クエンティン・タランティーノ監督の最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』については、レオナルド・ディカプリオ演じるリック・ダルトンとブラッド・ピット演じるクリフ・ブースという架空のハリウッド関係者が現実の映画史の中に入り込み、シャロン・テートやスティーブ・マックイーン、チャールズ・マンソンと関わっていくことがわかっています。
 
 ですが、そもそもこの2人のキャラクターはどのように生まれたのでしょうか?

 ポッドキャスト番組『ピュア・シネマ・ポッドキャスト』に出演したタランティーノが、(自らが経営する)ロサンゼルスのニュー・ビバリー・シネマで上映する映画のプログラム編成や、これらがダルトンやブースとどのように関係するのかについて語ってくれました。例えばタランティーノ監督はダルトンについて、「マックイーンと同時期にテレビから映画の世界に飛躍しようと必死に試みている」というキャラクター設定を明かしています。 
 
 「ダルトンは、テレビシリーズから真剣に離れたがっている。そうして映画の世界でさらに大金を稼ぎたいのです」と、タランティーノ監督は説明します。「そこで彼は、ユニバーサルに掛け合って4本の映画に出演する契約を獲得する。そうして4本を撮るのですが、どれも悪くはないが関係者に衝撃を与えるほどでもないことが分かります。だから彼は、テレビ業界から映画業界への進出に成功していないのです」と、タランティーノ監督は続けてコメントしました。

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 その後タランティーノ監督は、削除されたあるシーンのセリフを紹介します。このセリフはアル・パチーノ演じるマーヴィン・シュワルツ(ダルトンのエージェント)が、ダルトンのキャリアにおける立ち位置について説明したものです。 
 
 「イタリア人たちはマックイーンを使いたがる。だが、マックイーンは彼らとは働かないことでしょう。何があろうと、彼は断るだろう。何度頼まれようと、マーロン・ブランドの答えは常にノーです。それでもイタリア人たちはオファーし続けます。それから彼らはこれじゃダメだと考えて、妥協するのです。マーロン・ブランドが使いたくてもバート・レイノルズを使い、ウォーレン・ベイティが使いたくてもジョージ・ハミルトンを使うことでしょう。スティーブ・マックイーンを使いたいなら、君(リック・ダルトン)を使うというわけだよ」 
 
 
またブースのキャラクターについて、タランティーノ監督はブラット・ピットと偶然にもまったく同じイメージを抱いていたそうです。と言うのも、あるとき2人がブースのキャラクターについて掘り下げるために会ったとき、ピットが持ってきたのは1971年のトム・ローリンの映画『明日の壁をぶち破れ』のDVDであり、タランティーノ監督もまさに同じ映画を見ようと準備していたと言うのです。 
 
 タランティーノ監督が、「ブラッド、35mmフィルムの『明日の壁をぶち破れ』を映写機にセットしてあるよ。君が来るのを待っていたんだよ」と言うと、ピットは「信じられない」といった様子だったそうです。 
 
 「2人とも同じビリー・ジャックというキャラクターをイメージしていたことが信じられない様子でした。ビリー・ジャックには、常にちょっとした前口上があるのです。それは、敵をやっつける前に語る気取らないストーリーがあることです。そして、ブース自身にも気取らない語りがあります」と、タランティーノ監督はコメントしました。 
 
 レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピット演じる二人の魅力的な架空のキャラクターが、シャロン・テートやチャールズ・マンソンが居たハリウッドにどんな影響をもたらすのか、とても楽しみなところです。  

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映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』予告 8月30日(金)公開
映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』予告 8月30日(金)公開 thumnail
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 そんな『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、2019年8月30日より日本公開予定です。

 

 

From Esquire UK
Translation / Wataru Nakamura 
※この翻訳は抄訳です。