語を、スピンオフ作品としてどのように展開させるか？ 想像は膨らむばかりでしょう。
（アメリカ・カナダ両国の国民を被験者として、1950年代初頭から少なくとも1960年代末まで行われていたとされるCIA科学技術本部とタビストック人間関係研究所とによって極秘裏に実施していた洗脳プログラム、そのコードネームから名づけられた）MKウルトラ計画の実験によってテリー（テレサ）・アイヴスが、超能力を持った子どもジェーン・アイヴス（イレブン）を出産した50年代前半に戻るかもしれません。あるいは、「ストレンジャー・シングス」がどのように終了しようとも、スピンオフ作品は10年か20年後の未来で、“裏側の世界”の生まれ変わりのようなものを描くかもしれません。
また、ダファー兄弟はスピンオフ作品はオリジナルシリーズとは、“1000% different（1000％異なるものになる）”と述べ、 さらに「当然、“ストレンジャー・シングス”の世界へとつながるストーリーではありますが、実際に問題とすべきは、そのストーリーをどのように伝えるかという方法論です」と述べています。
さらに言うなら、ダファー兄弟だけがこの先もずっと、「ストレンジャー・シングス」シリーズを指揮し続けることも期待しないほうがいいかもしれません。「最終的には、他の誰かできれば…。『本当に才能があって情熱的な人へ、バトンを渡す』という考えでいます」とマット・ダファーは言い、続けてこう語っています。
「でも、『ロスと私（マット）がパイロット版を製作して去る』といった考えなどは持っていません。それは馬鹿げたことだと思っています。最初から最後まで、製作に関しては私たちが携わるべきだと思っています。つまり信頼に足る、そして私たちと同レベルかそれ以上の情熱的なパートナーを見つける必要があるでしょうね」
Source / ESQUIRE US
※この翻訳は抄訳です。
