これまでオリジナリティあふれる作品を手がけてきた、クエンティン・タランティーノ監督。そんな彼が手がけた最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、ハリウッド黄金時代に起きたシャロン・テート殺人事件を描いた物語です。
今回、そんな最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の裏側をある俳優が教えてくれました。
出演者のティモシー・オリファントによれば、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の撮影現場でスナップチャットを使うような真似をすれば、クビになりかねないとのこと。
オリファントはラジオ番組で、「冗談抜きに言います。クビになります。スマホを出すところを見られたら、そこで終わりです。警告も何もなし。退場ですよ」と語りました。「これは作り話ではありません。現場の外に小さなブースが設けてあり、そこでスマホをチェックするのです。みんなそこにスマホを置き、通話のときは外に出なくてはならない」と、オリファントは続けて話しました。
『パルプ・フィクション』以来、タランティーノ監督の協力プロデューサーを務めるウィリアム・ポール・クラーク氏は2018年、「インディペンデント」紙に対し、「撮影現場の検問所では、係が人々からスマホを取り上げるのです」と語りました。さらに「必要なら充電もしてくれる」とも…。
クラーク氏が知る限り、これでクビになった人はいません。ですが、『ジャンゴ 繋がれざる者』の撮影時に着信を鳴らしてしまった人はいたようです。
タランティーノ監督の『ヘイトフル・エイト』の脚本が、映画の公開前に流出する事件はあったものの、「このことはタランティーノ監督がスマートフォンを禁止したこととはあまり関係がない」と、オリファントは指摘しています。それよりも、集中力を高めることが目的なのだそうです。
オリファントは、「そこでは撮影以外のことはしません。インスタとか、次回作の脚本を読むこととか、代理人と話すことも。僕たちがここにいるのは、今やっていることをするためなんです。そのことを真剣に受け止めるようになりました。どのように思われるかはわからないけれど、これは監督がスタッフや俳優たちにくれた素晴らしい贈り物の一つでした」と語っています。
「もし、スマートフォン禁止に従わない人がいたら?」との質問に対し、オリファントは「考えるのも恐ろしいよ。その人は走ってその場を去るだけですね」と答えました。
映画監督によって厳しいルールがあることは、たまに耳を挟みます。ですが、ここまでスマートフォンの取り扱い注意な監督はきっとクエンティン・タランティーノくらいかと思われます。それだけ作品作りに集中しているという証拠ですから、最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』にはさらなる期待をすることにしましょう。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、2019年8月30日より日本公開。
From Esquire UK
Translation / Keiko Tanaka
※この翻訳は抄訳です。