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デヴィッド・フィンチャー監督の映画作品、エスクァイア的BEST12

野心的で挑戦的で完璧主義者とされるフィンチャー監督。彼の作品の中で失敗作とされているのは、たった1本だけと言われています。そのため、彼の作品のランク付けは至難の業でした。

By and Brady Langmann
david fincher movies ranked
Elaine Chung

デヴィッド・フィンチャーのように見ごたえのあるサイコパスな世界を表現できる監督は、まさに稀有な存在です。2023年8月で61歳を迎えたフィンチャー(全くその年齢を感じさせませんが)は、これまで数々の凶悪犯を描いた作品でメガホンを取ってきました(いまどくメガホンではないと思いましが…)。

具体的には『ゴーン・ガール』の計算高い悪女エイミー・ダン、『ゾディアック』の連続殺人犯、『エイリアン3』のゼノモーフ(地球外生命体)、そしてもちろん、『ファイト・クラブ』の主人公タイラー・ダーデン、『ソーシャル・ネットワーク』のマーク・ザッカーバーグなどが挙げられます。そうしてフィンチャーは、監督としての地位を築いてきたのです。

デヴィッド・フィンチャー
Michael Kovac//Getty Images

2020年に「傑作!」と評される伝記映画『Mank/マンク』を発表した後、フィンチャーは彼の原点とも言えるサイコスリラーに戻りました。それが、現在Netflixでストリーミングされているマイケル・ファスベンダー主演の『ザ・キラー』です。

殺し屋ザ・キラーことクリスチャンに扮する彼は、まばたきひとつせず単独で行動する殺し屋を見事に演じきっています。ネタバレはしませんが、ドラマ序盤の殺人計画が計画どおりにいかず、世界中を飛び回ることになる…その展開は、フィンチャー作品の中でも緊迫感が押し寄せる優れた映画の一つであり、特に深みのあるニュアンスが味わえる作品と言えます。

フィンチャー監督のNetflix最新作の配信が始まったことを記念して(でも、2017年にアメリカで発表された『マインドハンター』のことも忘れることなく)、私たち編集部はフィンチャー監督の作品をランク付けしました。とは言え、傑作をつくり続けるフィンチャー監督作品のランク付けは至難の業。

今は、テイラー・ダーデン(ファイトクラブの主人公)がかつて言ったように、「さぁ、あとは成り行きに任せよう」という気持ちです。

12. 『エイリアン3』 (1992年公開)

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ALIEN 3 Official Trailer (1992) Sigourney Weaver, David Fincher Movie HD
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洗練されたセンスと皮肉めいたウィットのおかげで、フィンチャーのミュージックビデオは――マドンナの一連の中でも『ヴォーグ』は秀逸、ジョージ・マイケルの『フリーダム!'90』も忘れてはなりません--プロモーションのいちクリエイティブをアートの領域へと引き上げてくれました。彼の手の込んだ短編は(コロナウイルスが存在する前から)、ウイルスが広がるように話題の拡散を生み、当然のことながら大手スタジオからお呼びがかかるのにそう時間はかかりませんでした。

ですが、この若手監督の長編初監督作は、繰り返される脚本の修正とスタジオの優柔不断のせいで、撮影が始まる前から破綻していました。この陰鬱な作品は「エイリアン」シリーズ第3作で、フィンチャーは「20世紀フォックス(現・20世紀スタジオ)とどちらが主導権を握るか?」という争いを繰り広げたほどです。

シゴーニ・ウィーバー演じるリプリーが前作に続き出演しているにもかかわらず、『エイリアン3』はH.R.ギーガーがデザインしたエイリアンがのさばる流刑地の惑星に住む囚人たちを描いた殺伐としたディストピア的追跡劇という、まあめちゃくちゃな作品でした。

リドリー・スコット監督の『エイリアン』、ジェームズ・キャメロン監督の『エイリアン2』の続編として期待されていたので、観客や批評家(そしてフィンチャー自身も)はその出来栄えにがっかりせずにはいられなかったことでしょう。「フィンチャーの作品には一つだけ失敗がある」と言いましたが、それがこの作品になります。とは言え、好きな作品でもあります。

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11. 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』 (2008年公開、2009年日本公開)

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The Curious Case of Benjamin Button (2008) Trailer #1 | Movieclips Classic Trailers
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この作品は、ある人にとっては涙腺を刺激する感動作品であり、またある人にとっては『フォレスト・ガンプ /一期一会』のような感傷的で非現実的な作品かもしれません。

F.スコット・フィッツジェラルドの短編小説からインスピレーションを得たこの『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』は、デヴィッド・フィンチャーが『セブン』『ファイト・クラブ』に続きブラッド・ピットと再びタッグを組んだ作品で、本作でもブラッド・ピットは素晴らしい演技を見せています。老化および若返りの特殊メイク効果も、時折気味の悪さを感じる場面があるものの、非常に印象的です。

