ドラマ「アメリカン・クライム・ストーリー」のクリエイター、ライアン・マーフィーがアンソロジーシリーズ「フュード/確執」の第2弾を制作しました。今回彼が描いたのは、ポップカルチャー界における最大のセレブによる裏切り。作家トルーマン・カポーティと、彼が親交を深め、後に欺くことになるハリウッドのソーシャライトたちの対立を描いています。ドラマ「ホワイト・ロータス」シーズン2のトム・ホランダーがトルーマン・カポーティを演じました。

Capote's Women: A True Story of Love, Betrayal, and a Swan Song for an Era

Capote's Women: A True Story of Love, Betrayal, and a Swan Song for an Era

Capote's Women: A True Story of Love, Betrayal, and a Swan Song for an Era

Amazon で見る

世間に知られたこの確執は、カポーティがカンザス州の田舎町で起きた一家殺害事件を描いた陰惨な長編犯罪小説『冷血』を発表した直後に始まりました。この小説の成功によってアメリカで最も有名で革新的な作家の1人になったカポーティーは、彼がその後「白鳥たち」と呼ぶことになる華やかな女性たち、ニューヨークの上流階級の人たちと親しくなりました。

しかしそれは結局、白鳥たちの秘密を雑誌『エスクァイア』に掲載し、彼女たちを裏切るという結果に終わります。カポーティは同誌の1958年11月号のために、既に『ティファニーで朝食を』を執筆していたので同誌とは周知の仲でした。このアンソロジーは、『エスクァイア』の記事とローレンス・リーマーによる2021年の著書『Capote’s Women: A True Story of Love, Betrayal, and a Swan Song for an Era.(原題)』をもとにしています。 

lee radziwill and truman capote at emmys
Bettmann//Getty Images
1967年、リー・ラジウィル(ジャクリーン・ケネディ・オナシスの実妹)と。

全8エピソードのうち最初の2エピソードは2024年1月31日(水)午後10時(東部標準時)にFXで放送され、続いてHuluでのストリーミングが始まり3月13日(水)に完結しました。このアンソロジー・シリーズは放送前から多くの人を魅了していました。それは、映画『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997 年)や『ミルク』(2008年)のガス・ヴァン・サント監督がメガホンを取ったのですから、当然とも言えます。さらに豪華な上流階級の女性“スワン”たちを演じるのはナオミ・ワッツ、クロエ・セヴィニー、キャリスタ・フロックハート、ダイアン・レイン、デミ・ムーア、モリー・リングウォルドといった大物俳優たち…贅沢すぎる顔ぶれです。

残念ながら日本では放映・配信ともに未定となっていますが、その前にストーリーの核となった問題作「ラ・コート・バスク、1965」を参照することもおすすめします。

[脚注]

*1:1965年に発表。1967年にはリチャード・ブルックスにより映画化されアカデミー賞4部門で候補となった 

*2:ラ・コート・バスク、1965」は現在、『叶えられた祈り』(新潮社刊)に第3章「ラ・コート・バスク」として収録されている 

Translation: Yoko Nagasaka
Edit: Keiichi Koyama

From: Esquire US