Justin Setterfield/Getty Images

モロッコの砦。

FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会は、はやくも大会19日目。準々決勝が行われ、フランスがイングランドを、モロッコがポルトガルを破り、それぞれ準決勝進出を決めました。

この日の驚きは何と言っても、モロッコでしょう。前の試合でスイスを6-1という大差で退けて波に乗るポルトガル攻撃陣をシャットアウト。美しい放物線が描かれた左サイドからのクロスボールに打点の高いヘッドで決めたモロッコの先制点は、大会ベストゴールの一つに数え上げられるでしょう。少なくとも「ポルトガル優勢」と見られていた戦前の予想を覆すには、十分なほどに鮮やかでダイナミックな一撃でした。

今大会におけるモロッコの躍進をフロック(まぐれ)だとする人は、もうほぼいないでしょう。「4-1-4-1」のフォーメーションで磨き上げた鉄壁の守りは今大会でも最高レベルにあり、準決勝に勝ち上がるまでに許した失点はわずか1。球際の激しさと、ボール奪取後の迷いのない攻撃も含めてモロッコの堅守は、一見の価値アリです。

さて次は、フランスとの準決勝に臨みます。サッカースタイルは正反対。モロッコが築き上げる不落の砦を、フランスの強力な攻撃陣が陥落させるのか。それとも、モロッコが間隙(かんげき)を突いて、フランスW杯連覇の前に立ちはだかるのか。志向するサッカーが鮮明に色分けされた矛と盾の対決、楽しみは尽きません。

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 thumnail
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