映画館に飾られた、公開中の映画『ミニオンズ フィーバー』のポスターの横に並ぶ、ジャケットやシャツ、ネクタイにハットなど正装した出で立ちの青年たち。この写真が添付された、Twitterアカウント @rageriders さんの最近のツイートは1.5万リツイートを記録しています。この奇妙な写真を中心に、新たなトレンド「#gentleminions(ジェントルミニオンズ)」が注目を集めています。

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この奇妙なトレンドは主にTikTokで拡散され、世界中の10代の少年たちがナイキ「エア マックス 95」やクロスボディバッグを脱ぎ捨て、オールドスクールのテーラードスタイルに身を包んで映画館に向かう様子をSNSに投稿するというムーブメントを活性化しています。

日本では2022年7月15日(金)に公開予定となっている『ミニオンズ フィーバー』は、1970年代を舞台に繰り広げられる11歳のグルーとミニオンたちの物語。コロナ禍で公開が延期されており、前作から5年ぶりの公開となります。これに敬意を表すカタチで、彼らはスーツをまとっているというわけです。

黄色い肌にブルーのサロペットが特徴の「ミニオンズ」ですが、これまで「ハインツ」のパスタや「ウィルソン」のテニスラケット、「クロックス」など膨大な数のコラボ商品が発売されてきました。そんなキャラクターへの飽きがくるどころか、最新作の『ミニオンズ フィーバー』は2億2千万ドル以上の興行収入を記録しているのです。

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しかし、ミニオンズ最新作の5年ぶりの公開を祝うはずが、このムーブメントの熱狂ぶりによってその雲行きは怪しくなっています。

2022年7月4日に公開されたウェブメディア「Indy100」の記事によると、イギリスを拠点にしたシネマチェーンの「オデオン・シネマズ」のいくつかの支店では、スーツを着たグループの入場を拒否しているとのこと。「週末に映画館で起きたいくつかの事件により、状況によっては入場制限をせざるを得なくなってしまった」と、担当者は語っています。彼らが具体的に何をしたのか? 確認することは難しいですが、ツイッター上では、「『バナナやポップコーンが投げられた』といった迷惑行為があった 」と主張する人もいます。さらに英「BBC」は、「これらの迷惑行為によって、一部の映画館で払い戻しを余儀なくされた」とも報じています。

一方で、「スーツ」というここ数年間見過ごされてきたアイテムにとっては、予想外の逆転劇となったようです。多くの男性がロックダウンにより開放的なファッションを楽しんだあと、今日ではテーラリングはあらゆる年齢層で再び脚光を取り戻しつつあるようなのです。ファッション・ウィークでも、スーツは最も伝統的なカタチで戻ってきていました。ですが、「デザイナーがテーラリングの死を防いだのは彼らの保身だ」と主張されるのと同じくらい、現在のファッションの状況はソーシャルメディアの気まぐれに左右されるようになってきているのも事実です。

話は「#gentleminions(ジェントルミニオンズ)」に戻りますが、これらの迷惑行為を察知した製作会社のユニバーサル・ピクチャーズは、「スーツ姿でミニオンズを観に来ているみんなへ。君たちを見ているし、大好きだよ」と、良心に訴えかけるツイートで自粛を促しています。

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Source / ESQUIRE UK
※この翻訳は抄訳です。