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DAVID RAMOS - FIFA/FIFA VIA GETTY IMAGES

3-2。

カタールワールドカップ(W杯)大会9日目。グループHの韓国対ガーナは、手に汗握る一戦でした。「サッカーの好ゲームは、3-2であることが多い」とはよく言われますが、まさにその見立てどおり。白熱した試合展開となりました(結果は3-2でガーナの勝利)。まるでノーガードの殴り合いのような展開となった後半は、サッカーのスペクタクルな魅力が詰まっていました。

ガーナの選手たちは身体が大きいうえに動きが速く、ボール扱いも巧み。パス回しも美しく、以前のアフリカのチームによく見られたような身体能力任せのサッカーではありませんでした。時間帯によってはプレーにムラがあったのも事実ですが、逆にそのおおらかな感じ、人間らしさに好感を覚えます。

対する韓国は、ここ一番の好機を捉え、決めるべきところでしっかりと決める。一気呵成(いっきかせい)に畳みかける集中力とその迫力は圧巻でした。「日本よりも、韓国のほうが厳しいグループに入ってしまったのでは?」というのはグループ抽選後の個人的な感想でしたが、その中でしっかりと戦えている韓国のタフさは、賞賛に値するでしょう。

「ということで、今日の一枚は白熱の好ゲームから…」と行くのではなく、試合開始前の1枚を選びました。自国の勝利を願って民族楽器で声援を捧げるガーナのサポーターたちではありません。試合前に、歌と演奏で盛り上がるガーナ代表の選手たちです。本能が赴くままに音楽に身を委ねる彼らの姿は、まるで「W杯をシリアスに捉え過ぎるのは止めて、4年に一度の夢の祭典を楽しもうぜ」と語っているかのよう。そのおおらかな姿が妙に眩しく映ります。

ちなみにこの日、ブラジルとポルトガルも決勝トーナメント進出を決めました。ここからは各グループが最終戦を戦います。決勝トーナメントに進むのは果たしてどの国となるのか。予選リーグは今まさに佳境を迎えています。