クリストファー・ノーラン監督のキャリアは、驚異的と言う他ないでしょう。インディスリラー(『フォロウィング』と『メメント』)からスーパーヒーロージャンルの刷新(「ダークナイト」3部作)、脳内アクション大作(『インセプション』)から歴史大作(『ダンケルク』)までと、ノーランは一貫して批評家とファンの両方に愛される映画をつくり続けています。実際、彼の作品で映画批評サイト「ロッテン・トマト」上でのスコアが80%以下のものは、たった2本しかありません。最近では2017年に公開された『ダンケルク』で、アカデミー賞にノミネートされたノーランですが、そんな彼の次なるプロジェクトに少しずつ注目が集まり始めています。そして、こちらもかなり期待できる作品になりそうです。
 
 「ハリウッド・レポーター」誌によれば、この映画は『Tenet(原題)』というタイトルで、「国際的なスパイの世界を描くアクション大作」と称されています。 
 
 この映画の撮影は7カ国で行われ、キャストの面々もかなり豪華。ロバート・パティンソン、ケネス・ブラナー、マイケル・ケインのほか、ジョン・デヴィッド・ワシントン、アーロン・テイラー=ジョンソン、エリザベス・デビッキ、ディンプル・カパディア、クレマンス・ポエジーなどが出演します。

 ちなみにこの中には、「ハリーポッター」シリーズに出演した俳優が3人もいます(パティンソンはセドリック・ディゴリー役、ブラナーはギルデロイ・ロックハート役、ポエジーはフラー・デラクール役でした)。

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(左から)ロバート・パティンソン、ジョン・デヴィッド・ワシントン、エリザベス・デビッキ、 クリストファー・ノーラン監督。


 
 現時点で明かされているプロットは大まかなものですが、その内容は「あらゆるノーランファンの夢」とも言えるものです。これを読んで頭に浮かぶのは、『ダークナイト』冒頭の『ヒート』を意識した強盗シーンや、『インセプション』のスパイ的な夢の世界への侵入といった要素です。 
 
 また、有望なのはキャスト陣だけではなく、この映画にはノーランお気に入りの共同制作者たちがスタッフとして加わっています。その中には、『インターステラー』や『ダンケルク』などノーランの画期的作品で撮影監督を務めたホイテ・ヴァン・ホイテマも含まれているから楽しみでしょうがありません。 
 
 そんな『Tenet(原題)』は2020年7月17日に米国公開予定となっています。しかしながら日本公開予定日は、現在のところ未定となっているのがちょっと寂しいところですが…。とは言え、今から楽しみに待っていましょう。 

 

 
 

From Esquire US 
Translation / Wataru Nakamura 
※この翻訳は抄訳です。