エリック・ロスのメロドラマチックな脚本は、とても力強く感情を揺さぶり、当然のように観客の涙を誘いました。その結果、この映画は技術的なレベルでは非常に賞賛される映画であり、エモーショナルの面でも抵抗が難しいほど感動を呼ぶ作品になっています(感傷的な演出にだまされたことを、翌朝に後悔するかもしれませんが)。

フィンチャーは常に、映像技術とストーリー展開のバランスを平等にすることで作品を輝かせてきた監督であると言えます。ですが本作では、映像の魅力が強調され過ぎていたようにも思えます。

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10. 『パニック・ルーム』 (2002年公開)

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Panic Room (2002) Official Trailer 1 - Jodie Foster Movie
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独自のスタイルや演出手法を試みている一つの例である『パニック・ルーム』は、閉所の恐怖をテーマにした作品として非常に高い技巧を見せています。

「ジュラシック・パーク」シリーズで知られるデヴィッド・コープが手がけたシンプルな脚本では、母親(ジョディ・フォスター)と娘(若き日のクリステン・スチュワート)が、マンハッタンのブラウンストーンのハイテクなパニック・ルーム(隠し部屋)に避難した先に侵入してきた3人の強盗犯と対決。母娘が自分たちの命を守りながら、強盗犯と攻防する様子を描いています。

この映画の中には、じっくりと掘り下げられたり展開されたりするほどの物語的な要素はあまりにも少ないですが、デヴィッド・フィンチャーはわずかな要素を上手に活かし、「サスペンスの帝王」と称された監督アルフレッド・ヒッチコックに匹敵するような緊迫感のある作品に仕上げています。

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9. 『Mank/マンク』 (2020年公開)

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MANK | Official Trailer | Netflix
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デヴィッド・フィンチャーの故父が脚本を手がけ、Netflixが資金提供したこのモノクロの伝記映画は、酒豪の脚本家ハーマン・J・マンキウィッツに焦点を当て、オーソン・ウェルズの傑作『市民ケーン』製作の舞台裏を描いています。フィンチャーは、映画評論家のポーリン・ケイルがウェルズに対する批判を行った著書『レイジング・ケイン』に続き、マンキウィッツの功績に光を当てて評価を与えようとしました。

ゲイリー・オールドマンはアルコール依存症の美食家を演じ、キャラクターに深みや複雑さを与え、輝かしい瞬間や才能が光る場面と自己犠牲的な後悔に苦しむ瞬間をうまく織り交ぜています。

これにより、演技が単なる一面的なものではなく、多面的で感情豊かなものとなっていました。また、アマンダ・セイフライドが、アメリカの新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストの恋人であり、実在の人物である女優マリオン・デイヴィスを演じて素晴らしい演技を披露したことも評価されています。

この映画は一般の観客よりも、映画愛好者やシネフィルなどの玄人受け作品です。が、それでも映画は美しく悲劇的で、昔のハリウッドへの敬意を表しています。

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8. ドラゴン・タトゥーの女 (2011年公開、2012年日本公開)

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THE GIRL WITH THE DRAGON TATTOO - Official Trailer - In Theaters 12/21
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スティーグ・ラーソンが執筆した推理小説「ミレニアム」シリーズの1作目が、この『ドラゴン・タトゥーの女』です。スタジオは同作を含む三部作として映画化し、成功を収めることを期待していました。ですが、『ドラゴン・タトゥーの女』の公開当初は興行的には思うような成果が得られませんでした。とは言え予想外なことに、『ドラゴン・タトゥーの女』は時を経るにつれてその評価が高まってきています。

この作品は、フィンチャーによるシリアルキラーというテーマへの三度目の挑戦でした。彼はこの映画を確かな手腕と巧妙な筋書きで、真犯人探しをする楽しさを観客に与えたのです。

ダニエル・クレイグは、名誉を失った記者役として控えめな演技を見事に披露。彼は裕福なスカンジナビアの家族に雇われ、40年前に一家の少女に起きた謎めいた失踪事件の真相に迫りました。捜査のパートナーとなった天才ハッカー リスベット役を務めたルーニー・マーラの演技は、実に見事。動じない力強さと脆弱さを表現しています。同様に裕福な家族の冷たい家長としてのクリストファー・プラマーもまた、非凡な存在感を放ちます。

『ゾディアック』と同様に、『ドラゴン・タトゥーの女』も正義に関する映画です。物語は被害者たちだけでなく、真実を求め続ける不屈の探求者たちに焦点を当てています。

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7. 『ゲーム』 (1997年公開、1998年日本公開)

