米現地時間2021年7月12日(月)、米コロラド州デンバーのクアーズ・フィールドでMLB(メジャーリーグ・ベースボール)のホームランダービーが開催されました。今年の目玉は日本が誇るスーパースター、ロサンゼルス・エンゼルス所属の大谷翔平選手の初参戦です。

 このホームランダービーとは、MLBオールスターゲームの関連イベントとして1985年から行われるようになったもので、オールスターゲーム出場者から選抜された選手によってホームランの本数を競うイベントです。基本的にはオールスター前夜祭という役割として、本戦の前日夜に開催されます。

 各ラウンドで、2人のバッターが対戦形式でホームラン数を争います。1回戦、準決勝、決勝と3つのラウンドがあり、合計8人のバッターがチャンピオンの座を狙うというもの。

 今回の参加者は、2020年のチャンピオンであるピーター・アロンゾ選手(ニューヨーク・メッツ)やジョイ・ガロ選手(テキサス・レンジャーズ)、そしてマット・オルソン選手(オークランド・アスレチックス)ら強打者そろい。そして今回、その中に日本人選手として初めて大谷選手も入っています。現在アメリカン・リーグのホームラン王(33本)であるため、優勝候補予想の筆頭に大谷の名前も挙がっていました。

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今回のホームランダービーに参加した選手たち。大谷選手は左から4番目。

大谷選手が1回戦で対戦したのはソト選手

 1回戦で大谷選手が対戦したのは、フアン・ソト選手(ワシントン・ナショナルズ)。今シーズンこれまでのホームラン数は11本と、やや控えめな数字ではあります。が、2018年には25本、そして2019年には34本のホームランを打った中・長距離バッターです。

 まず、最初に打席に立ったのはソト選手。センター方向に放つ綺麗な弾道が印象的であり、3分間で合計22本のホームランを放ちました。

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通訳の水原一平さんと二人三脚でホームランダービーに臨む

 そんなソト選手の活躍を目の当たりにした大谷選手は、苦笑いしているかのような表情でバッターボックスに入ります。バッターボックスの後ろでキャッチャーを務めるのは、大谷選手の通訳を務める水原一平さん。笑顔で会話を行う二人の姿に、ほっこりした野球ファンの方はいたことでしょう。

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大谷選手と雑談する、通訳の水原一平さん(左)。

 そうして大谷選手は、相変わらずのスイングスピードを披露してくれました。ですが、弾道の低いライナー性のヒットを連発…。なかなか私たちが期待するホームランが生まれず、「これは敗退かな…」と思われた矢先に調子を上げます。最後の追い上げを見せ、結果はソト選手と並ぶ22本のホームランを放ちました。

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延長戦に突入した大谷選手が
普段なかなか見せない表情を披露

 両選手のホームラン数が同じとなると、延長戦にもつれ込むルールとなっています。延長戦に入る前の大谷選手の様子は緊張疲れしたのでしょうか、普段見せない表情を多くのファンに見せることとなります。

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緊張疲れのためか、少し疲れた表情を見せる大谷選手。

 延長戦ではソト選手が先行となり、1分間で6ホームランを放ちます。またしても後攻となった大谷選手は、なかなかのプレッシャーであったに違いありません。ですが、ここでも最後の追い上げもあり、またもや同点となります。さすがにこの結果については、大谷選手もソト選手も苦笑いで会話を交わすことになります。

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対戦相手のソト選手と笑顔でハイタッチを交わす大谷選手。

再延長戦にまでもつれこんだ
1回戦の結果は?

 再延長戦では、「3スイング中何本のホームランを飛ばせるのか」というルールになります。またしても先にバッターボックスに入ったのはソト選手。ボールを見極めながら、なんと3球中3球を全てホームランという驚きの結果となります。

 1本足りとも凡打が許されなくなってしまった大谷選手は、通訳の水原さんと一緒にバッターボックスへ向かいます。ピッチャーが投げた1球目のボールを大谷選手は捉えはするものの、惜しくも凡打に…。ここで大谷選手の敗戦が決定しました。最終的な数字は、ソト選手が22+6+3=31本で大谷選手が22+6+0=28本です。

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苦笑いで敗戦を認める、大谷選手。

 再延長戦までもつれ込んだこともあり、疲れた表情を見せた大谷選手。しかしながら、他球団の選手たちがハイタッチしながら声をかけると笑顔で対応。そんな大谷選手はマスコミに対して、「1日にあれほどバットを振ることはないので。(ホームランダービーだけで)あれだけ(観客が)入ることは日本ではないですし、こうやって1日かけてやるということはないですけど、なかなかできる経験ではないので、すごく楽しかったです」と、充実していたことを明らかにしました。

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メジャーリーグを代表するチームメートたちから、「お疲れさま」のハイタッチとハグを受ける大谷選手。

ホームランダービーを制したのは、
昨年に引き続きピーター・アロンゾ選手

 ホームランダービーの決勝戦は、昨年の王者ピーター・アロンゾ選手(ニューヨーク・メッツ)とトレイ・マンチーニ選手(ボルティモア・オリオールズ)の二人で行われました。結果は、16対13でアロンゾ選手が勝ち、2連覇を果たしました。

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ホームランダービーを制したのは、ピーター・アロンゾ選手。2020年に続いて、2連覇達成となりました。

 世界最高峰のメジャーリーグでホームランダービーに参加できたことは、大谷選手にとってこの上ない貴重な経験となり、今後のキャリアの前進に大いなる肥やしとなるでしょう。

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

 2021年7月13日(米国時間)に行われるオールスターゲームでは、大谷選手はアメリカン・リーグの先発投手を務めながら、1番DH(指名打者)としてスターティングオーダーに名を連ねます。ぜひ、オールスターゲームも応援しましょう。