[目次]
メンズスキンケアで最も重要なのは、「保湿」と言われています。
保湿には2段階あり、1段階目が化粧水で水分を肌に足していくこと。2段階目が「乳液」によって、水分が逃げないよう肌にヴェールで覆うことになります。
このページでは、乳液を購入する上で知っておきたい基礎知識と選び方を解説。さらにAmazonだけでなく、ドラッグストアでも購入できるおすすめの市販品を紹介します。
現役の医師が記事を監修
今回の記事作成にあたり、よしクリニックの中野貴光院長に、監修協力をお願いしました。
◇PROFILE
よしクリニック / 中野貴光(なかの よしみつ)院長
東京女子医科大学形成外科教室に入局後、20年以上にわたり大学病院や関連病院にて形成外科・美容医療の診療に携わる。
2019年6月、東京都練馬区に形成外科・皮膚科・美容皮膚科・美容外科の医療を提供する「よしクリニック」を開院。 形成外科専門医はもちろん、日本熱傷学会熱傷専門医、日本レーザー医学会レーザー専門医、日本手外科学会手外科専門医、日本形成外科学会小児形成外科分野指導医を取得。
長年培ってきた経験と技術を生かし、地域の人々に信頼され、笑顔になっていただけるクリニックを目指している。
乳液の役割と、化粧水との違いとは?
洗顔後に化粧水で保湿をしたら、その水分を逃さないための蓋(ふた)も必要と言えるでしょう。そこで、その役目を担うのが「乳液」や「保湿クリーム」です。
男性の肌は女性の肌に比べて水分量が少なく、そのぶん油分が多いため、皮脂トラブルが起こりがちです。また、シェービングにより角質層が傷つき、乾燥を引き起こしてしまうことも…。
また、多くの男性にはUVケアの習慣がなく、紫外線対策をしていない人のほうが多いでしょう。そんなわけで、「男性のほうが肌も傷みがち」と考えていいでしょう。なので、厳しい環境下でも平気で過ごしがちな男性の肌こそ、しっかりとした保湿がとても重要となります。さらにはUVケアの必要性も、このタイミングで再確認するといいでしょう。
乳液の使い方
乳液の正しい使い方を知れば、より効果的にスキンケアできます。
乳液の大きな役割は、油分で幕をつくって肌の水分の蒸発を防ぐこと。洗顔で肌の汚れを落とし、化粧水でしっかり保湿をしたらいよいよ乳液の出番です。洗顔後の化粧水→乳液の塗布は、時間を空けずに行うようにしましょう。
製品にもよりますが、乳液の使用量は10円玉くらいの大きさを目安にしておきましょう。手の平に出したら軽く広げていき、体温で乳液を温めてください。そうすることで、「塗りムラを減らすことができる」と言われています。
優しく円を描くように伸ばしていきます。強くこすると肌の刺激になるので、力を入れずに伸ばすのがコツです。テカりやすい人は、Tゾーン(おでこと鼻筋)に塗る量を控えるとよいでしょう。
メンズ向け乳液の選び方
乳液は、肌を保湿するためのものです。まずは成分表を見て、保湿力が高い成分が入った製品を選ぶことをおすすめします。男性の肌はダメージも多く、乾燥しやすい傾向にあります。基本的な性能である「保湿力」の高さにこだわって、選ぶと良いでしょう。
<参考:代表的な高保湿成分>
- ヒアルロン酸
- コラーゲン
- スクワラン
- セラミド
人によって肌質が違うので、肌の悩みもさまざま。乾燥しがちで肌がカサカサになってしまう人と、油分が多くテカりがちな人とではおすすめの乳液も変わってきます。
また、肌がデリケートな方も注意が必要となるでしょう。肌が強い人だと問題ない成分でも、ピリピリとした痛みが起こることがあります。
以下の分類を参考に、自分の肌の悩みに応じたものを選びましょう。
男性はUVケアをする習慣がないことが多く、また、ヒゲ剃りによって肌表面が傷ついていている可能性も大。つまる、肌の水分は不足しがちなのです。それをケアするたにめに、保湿力の高い成分が入っているものを選ぶといいでしょう。
<参考:代表的なセラミド>
- セラミド2、セラミド3(バイオセラミド)
- ユズ果実エキス(植物性セラミド)
- ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド(合成類似セラミド)
肌に刺激を与える可能性のある成分は、極力避けるようにしましょう。また、アルコールに過敏な人も、エタノールが含まれていないか? をチェックすると良いでしょう。
<参考:肌がデリケートな人は、避けたほうがいい場合がある成分>
- 人工香料
- 人工着色料
- メントール
- エタノール
皮脂分泌を抑えてくれる、ビタミンC誘導体が入ったものがおすすめです。
<参考:代表的なビタミンC誘導体>
- リン酸アスコルビルMg
- L-アスコルビン酸2-グルコシド
肌の悩み別・メンズ乳液おすすめ10選
肌が乾燥しやすい人におすすめの乳液
天然のセラミドである「ユズ果実エキス」と、保湿&肌の軟化作用がある「スクワラン」を配合した乳液になります。優れた保湿力でしっとり感が長く続くのにベタベタせず軽い実感を味わえるはずです。さっぱりとした使い心地が好きな人にも、こちらおすすめです。
「バルクオム」は、2013年に事業を開始した男性専用のヘアケア・スキンケアの専門ブランド。インターネット通販を中心に、大型量販店などでも販売されています。グルーミングスペースの雰囲気を壊さないデザインも人気です。
<主な成分>
- ユズ果実エキス(天然セラミド・保湿)
- グリセリン(保湿)
- スクワラン(保湿)
- トレハロース(保湿)
※人工香料使用
肌が乾燥しやすい人におすすめの乳液
「乾燥肌だけど、ベタベタするのは苦手」という人に試していただきたいのが、こちらの乳液です。植物性セラミドの効果で肌がしっとりするのにスーッと肌に馴染み、さっぱりとした使用感を得ることができるでしょう。
さらにシワやたるみへの効果が期待できる「ダイズ種子エキス」や、健康的な肌づくりに効果的とされる「アロエエキス」を配合。エイジングケアのサポートも期待できます。ほのかに香るラ・フランスの香りも好評です。
<主な成分>
- DPG(保湿)
- ユズ果実エキス(=植物性セラミド・保湿)
肌が乾燥しやすい人におすすめの乳液
ドラッグストアで手軽に買えるメンズスキンケアコスメ「ニベアメン」の、エイジングケア要素を取り入れた乳液です。エイジングケアとは年齢に応じたお手入れのこと。肌にハリを与え、乾燥によるシワを目立たなくする効果が期待できます。
使い続けることでメラニンの生成を抑えて、シミができるのを防ぐ効果も期待できます。手頃な価格で続けやすいのも魅力です。
<主な成分>
- グリセリン(保湿)
- BG(保湿)
- 加水分解ヒアルロン酸(保湿)
肌が乾燥しやすい人におすすめの乳液
オーガニック原料にこだわった「ALLNA ORGANIC(オルナ オーガニック)」は、ネット通販を中心に人気上昇中のブランドです。その名のとおり、この乳液には実に23種類ものオーガニック原料が含まれています。
ビタミンCとヒアルロン酸がそれぞれ4種類、さらに3種類のセラミドとコラーゲンが含まれます。乳液とは思えないほど、美容液成分がたっぷり含まれているのが最大の特徴です。シンプルなパッケージも魅力です。
<主な成分>
- グリセリン(保湿)
- スクワラン(保湿)
- ヒアルロン酸(保湿)
- コラーゲン(保湿)
敏感肌&カミソリ負け・肌荒れに悩む人におすすめの乳液
「キュレル」の中でも、特に人気の乳液です。アレルギーテストやパッチテスト済みで、肌に優しい弱酸性に仕上げています。なので、デリケートな肌の人でもトラブルの心配が少なくなります。
肌荒れの改善に効果を期待できる「アラントイン」を有効成分として配合しているほか、保湿成分として「スクワラン」や「人工セラミド」も配合しています。さらに、肌への刺激となる可能性のあるアルコール・人工香料・着色料などは使用していません。敏感肌の方に加え、シェービング後の“しみない乳液”を探している人にもおすすめです。
<主な成分>
- アラントイン
- グリセリン(保湿)
- ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド(保湿)
- スクワラン(保湿)
- BG(保湿)
敏感肌&カミソリ負け・肌荒れに悩む人におすすめの乳液
男女問わず使える、シンプルな乳液です。岩手県釜石の天然水をベースにして、厳選した成分だけで構成されています。香料や着色料、エタノールやパラベンなど、肌に負担をかける可能性を有する成分は使っていません。
購入しやすい値段なので、乳液が初めての人にもおすすめです。大容量なので、家族やパートナーとシェアして使うのにもよいでしょう。さっぱりタイプと高保湿タイプもあるので、季節や肌質に合わせて選べます。
<主な成分>
- グリセリン(保湿)
- スクワラン(保湿)
皮脂が多く、ベタつき・テカりが起こりやすい人におすすめの乳液
ビタミンC誘導体、「L-アスコルビン酸2-グルコシド」を2%含んだ乳液です。ビタミンC誘導体を含むクリームは多く流通していますが、乳液タイプとなると実は貴重な存在です。皮脂分泌を抑制してくれるだけでなく、シミやソバカスを抑える美白成分としても機能します。
保湿成分としてBGを5.19%、グリセリンを3.50%配合。買う方が安心して自身の肌につけられるよう成分の配合量を明記するのは、ちふれの伝統と言えるでしょう。皮脂に悩む方はもちろんですが、成分が明白なので敏感肌で悩んでいる人にもおすすめできます。
<主な成分>
- L-アスコルビン酸2-グルコシド(ビタミンC誘導体・有効成分)
- BG(保湿)
- グリセリン(保湿)
肌が乾燥しやすい人におすすめの乳液
「MARKS & WEB」や「LEAF & BOTANICS」を展開する松山油脂の最もベーシックなブランドが、こちらの「Mマーク」です。肌への負担の少ない成分をシンプルに使い、老若男女問わない良心的な価格のスキンケアコスメを販売しています。
この「アミノ酸保湿ローション」は、肌に備わっている天然保湿因子となじみの良いアミノ酸をメインの保湿成分に使いつつ、保湿力に優れたスクワランなどを配合しています。片手で使えるプッシュボトルは、使いやすくノンストレスです。
<主な成分>
- スクワラン(保湿)
肌が乾燥しやすい人におすすめの乳液
富士フイルムのフィルム製造技術を生かしたコスメ「アスタリフト」シリーズ。フィルム製造に用いるナノテクノロジーが、肌の角質層まで成分を浸透させることにひと役買っています。
使ってわかるのは肌への定着性の良さ。よく伸びて肌になじみ、長時間しっとりと保ちます。コラーゲンやヒアルロン酸、スクワランなどの豊富な保湿成分に加え、抗酸化作用が期待できる「アスタキサンチン」も配合。保湿とエイジングケアを同時に行えます。
<主な成分>
- BG(保湿)
- 水溶性コラーゲン(保湿)
- 加水分解コラーゲン(保湿)
- ヒアルロン酸Na(保湿)
- スクワラン(保湿)
敏感肌&カミソリ負け・肌荒れに悩む人におすすめの乳液
高級メンズスキンケアのパイオニアでもある、アラミスの「LAB SERIES」。愛用者も多く、百貨店でも人気のブランドです。こちらは年齢に応じて変化する、肌のお手入れに主眼を置いたエイジングケアタイプの乳液になります。
保湿成分として、サメやオリーブから抽出される「スクワラン」と「ヒアルロン酸」を贅沢に使用。抗炎症、抗アレルギー作用があることが報告されている成分「グリチルリチン酸2K」も配合されているので、シェービング後の肌のヒリつきを鎮めてくれることも期待できます。また、高級感のあるパッケージも魅力です。
<主な成分>
- グリセリン(保湿)
- スクワラン(保湿)
- ヒアルロン酸Na(保湿)
まとめ
さまざまな乳液・保湿クリームがありますが、最も大切なのは毎日使い続けることです。そして使い続けている間に、肌にトラブルが起こらないことも非常に重要となります。
今回ご紹介した乳液・保湿クリームは、肌トラブルが起こりにくく、しっかり保湿をしてくれるものばかり。まずは最も気になった製品を手にして3カ月間、しっかりと使ってみてはいかがでしょうか。