2020年度の日本カー・オブ・ザ・イヤーで、最終選考会に進む上位10台の「10ベストカー」にもノミネートされたランドローバー「ディフェンダー」。英国が誇る気品と男心をくすぐる力強さを併せ持ったこの四輪駆動車が、オフロードでタフな走りを見せてくれることはすでに有名です。
よりソフトなユニボディ(骨組みを持たず、外板とフレームを一体化して設計されたクルマのボディのこと)を採用していますが、ラリーステージで悪路をもろともせずに爆走している映像を観ても、そのボディの屈強性は明らか…と言えるでしょう。
ですが、その想像をさらに超えて…万が一のクラッシュ時の衝撃への対応力も、また特筆すべきレベルにあります。
ヨーロッパの新車アセスメントプログラム(ユーロNCAP:New Car Assessment Programme)が公開した新しいビデオが、それを裏づける力強い証拠となります。その動画では、「ディフェンダー110」がフロントとサイドから衝突テストを受けている様子が映し出されているのです。
完全性を確保するために、パッセンジャーセル(車内空間を囲む基本骨格のこと)の周りがクシャクシャに壊れていく様子がわかります。ポール衝突試験(一定の速度で走らせたクルマを、電柱になぞらえたポールに衝突させて、ドアが外れないかどうかなどを確かめる試験)においても、「ディフェンダー110」は高い対応能力を発揮。成人および子ども乗員保護性能評価で、85パーセンタイル(※)のスコアを獲得しています。
(※):パーセンタイルとは、全体における自分の位置を測定する単位のこと。例えば計測値が100ある場合、5パーセンタイルは小さい数字から数えて5番目。50パーセンタイルであれば小さい数字から数えて50番目に位置します。
やや大き目でゴツいフロントエンドのせいで、歩行者への衝撃保護性能はやや劣ります。それでも、71パーセンタイルのスコアを獲得しており、重厚感のあるマッシブSUVとしては、悪くない数値と言えるでしょう。そして何より、最も印象的なのは、自律型緊急ブレーキ(自動的に減速・停止するブレーキ)とアクティブセーフティーテストです。
「ディフェンダー110」は、同じ進行方向に進む歩行者や、他のクルマの陰から急に飛び出してくる歩行者を検知し、衝突を回避する様子が映し出されています。また、自転車や他のクルマも何事もなく避けていきます。
これらの機能により、ユーロNCAPの厳しい安全性評価においても、「ディフェンダー110」は最高評価となる5つ星を獲得しているわけです。名前に嘘偽りなく、搭乗者をしっかりと守ってくれる「ディフェンダー」。今回、安全性最高評価を受けたのは「ディフェンダー110」ですが、より短いボディの「ディフェンダー90」も展開されています。価格帯は「110」が619万円(消費税込み)~、「90」が529万円(消費税込み)~となっています。
Source / Road & Track
Translate / Esquire JP
※この翻訳は抄訳です