Netflixで2022年9月下旬に配信スタートしたドラマ『ダーマー モンスター:ジェフリー・ダーマーの物語』は、1978年から1991年の間に17人もの若者を殺害して遺体を損壊した連続猟奇殺人犯の白人男性ジェフリー・ダーマーを描いた実話をもとにした作品です。本作では、被害者の多くが黒人で同性愛者だったという事実をもとに、一連の事件の背景にあった白人による黒人への人種差別や警察の怠慢などにもスポットライトが当てられています。

この作品はNetflixが現地時間9月27日(水)に発表したグローバルTOP10で、初登場一位を記録し、社会派ドラマとして大きな注目を集めています(日本でもランキングTOP10入りしています)。多くの人が衝撃の事件に息をのむように観ている中、その最終話となるエピソード10ではダーマ―の死という衝撃の結末を迎えました。

本作でダーマーは服役後、ウィスコンシン州のコロンビア刑務所で囚人仲間であるクリストファー・スカーバーに出会います。ある日、彼らはウェイトルームで掃除を担当することになります。見張りの警官がいないうちに、スカーバーはダーマーにゆっくりと歩み寄り、ダーマ―の表情は緊張した面持ちから静かなあきらめへと変わり、自分の最後を迎えることを悟ったようにも思えます。そしてスカーバーはダーマーを殴り、「苦痛を味わわせて楽しんだのか?」と問いかけます。

そしてバーベルの棒を手に取り、ダーマーを死ぬほど何度も殴りつけるのです。見ていて気持ち悪くなるようなシリーズの血なまぐさい残酷な結末です。そこで、ひとつの疑問を持った人もいるはずです。それは…トニー・ヒューズやダーマーの弟デイヴィッドのような実在の人物の話をさまざまな段階で正確に語られているのであれば、この『ダーマー モンスター:ジェフリー・ダーマーの物語』で描かれたダーマ―の死は、実際に起こったことにどれだけ近いのだろうか? と。

まずスカーバーは、実際にダマーを殺害しています。スカーバーはウィスコンシン自然保護隊のジョブ プログラムで見習い大工として働いており、プログラムを修了後はフルタイムで雇われると約束していたにもかかわらず解雇されます。その後、訓練プログラムのオフィスへ行き、現場管理者のスティーブン・ローマンを射殺。そして刑務所に入ることになります。そして本作でも描かれているように、スカーバーは刑務所のウェイトルームを掃除していたときにダーマーだけでなく、もう一人の囚人ジェシー・アンダーソン(妻殺害により服役中)も殺害しています。

スカーバーは後に、「ニューヨーク・ポスト」紙に動機についてこう語っています。「ダーマーは度を過ぎた奴さ。刑務所の中には悔い改める奴もいるが、あいつはそうではなかった」とスカーバーは語り、さらに「振り向くと、(ダーマーと)ジェシーが息を殺して俺を笑っているように見えたんだ。俺は彼らの目を見たが、どちらが実際笑っていたのか判断はできなかったんだが…」と続けて語っています。

さらに「ニューヨーク・ポスト」紙は、その殺害が長さ20インチ、重さ5ポンドの金属棒で行われたことを確認しています。「結局、奴は死んでしまった。俺は奴の頭を下げさせたんだ」と、スカーバーは語っています。

よって『ダーマー モンスター:ジェフリー・ダーマーの物語』は、この事件を正確に再現していると言えるでしょう。ですが、実際に起こった過去の事件をドラマ化することを疑問視し、批判的な意見も浮上するのも事実。そうした意見も、十分理解できることでしょう。残された被害者の遺族はもちろん、これに類似した実際の犯罪で苦しんでいる人も少なくないことを、われわれは決して忘れてはいけないのです。

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Source / ESQUIRE US
※この翻訳は抄訳です。