フランシス・フォード・コッポラは、伝説の映画の50周年記念版の本に添えた新しい序文で、「マリオ・プーゾが彼の小説だけではなく、“私”もつくったことは間違いなく真実だ」と書いたそうです。 
 
 ウェブメディア「エンターテイメント・ウィークリー」に掲載された抜粋記事によると、最初この小説を読んだときは、プーゾの本を「SEXと愚鈍に満ちた営利目的の粗悪な小説」として却下したそうです。が、コッポラは2回目に読書で、この小説の中に時代を超越した何かがあることを発見したと言います。 
 
 「私が発見したのは、この小説の中には本質的かつ古典的な素晴らしいストーリーが描かれていることでした。王(ゴッドファーザー)の3人の息子たちそれぞれの人格が、父の側面を受け継いでいる部分を抽出して映画を作ることができれば、何らかの熱意を生み出すことができると私は思いました」と述べています。 
 
 「クレメンザがマイケルにレシピを教えている場面で、『まず、ソーセージを焼いてからトマトの中に放り込むんだ』と私は書いていました。しかしマリオは、『ギャングスターはソーセージを焼かない、油で揚げるんだ』と走り書きしました。私が書いた原稿のあちらこちらに、そのような手書きのメモがあります。その細かな違いを指摘した手書きのメモが、大きな違いを結果的に生み出しました」と記しています。 
 
 当時コッポラは、「一時的に麻痺し、年がら年中悪い学生だったクイーンズ出身の恥ずかしがり屋の子どもが、たまたま青年期に成功しただけ」と自覚していましたが、プーゾとはいい友だちになることができたそうです。 
 
 「私は彼の近くにいるのが好きでした」とコッポラは言います。 「私は大好きだった叔父のように、彼のことも好きでした。彼と一緒にいるのがとても楽しかったのです。彼はとても暖かくて賢明で、面白くて愛情深かい人でした」とも語っています。 
 
 さらにコッポラは、ニューヨークのマフィア、ガンビーノ一家のボスのジョン・ゴッティが、彼の知人を『ゴッドファーザー2』で世話をするようにと現れたとき、コッポラはプーゾのアドバイスどおり、マフィアと親しくならないようしっかりと背をそむけたそうです。

 おそらくそれは、とても賢明な対応だったと言えるでしょう。 
 

 
 

From Esquire UK 
Translation / Nana Takeda 
※この翻訳は抄訳です。