「1.21ジゴワット」級のSF傑作集です。
※映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に登場する主人公クラスの人気を誇るクルマ、デロリアン製「DMC-12」を改造した自動車型タイムマシンに関しての字幕スーパーにおいて、このクルマがタイムマシンとして機能するに必要な電力は「1.21ジゴワット」と表記されていました。本来は「ギガワット」なのですが、脚本を書いたボブ・ゲイル氏が「gigawatt」と書くべきところを「jigowatt」と書いてしまったことに端を発し、日本語字幕をつける段階でも「ジゴワット」と表記されることに…。そんなわけで、いまではこの架空の単位が誕生した伝説として語り継がれているのでした…。
◇タイムトラベルするおすすめ映画30選
SF映画…、特に時空の混乱を描くタイムトラベルを扱ったテーマは、観客の我々をときに時系列の混乱へと陥ってしまう場合もあります…。しかしながら、そんな物語の進行に頭を抱えながら悩むことも、SF映画を観る醍醐味なのではないでしょうか。
ふと無性に観たくなるあの名作から、いまや「超」がつくほどの一流俳優の若かりしころの傑作まで、いまも色褪せることのない名作を集めてみました。
それでは、ご紹介するおすすめSF映画を観て、時間の流れを探る旅へと参りましょう! 最高のSF映画30選です。
【1】タイムマシン
タイムトラベルを扱ったフィクションを語るうえで、外すことができないのがこの『タイムマシン』です。
「タイムマシン」という言葉を世に広めることになったH・G・ウェルズの小説(1985年に発表されたSF小説『タイム・マシン』)を原作とする、1960年に公開された映画『タイム・マシン 80万年後の世界へ』のリメイクになります。
西暦と802,701年の世界に辿り着いたH・G・ウェルズを待ち受けていたのは、エロイ族とモーロック族の対立する、変わりはてた世界でした。
原作は「古典」と呼べるほど古い作品ではありますが、その世界観は古びることがありません。
【2】ビルとテッドの大冒険
「最高」という言葉がぴったりの映画です。キアヌ・リーヴスにとっては、『マトリックス』はさておき、1989年に公開されたこの『ビルとテッドの大冒険』こそ、最大の偉業と呼んで良いのではないでしょうか。
おバカな映画かもしれません。ですが、拒否することのできない面白さです。
タイムマシーンを手に入れた2人の落ちこぼれの高校生が、落第寸前の歴史のクラスの課題のために、時空を超えるのです。 エイブラハム・リンカーン、チンギス・ハン、ジャンヌ・ダルク、ビリー・ザ・キッド、ナポレオン、ジークムント・フロイト、それからソクラテスなどが現代の世界に連れ出されます。そのことで歴史にどのような致命的な影響が及ぼすのかなど、予想もつなかにことでしょう。しかし、それについて考えても、仕方のないことなのでやめておきましょう。
【3】スタートレックIV 故郷への長い道
カーク提督とクルーたちは、宇宙人の地球への侵略を止めるため、未来の世界では絶滅してしまったザトウクジラを救う必要に迫られ、1986年の世界へと200年の時をさかのぼります。
まさしく『スタートレック』であり、タイムトラベルであり、反捕鯨のストーリーです。傑作です。
【4】ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
巨匠アルフォンソ・キュアロン監督の手により、『ハリー・ポッター』シリーズが児童文学の枠を超えた一作です。
タイムターナーを手にしたハリーとハーマイオニーが、ホグワーツを救うため時空を超えた冒険に乗り出します。
シリーズ最高傑作と言っても良いでしょう。
【5】猿の惑星
プリクエル(前日譚)であるリブート・シリーズを除き、『猿の惑星』シリーズには、必ずタイムトラベルが描かれています。
しかしベストはやはり、第1作目。SF界のレジェンドであるロッド・サーリングが脚本を手掛け、1968年に公開された『猿の惑星』こそ、タイムトラベルのみならずあらゆるSF作品における金字塔と呼ぶべきものです。