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THE GAME - Official Trailer (1997) Michael Douglas
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まるで『パララックス・ビュー』のオマージュのような『ザ・ゲーム』は、錯乱するパズルボックスのようなスリラー映画です。観客を絶えずハラハラさせ、次に何が待っているのかを予測不能な陰謀スリラーの一つとなっています。

トカゲのような演技を披露したマイケル・ダグラスは、表層的なビジネスマンの役にぴったり。ろくでなしの弟(ショーン・ペンもその役柄を見事に演じました)が彼の誕生日に謎めいた贈り物をしたことから、一連の奇妙で被害妄想すら引き起こすような出来事に巻き込まれていきます。それは、単なるゲーム以上の何かを感じさせるものでした。

確かにこの物語は、完全に信じがたいものになっているかもしれません。ただし、もしもあなたが非現実的な要素を受け入れるのであれば、非常に楽しい体験となるでしょう。それは、結末が観る人を純粋に興奮させるものであり、「これは一体どういうことだ?」という予測不能な展開が待っているからです。

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6. 『ザ・キラー』 (2023年公開)

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THE KILLER | Official Trailer | Netflix
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『ザ・キラー』では、マイケル・ファスベンダーが不気味で破綻したキャラクターを演じ、その中でも「彼がカメラを向けられているときには、まばたきを一切しなかった」という特異なエピソードが際立っていました。

フィンチャーは、映画『タクシードライバー』の主人公トラヴィス・ビックルのような人生が転落していく様子を見事に描く手腕を持っていますが、ファスベンダー演じる主役の殺し屋(文字通り "The Killer" とクレジット)はフィンチャーの作品の中でも特に引き込まれるサイコパスなキャラクターの一つです。

息もつかせない2時間で、フィンチャーは型にはまったヒットマンの生活を描いています。主人公の成長はゆっくりと進み、苦痛で、深いニュアンスに富んでおり、病的なほどスリリングです。

激しいファイトシーンも含めて考えると、『ザ・キラー』は恐らくフィンチャーがこれまでに制作した中でも、極めて見応えあるエンターテインメント映画の一つと言えるでしょう。

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5. 『ファイト・クラブ』 (1999年公開)

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Fight Club (1999) Trailer #1 | Movieclips Classic Trailers
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『ファイト・クラブ』は、チャック・パラニュークの陰影のある小説を原作としています。賛否両論を巻き起こしたこの狂気的なこの映画は、「有害な男性に対する最後の反乱」なのか、それとも「それに対する論評なのか」、その判断は難しいとされています。

映画は男性性や社会的なテーマに焦点を当てていますが、そのアプローチがかなり過激であり、物議を醸す要素を含んでいます。特に映画が取り上げる男性のアイデンティティや振る舞いに対するアプローチは、一部の視聴者や批評家からは議論の余地があると受け取られています。

ですがそれが起こった年は、古き良きハリウッドのルールが全て窓の外に投げ捨てられるかのような時期(いわゆる映画製作において従来のスタイルや物語の進行、キャラクターの描写などが挑戦され、新しいアプローチや異なる視点が試みられている時期)でした。そのため、どちらの視点から見ても重要な映画として位置づけられています。これはミレニアム世代の声明であり、そのテーゼは今もなお解釈の余地があり、それがこの映画を観るうえで常に興味深いものになっているとも言えます。

エドワード・ノートンはヤッピー(アメリカで第2次大戦後のベビーブーム期に生まれた世代)で消費主義、そして無力感に満ちた男性の典型であり、何かを感じるために仲間たちと互いに殴り合う地下の秘密集会で力と目的を見出します。その裏社会へのガイド役であるブラッド・ピットは、割れた腹筋とボスとしてのカリスマ性を魅せつけていました。

映画ラストの3分の1で予想を裏切られますが、その斬新で予測不可能な展開がうまく機能しています。大胆で期待外れかもしれませんが、その結末が映画にとって良い結果をもたらしている…と言わせていただきます。

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4. 『セブン』 (1995年公開、1996年日本公開)

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Se7en (1995) Official Trailer - Brad Pitt, Morgan Freeman Movie HD
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『エイリアン3』での心が折れるような失望から立ち直ったのでしょう、フィンチャーはここで七つの大罪(高慢、強欲、憤怒、嫉妬、淫欲、暴食、怠惰)に従った手口の、連続殺人鬼の病んだ心を描いた作品で見事復活を宣言しました。

ブラッド・ピットとモーガン・フリーマンが、映画の中でサイコパスの足跡を追う2人の刑事として登場。特に彼らの掛け合いは心地よく、警察ドラマになじみ深い技法で映画の過激なシーンを和らげています。また、グウィネス・パルトロウはピットの孤独な妻として、物語に非常に必要な役割を果たしています。

