汗ばむ身体にヒンヤリ寒気を届けてくれるだけでなく、スタイルの参考にしたくなるような要素がたっぷりのスタイリッシュな名作ホラー映画10本を厳選してご紹介しましょう。
ブラックコメディーからトラウマ必至の作品まで、真夏の夜は部屋でどっぷり映画の世界に浸かってはいかがですか。
『鳥』(1963)
言わずと知れた、巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督の代表作の1本。“ある日突然、鳥たちが人間を襲い始める”という理不尽とも言える恐怖を描いたパニック映画…これはもうホラーです。
アレキサンダー・マックィーン(1995年春夏コレクション)がこの作品をテーマにしたコレクションを発表したり、ボッテガ・ヴェネタ(2011年春夏コレクション)が本作を彷彿させるキャンペーンを制作したりと、トップクリエイターたちにもたらした影響も数知れず…。
主人公メラニーを演じたティッピ・ヘドレンのレディなファッションに、憧れた人も多いのではないでしょうか。彼女のエレガントなファッションで、ときおり和みながらも適度に恐怖を味わってみてください(笑)。
日本版キャッチコピー:「恐怖映画の巨匠ヒッチコックの最高傑作 鳥たちが、人間を食いちぎる このショック! 凄まじい恐怖が、あなたを襲う!」
『ローズマリーの赤ちゃん』(1968)
ロマン・ポランスキー監督作。NYの古いワケありアパートに越してきた、ガイとローズマリーの夫婦。知人のハッチは不吉な物件だと言うのですが、当の2人はそれを気にしません。ですが、周囲で奇妙なことが起こり始め、そのうちローズマリーは妊娠するのです…。
『ロッキー・ホラー・ショー』(1975)
人気ミュージカルをジム・シャーマン監督が映画化した、コメディータッチのホラーになります。
恩師のもとへ向かう途中で、車がパンクしてしまったブラッドとジャネットの2名は近くの古城を訪ねます。ですが、そこではなんとも奇怪なパーティーが開かれていたのです。
超エキセントリックなファッション&キャラクター&ストーリーでカルト的人気を獲得している本作、ジャネット役のスーザン・サランドンもキュートですが、登場人物たちの悪趣味丸出しのファッションやメイクは、ハロウィンに役立つかもしれません。
日本版キャッチコピー:「笑いと恐怖とSEXが1950年のロッカ・バラードに彩られて爆発する異色ミュージカル大作!」
『サスぺリア』(1977)
鬼才ダリオ・アルジェントがその名を世界に知らしめることとなった、イタリアンホラーの代表作です。
NYから、ドイツの名門バレエ寄宿学校へとやってきたスージー。異様な雰囲気の校内で奇妙な事件や連続殺人が起こり始め、やがて彼女は驚愕の真実に対峙します。
日本版キャッチコピー:「決して、ひとりでは見ないでください」
『ビートルジュース』(1988)
ティム・バートン節が炸裂する、大ヒットホラーコメディーになります。
事故で死亡し幽霊になってしまったアダムとバーバラの夫婦は、自分たちの家に引っ越してきた家族を追い出そうと、霊界の用心棒「ビートルジュース」を呼び出すのですが……?
マイケル・キートンの怪演や、『シザーハンズ』よりも前の若いウィノナ・ライダーが見ものです。作中でウィノナが着た、血のように赤いウェディングドレスが印象的です。
日本版キャッチコピー:「誰も知らない霊次元。怖くて笑い、面白くて震える」
『アダムス・ファミリー』(1991)
『ザ・ニューヨーカー』誌に掲載されていたチャールズ・アダムスの1コマ漫画が原作で、アニメ化やドラマ化、ミュージカル化もされる人気作です。
一風変わったアダムス一家のもとに、失踪中だった主人ゴメズの兄フェスターが突然現れます。ですが、実は彼は一家の財産を狙う顧問弁護士が送り込んだニセモノで…。
モノトーン(というよりほぼ黒一色)の一家のファッションは、実はとてもシックでエレガント。中でもクリスティーナ・リッチのキュートさは、今でもおしゃれ好きな女性のハートをくすぐるはずです。
日本版キャッチコピー:「私たちの、どこがヘンですか…。」
『永遠に美しく…』(1992)
名匠ロバート・ゼメキス監督がおくる、壮絶にして滑稽なホラーブラックコメディー。マデリーンとヘレンは旧知のライバル同士だが、ひとりの男を巡って闘ううちに永遠の美が手に入るという秘薬に出合い、事態は思わぬ方向へと転がっていくストーリー。
泣く子も黙るダブルヒロイン、メリル・ストリープ&ゴールディ・ホーンの共(狂)演は、映画史に残るといっても過言ではありません。ゴージャスなドレスから喪服まで、2人のファッションも印象的です。
日本版キャッチコピー:「ゼメキス監督が最新SFXを駆使したドラマティック・コメディ」
『アメリカン・サイコ』(2000)
舞台は1980年代後半のニューヨーク。カメレオン俳優クリスチャン・ベールが、ルックス、地位、金、すべてを備えながらも、人を殺さずにはいられない願望を持つエリートサラリーマンのパトリックを演じて、スマッシュヒットとなりました。
登場人物たちのバブリーなファッションをはじめ、会話やスポットなども今見ても色褪せないクールさを放っています。クロエ・セヴィニーやリース・ウィザースプーン、ジャレッド・レトらがおしゃれスターになったのは、今作に出演したおかげかもしれませんね…。
日本版キャッチコピー:「自分をコントロールできない」
『ブラック・スワン』(2010)
ダレン・アロノフスキー監督が放つ、美しくも強烈なバレエの舞台裏に迫ったサイコサスペンス。
ニューヨークのバレエ団に所属する内気なニナ(ナタリー・ポートマン)は、『白鳥の湖』のプリマに抜擢されます。人生のすべてをバレエに捧げる彼女は、大役のプレッシャーと役づくりに没頭するあまり、精神的に追い詰められてゆくのでした。
第83回アカデミー賞では5部門にノミネートされ、主演のナタリーは共演したダンサーで振付師のベンジャミン・ミルピエと結婚しました。
日本版キャッチコピー:「純白の野心は、やがて漆黒の狂気に変わる…」
『ネオン・デーモン』(2016)
『ドライヴ』『オンリー・ゴッド』のニコラス・ウィンディング・レフン監督が、ファッション業界を舞台に描いたメタファーに満ちた美しい悪夢のようなホラー。
モデルになる夢を抱いて田舎からLAにやってきた主人公ジェシー(エル・ファニング)は、エージェントに見出されてすぐに売れっ子に…。嫉妬に燃えるライバルたちに引きずり降ろされそうになりますが、ジェシー本人も自らの中に激しい野心が芽生え…。
美しいキャストたちにうっとりしながら、ショッキングなラストに備えましょう。
日本版キャッチコピー:「無垢な夢が邪悪な毒に染まる」