チャールトン・ヘストン演じるジョージ・テイラーは、光速飛行中の事故で、謎の惑星に着陸することとなります。
ストーリーは恐らく皆さんもご存じのとおり。ポピュラーカルチャーを語るうえで外すことのできない名作です。
【6】12モンキーズ
1962年公開のフランス映画『ラ・ジュテ』に着想を得た『12モンキーズ』は、人類を滅亡へと導くウィルスから救うべく奮闘するある男の物語です。
未来において、現実のものとなる悪夢を妨げるためにジェームズ・コール(ブルース・ウィリス)は、過去へと送り込まれるのでした…。
そこから繰り広げられる2時間のSFノアールを彩るのは、ブラッド・ピット、クリストファー・プラマーなどの才能あふれる俳優陣。そして、カメラの背後で見守るテリー・ギリアム監督です。
タイムトラベルを題材にした数多の作品の中でも、ベストと言うべき作品であり、世界中のSFファンに愛される名作です。
【7】バンデットQ
テリー・ギリアム「夢の3部作」(あのSF映画の傑作『未来世紀ブラジル』も含まれます)のひとつとされる本作『バンデットQ』。
これぞ傑作と呼ぶに相応しい、異色極まる作品です。
主人公の少年ケヴィンは、万物の創造主の下で働きつつも、盗団として盗みを働く6人の小人と遭遇し、行動を共にすることとなります。
あらゆる時代へと舞台を変えながら進む物語は、ギリアム監督の尽きることのないイマジネーションの、まさに結晶と言って良いでしょう。
【8】ターミネーター/ターミネーター2
映画『ターミネーター』、そして『ターミネーター2』こそ、完璧なるSF映画です。
ターミネーター
ストーリーはご存じのとおり。
あのアーノルド・シュワルツェネッガー演じる未来のT-800(モデル101ターミネーター)が、サラ・コナーを抹殺するために1984年のロサンゼルスに送られてきます。
サラ・コナーは、未来において世界の牛耳る脅威の「スカイネット」の敵、ジョン・コナーの母親となる女性なのです。
ジェームス・キャメロン監督により生み出された第1作においては悪役となるシュワルツェネッガーですが、1991年公開の第2作『T2』では一転、ヒーローとして活躍します。
ターミネーター2
いずれも、それぞれ偉大な作品ではありますが、いずれも同様のタイムトラベルの方法(裸の登場人物/ロボットが時空を超えて現れる)が取り入れられているという理由で、2作併せてご紹介します。
【9】プライマー
本作『プライマー』は純前たる「芸術映画」と言えますが、実に緻密につくられた、驚きを禁じ得ない作品です。監督はシェーン・カルース。
例えばスティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックが、あのガレージでアップルを発明する代わりにタイムマシンを発明したとすれば…、というような物語なのです。
アーロンとエイブという2人の若いエンジニアが、タイムマシンの開発に成功します。
しかし、アーロンとエイブの度重なる装置の使用により、タイム・パラドックスによるトラブルが生じ、分身との遭遇に端を発した予期せぬ事態が引き起こされてゆくのです。
派手な作品でも、ハリウッド的大作でもありませんが、驚くほど独創的な作品であり、傑作の仲間入りをさせないわけにはいきません。
【10】バック・トゥー・ザ・フューチャー
最高傑作として、これほどふさわしい作品が他にあるでしょうか?
ロバート・ゼメキス監督の驚くべき情熱と想像力により生み出され、1985年に公開された本作こそ、比類なきタイムトラベル映画と呼ぶべき一作です。
1955年の世界へと逃げ込んだマイケル・J・フォックス演じるマーティー・マクフライは、意図せず歴史を歪めてしまいます。マーティーは科学者のドク・ブラウン(クリストファー・ロイド)の助けを借りて、元通りの歴史を取り戻すため奮闘します。
あらゆるキャストが完璧であり、またどのシーンも記憶に残る素晴らしいものです。加えて、本作に登場するタイムマシンは、SF史上もっとも魅力的なタイムマシンのひとつと言えるでしょう。