猟奇的な犯罪シーンで満ちた映画にもかかわらず、多くの観客はフィンチャーのダークな遊園地のような作品に引き込まれてしまうのはまさに驚きです。そして、謎めいた箱に何が入っているのか? を問いただした後の衝撃的なラストシーンで、クライマックスに達するところも心憎い演出です。

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3. 『ゴーン・ガール』 (2014年公開)

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Gone Girl Official Trailer #2 (2014) Ben Affleck, Rosamund Pike HD
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21012年に作家ギリアン・フリンによって発表された、中毒性のあるビーチリード(軽く読める本)のような感覚からつづられた『ゴーン・ガール』は、期待外れな大失敗になり得た作品でした。

なぜなら、ギリアン・フリンによる女性主導のサスペンスを読んだ人々にとっては、既に自分たちの頭の中で登場人物やストーリーについて独自のアイデアが創造できていたはずだからです。でしがフィンチャーは、自分の内なるビジョンに従って見事に作品を創り上げて、その創造をいい意味で裏切り、成功させたのです。

これはフィンチャーの才覚だけでなく、ロザムンド・パイクがヒロインとして氷のような完璧な演技をし、これまでにない幅広い表現力と輝きを見せたことも大きく寄与していると言えるでしょう。

そして、彼女の殺害が疑われる夫を演じるベン・アフレックは、お調子者の振る舞いと間抜けな笑顔がピッタリとはまっているように感じられます。フィンチャーは視点の変わる物語を上手に描き、内容を知っている観客も物語が進むにつれて展開に引き込まれました。

原作本よりも映画が良いとされることは稀ですが、『ゴーン・ガール』はその例外で、引き分けに近い出来栄えではないでしょうか。

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2. ゾディアック (2007年公開)

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Zodiac (2007) Trailer #1 | Movieclips Classic Trailers
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『ゾディアック』は、フィンチャーの非常に個人的な感情に寄った映画だと考えられます。それがどの程度で実際にそうなのかはわかりませんが、1960年代後半から1970年代初頭にかけてベイエリアで育ったフィンチャーが、その地域を襲った「ゾディアック」と呼ばれる連続殺人犯に影響を受けた可能性は否定できないと言えるでしょう。その事件は、彼が感受性豊かな時期に起こっています。なので、彼の骨髄に染み込んだことでしょう。それが、この『ゾディアック』がフィンチャーしか作れない映画のように感じさせる唯一の理由にはなりません。

なぜなら、これは執念についての映画であり、そして、ほとんどの映画監督がフィンチャーほど執念深いわけではないからです。これがフィンチャーによって製作されたことには、大きな意味を持っていると考えることができます。そしてロバート・ダウニー・Jr.、ジェイク・ギレンホール、そしてマーク・ラファロは事件が迷宮入りした後も、犯人の正体を追い求める新聞記者の三人組として、実に素晴らしい演技を披露しています。

『大統領の陰謀』以来、映画が手間のかかる捜査の詳細をこれほど緊張感あるスリラーに変えたことはなかったに違いありません。この映画は捜査のディテール、プロセス、行き詰まりに焦点を当てており、その複雑さや詳細な部分を描き出しています。フィンチャーの巧みな技術がなければ、この映画を本当に興奮を呼ぶものに変えることはできなかったでしょう。

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1. 『ソーシャル・ネットワーク』 (2010年公開、2011年日本公開)

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THE SOCIAL NETWORK - Official Trailer [2010] (HD)
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『ソーシャル・ネットワーク』は、この10年の中で最も素晴らしい映画として私(筆者クリス・ナシャワティ)が1票を投じたい作品です。正直なところ、脚本家にアーロン・ソーキンを選んだことには大変驚きでしたが、とても大きな役割を果たしていたと感じています。

フィンチャーがFacebookの創設者マーク・ザッカーバーグのありのままを描いた本作は、ただの傑作にとどまらず、10年後の私たちが生きる時代を驚くほど鋭い洞察で読み解いています。

ジェシー・アイゼンバーグの特有の神経質でおしゃべりなギーク(技術や特定の興味に対して熱中し、その話題について熱く語る人)は私の好みではありませんが、これほど適した配役はないと思っています。ザッカーバーグが賢明でありながらも孤独な変わり者であり、彼の野心と傲慢さが世界をつなげる一方で、その過程で自らの魂を失ってしまったというストーリーを、素晴らしい演技でみせています。

最終シーンでは、ますます孤立したザッカーバーグが、「友だちがいるかどうか?」を確認するため、ラップトップで更新ボタンを押し続ける様子が描かれています。これは、彼の物語と私たち自身の「気に入られたい」という切望する時代の見事な締めくくりではないでしょうか。これは、まさに傑作です。

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Translation / Yumi Suzuki
Edit / Satomi Tanioka
※この翻訳は抄訳です

From: Esquire US

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