ネタバレ注意:これは原作となったジョージ・R・R・マーティンの小説に基づく家系図であり、ドラマとは異なる可能性があります。ドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」および「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」の内容に触れているので、これから観ようと思っている人はご注意ください。

ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の前日譚となる「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」がアメリカでは2022年8月21日(日)HBOで公開され、日本では同年9月末時点でシーズン1が早くも折り返そうとしています。これはジョージ・R・R・マーティンの小説『炎と血』を原作としたシリーズで、舞台は「ゲーム・オブ・スローンズ」の200年前。ターガリエン家の人間関係を追い、鉄の玉座を巡って一族の中で勃発する内戦「双竜の舞踏」を描いています。家系が複雑なためドラマを見ながら参照できるよう、ターガリエン家の家系図を作成しました。主要登場人物とその親族について詳しく知りたい人は早速スクロールしてみてください。

house of the dragon family tree
HBO/Design by Michael Stillwell
「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」 ターガリエン家の家系図 (オレンジ)=夫婦、(赤)=親子、(青)=兄弟、(黒)=死別

ヴィセーリス・ターガリエン1世(King Viserys I Targaryen)

ヴィセーリス1世(パディ・コンシダイン)は七王国の5代目の王。祖父であるジェヘアリーズ1世から王位を受け継ぎました。温厚かつ平和主義的であり、ターガリエン家の当主として祖父の遺志を後世に伝えることだけを望んでいます。しかし、先代が定めた男系継承の前例に従わず、長女のレイニラ・ターガリエン王女を後継者に選んだことから争いが起こり、のちに「双竜の舞踏」と呼ばれることになる悪名高い内戦が勃発します。

レイニラ・ターガリエン王女(Princess Rhaenyra Targaryen)

ドラゴンライダーであるレイニラ王女(エマ・ダーシー)はヴィセーリス1世の第1子であり、彼と最初の王妃である故エマ・アリンの子どもの中で残っているのは彼女だけです。父から王位をつぐことが発表され、いずれ鉄の玉座に就く人物として成長します。唯一の問題点は彼女が男性ではないこと。これがターガリエン家のドラマを引き起こします。ヴィセーリス1世と2番目の王妃アリセント・ハイタワーの長男で、異母弟にあたるエイゴン2世と鉄の玉座を戦うことになるのです。

彼女は生涯に2回、最初はレーナー・ヴェラリオンと、その後叔父のデーモン・ターガリエン王子と結婚します。また、それぞれとの間に3人ずつ子どもをもうけます。

デイモン・ターガリエン王子(Prince Daemon Targaryen)

デイモン・ターガリエン王子(マット・スミス)は、ヴィセーリス1世の弟でありレイニラ王女の叔父に当たります。兄とは異なり気性が荒く傲慢な人物であり、「比類なき戦士にしてドラゴンライダー」と評されています。彼は3回結婚していて、最初の妻はレイア・ロイス。2人目の妻レーナ・ヴェラリオンとの間には、2人の子どもが生まれています。3人目の妻は姪であり王位継承者であるレイニラ王女。彼女との間に3人の子どもが生まれます。

レイニス・ターガリエン王女(Princess Rhaenys Targaryen)

レイニス王女(イヴ・ベスト)はドラゴンライダーであり、ジェヘアリーズ1世の孫娘。彼女の父であるエイモンは、ジェヘアリーズ1世の後継者でしたが王位に着く前に亡くなりました。しかしレイニス王女は、女性であるという理由から七王国の支配者にふさわしくないと大評議会に判断され、従兄弟のヴィセーリスに王位を奪われてしまいます。「存在しない女王」と呼ばれているのはそのため。コアリーズ・ヴェラリオンと結婚し、娘レーナと息子レーナーをもうけます。

コアリーズ・ヴェラリオン(Corlys Velaryon)

「海蛇」の異名を持つコアリーズ・ヴェラリオン(スティーブ・トゥーサン)は、ターガリエン家と同じように古い血筋であるヴェラリオン家の当主。名家であるラニスター家よりも裕福だと言われ、世界最大の海軍を有しています。レイニス王女の夫であり、レーナとレーナーの父親です。

エイゴン・ターガリエン2世王子(Aegon II Targaryen)

エイゴン2世ことエイゴン王子(トム・グリン=カーニー)は、ヴィセーリス1世と2人目の王妃アリセント・ハイタワーの長男。一族の長男であることから、自分が次の国王になる権利があると信じています。しかしヴィセーリス1世から後継者として指名されている異母姉レイニラ王女は、彼の王位継承に異論を唱えます。その結果、このドラマで描かれている内戦へと発展していくのです。

アリセント・ハイタワー(Alicent Hightower)

アリセント・ハイタワー(オリヴィア・クック 少女時代:エミリー・キャリー)はヴィセーリス1世の2人目の妻であり、彼がもっとも信頼する「王の手」、オットー・ハイタワーの娘です。ヴィセーリス1世との間にエイゴン王子、エイモンド、ヘレイナ、デイロンという4人の子どもをもうけます。そして、息子のエイゴン王子がレイニラ王女と王位を争うことになったときには息子側につきます。

「ゲーム・オブ・スローンズ」のデナーリス・ターガリエンと「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」のレイニラ王女との関係は?

「ゲーム・オブ・スローンズ」のファンならご存知の通り、カリーシことデナーリス・ターガリエン(エミリア・クラーク)は全8シーズンの中で主要な役割を果たしました。彼女はこの複雑な家族の方程式のどこに位置するのでしょう。インターネット上に数多く浮上しているターガリエン家の年表によると、デナーリスはレイニラ王女の遠い姪に当たります。

「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」の舞台は、「ゲーム・オブ・スローンズ」より2世紀前。そのためデナーリスは、「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」のどこにも出てきません。今作はターガリエン家の5代目の王ヴィセーリス1世から始まります。一方「ゲーム・オブ・スローンズ」は内戦から200年後、狂王と呼ばれるエイリス2世が王の護衛であるジェイミー・ラニスターに殺害されたことを受けて物語が動き始めます。

デナーリスはエイリス2世とレイナ王妃の末娘であり、兄が2人います。王位継承者であり後にジョン・スノウの父であることが判明する長兄レーガーが殺害され、もう1人の兄ヴィセーリスもシーズン1でドスラク人の族長カール・ドロゴに殺されたことからデナーリスは唯一の王位継承者となります。

舞台は何世紀も離れていますが、デナーリスとレイニラにはたくさんの共通点があります。若き日のレイニラを演じるミリー・アルコックは、ウェブサイト「TVLine」のインタビューでこう語っています。

「レイニラが直面する課題はデナーリスのものと非常に似ています。王位継承者であることを認められず、他の人たちから常に『お前は正統ではない』と言われているのです」。 

先日死去したエリザベス2世も、伯父エドワードが退位さえしなければ王座に就くはずのなかった女王。ですが、レイニラは男系を頑なに維持する世界に生き、義理の弟に継承権を脅かされている点で、より苦しい立場にあります。男系王室で女王の誕生がどう妨害され、それによってどう争いが生まれていくのか…。「女を王座に就かせるくらいなら国を滅ぼす」という、伝統がゆえに滅亡していく結末はわかっています。そこにたどりつくまでをどう描くのか?

同時期に配信されたアマゾン・プライムの「ロード・オブ・ザ・リング: 力の指輪」とともにハマる人が続出し、世界的に大ヒットに。早くもシーズン2の制作が決定しています。

「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」は、日本ではU-Nextで配信(毎週月曜日に新エピソード追加)しています。

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preview for Meet the Cast of “House of the Dragon”
From: Town & Country US