【 INDEX 】

パワフルで分厚い胸板を手に入れたければ、鍛えるべきは胸上部です。ここを鍛えることさえできれば、スーパーヒーローのようなプロポーションが生まれ、Tシャツから透けるパワフルで力強い胸と肩が得られることは間違いないでしょう。

ジム通いをしているという人であれば、傾斜型のトレーニングベンチを正しく十分に活用することで、胸の上部の厚みを生み出すことができるでしょう。しかし、まだまだジムに通うことを躊躇(ちゅうちょ)している人も少なくないのではないしょうか。しかしながら、それでも夏はやってきます。

このお披露目の時期に向けた筋力アップは、ジムばかりでなく自宅だって可能な筋トレなのです。

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今回の記事作成にあたり、プロトレーナーで「メンズヘルス」のフィットネスディレクターであるエベニーザ・サミュエル(以下、Eb)に、道具を必要としない効果的な胸筋の鍛え方をご紹介いただきました。  

「タイム・アンダー・テンション(TUT)」とは何か?

まずは基礎知識のおさらいからです。「タイム・アンダー・テンション(Time Under Tension)」とは、一般的にTUTと略され使われています。筋肉を緊張状態下に置く時間の長さのことを指します。つまり、筋肉に常に力をかけ続けている状態のことです。

筋肉の緊張状態の時間が長いと筋肥大に効果的

「タイム・アンダー・テンション(TUT)」のやり方としては、主に2種あります。

【1】時間を設定し、その時間内で動作をやめずに行うやり方

例えば1セットあたり40〜60秒かけて、筋肉の緊張状態を保ちながらそのあいだトレーニングを行いましょう。そうすることで機械的張力を高め筋肥大につながると、一般的に言われています。

【2】テンポに重点を置いたやり方

筋トレ動作の下ろす段階に、筋肉の収縮の局面をゆっくりと時間をかけて行う方法です。

TUTトレーニング、3つの重要ポイント

  • ウエイトを下ろす動作はゆっくりと行いましょう。
  • ウエイトは軽めに設定
  • 反動(チーティング法=反動を使うことで、限界まで筋肉を追い込む筋トレ方法)はNG!!

それでは、これまで上記した「タイム・アンダー・テンション(TUT)」の知識をふまえて、分厚い胸板をつくり出すトレーニングを試してみましょう。

「インクライン プッシュアップ」×「アーチャー プッシュアップ」を融合したキツイ筋トレ

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Courtesy of Men's Health US

「『インクライン・アーチャー・プッシュアップ・ヘルセット(Incline Archer Pushup Hellset)』こそ、厚い胸板を手にできる最強のトレーニングなのです」と、Ebが新たなトレーニング方法を紹介してくれます。

・「インクライン(Incline )」とは「傾斜を増した」という意味で、「ヘルセット(Hellset)」とは「地獄メニュー」という意味です。
 
・「アーチャープッシュアップ」とは、「アーチャー(Archer)」つまり「弓を射る」イメージの腕立て伏せ(プッシュアップ)です。

まずは、胸の上部に徹底的に負荷をかけてゆくところから始めましょう。大きな負荷をかけることが、厚い胸板をつくる秘訣なのです。「インクライン・アーチャー・プッシュアップ・ヘルセット」の効果を最大化する鍵は、まずはこのトレーニングの特性を理解することです。

「アーチャー・プッシュアップ」に関するアドバイス

「アーチャー・プッシュアップ」においては、左右どちらか片側の肩および胸に、自重(ボディウエイト)の負荷が加わることになります。それこそが通常の腕立て伏せと異なる主な点で、だからこそ胸筋に効くのです。

平らな床で行うことさえ、かなりキツいトレーニングですが、そこにベンチやバランスボール、椅子などを用いて足を高い位置にセットすることによって、腕立て伏せの効果も変化させれ行います。

「左右いずれかの上腕を開くカタチで行なう腕立て伏せですが、これが胸筋を鍛えるのに効果的なのです」とEb。

「インクライン・プッシュアップ」に関するアドバイス

この「インクライン・プッシュアップ」に対し、さらに「ポーズ(静止時間)」を加えることで、より一層の負荷のかかるチャレンジが可能です。“デッド・ストップ(完全静止)”状態からのプレスは、かなり過酷なものとなるでしょう。

「慣性で動けば良いというものではありません。なので、この静止状態が必要となるのです。レップ毎に目標とする地点まで上体を下げられているかをその都度確認するためにも、この静止が役立ちます。プッシュアップにおいては、ごまかしながら回数をこなすことも可能となります。難易度の高いプッシュアップにおいても、それは避けなければなりません。静止した状態を挟むことで、正しいフォームを確認しながら行うことができるのです」。

少なめな回数でOK

普段、行う「腕立て伏せ(プッシュアップ)」よりも、やや少なめな回数を設定して行ってみてください。それでも過酷なエクササイズです。とは言え、少ない回数では物足りないと感じる人は、『ダブル・エクスプロード・プッシュアップ』などをメニューに加えてみることをおすすめします。

さあ、やり方が分かったら、いつでもどこでも自宅でもお試しください。胸筋を鍛え、分厚い胸板を生み出すための最高のエクササイズですので。

【動画で流れを解説】効果的な鍛え方

preview for Eb and Swole: Incline Archer Pushup Hellset
  • ベンチやバランスボール、椅子などに足をのせた状態で、通常の腕立て伏せの姿勢をとります。両腕は普通に開き、指も開いた状態です。体幹を引き締め、大臀筋に力を込めます。
  • 左腕をまっすぐ伸ばしたまま、右肘(ひじ)、右肩を曲げていきます。そうして上体の下がった姿勢から、再び身体を持ち上げるのが「アーチャー・プッシュアップ」です。
  • 床から3cmほどの高さまで上体を下げたところで、いったん静止状態をつくります。そこから身体を持ち上げます。これで1レップ。6~8回行いましょう。
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    傾斜をつけた腕立て伏せ「インクライン・プッシュアップ」Courtesy of Men's Health US
  • 「アーチャー・プッシュアップ」が終わったら、「通常の腕立て伏せ」を行います。そして台に上げていた両足を地面に下ろします。上体を下げ、床から3cmほどの高さでいったん静止上体。それから両腕の力で上体を跳ね上げます。これを4~6レップ行ってください。
  • 30秒間の休憩を挟みながら、上記を3セット、左右を入れ替えながら行いましょう。キツイですよ。

注意点・アドバイス

上記の筋トレは、「いかようにも活用が可能だ」とEbは言います。「一般的な胸筋のトレーニングとしても有効ですし、ボディウエイト(自重)を用いた更に高度なトレーニングに組み入れても良いでしょう。全身トレーニングの一環としても、効果を発揮します」。そこで重用なのは、正しい筋トレ方法を守ることとなります。

まとめ

体幹と大臀筋を固く引き締め、絶対に緩めないように気をつけましょう。

「通常の腕立て伏せよりも傾斜した姿勢で行う腕立て伏せのほうが、体幹などを緩めてしまいがちなのです。緩めてしまえば、胸筋への効果も損なわれます。片から爪先までまっすぐな姿勢を保ち、それを数レップ毎に意志的に確認してください」。この燃焼力には、感動とともに感謝したくなるはずです。

これはpollの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

Source / Men's Health US
Translation / Kazuki Kimura
※この翻訳は抄訳です。