David Ramos - FIFA/FIFA via Getty Images

早熟と遅咲き。

FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会15日目。この日登場した前回大会優勝のフランスは、ラウンド16でポーランドと対戦。ケガのために主力3名がW杯代表メンバーから外れるなど苦戦も予想されたフランス代表ですが、エースストライカーのキリアン・エムバペの2得点と、オリビエ・ジルーのゴールによってポーランドを3-1で撃破。順当に準々決勝へと駒を進めました。ポーランドの1点はロベルト・レヴァンドフスキのPKによるものでした。ちなみにこの日のゴールでエムパべは、大会5点目で現時点での得点ランク首位に立ち、ジルーはフランス代表の歴代最多得点者(52点)となりました。

この日のゴールで大会3得点目を挙げたジルーですが、大会直前に離脱したカリム・ベンゼマの抜けた穴を十分に補っていると言ってよいでしょう。ジルーは1986年9月生まれの36歳で、フランス代表入りは2010年。代表初ゴールは2012年でした。このときすでに25歳5カ月。決して早熟ではありませんが、安定して代表に召集されコンスタントに結果を残してきました。

遅咲きとも呼べるジルーと相性の良さを見せるのが、絶対的エースのエムバペです。この日もジルーの得点をアシストするばかりか、自らも2ゴールを挙げて全得点に絡む活躍でした。ジルーとは対照的に、エムバペは早熟の天才。19歳で出場した前回のロシアW杯大会でも4得点を挙げ、決勝ではペレ以来となる10代でのゴールも決めています。正反対のキャリアをたどる2人が牽引するフランス。盤石の態勢で臨む次戦の準々決勝では、この日セネガルに快勝したイングランドとの対戦です。大一番に向けて、役者はそろいつつあります。