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本気のウェイトトレーニング、「オリンピック・リフティング」の初心者向け入門書

「オリンピック・リフト」習得のための、各種トレーニングをご紹介します。

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 「ボディウエイト・タバタ式トレーニング」、「バーピートレーニング」、「HIIT(高強度インターバル)トレーニング」などなど…、どれもとてもやりがいのあるトレーニングと言えるでしょう。しかし、ジム通いをしているうちに、「オリンピック・リフティングに興味が湧いた…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 パワークリーン・アンド・ジャーク、そしてバーベルスナッチなど肉体を強化し、爆発的なパワーと本物の筋力を獲得するために役立つのみならず、見た目にも実にクールなトレーニングですから当然です。

 しかしながら、技術的難易度も極めて高いトレーニングです。どのように着手すべきか分からず、お困りの方も少なくないことでしょう。これまでどのようなフィットネットクラスを受講してきり、トレーナーの教えてもらったにせよ、身体の可動域や整合性など、オリンピック・リフティングを難なくこなすに足るだけの準備ができているという人もまた、多くはないはずです。オリンピック・リフティングで失敗してしまえば、怪我などの不調に悩まされる結果につながりかねません…このトレーニングには、いつも以上に注意して取り組む必要があるのです。

◇では皆さん、慎重を期して臨んでください。

 まずは、オリンピック・リフトに適した準備運動4~6レップを3~4セットを行うべく、次のムーブメントをマスターしてゆきましょう。

 あなたが実践を目指すトレーニングのために必要な自信やゆとり、そして力強さを段階的に増幅させるためにも役立ちますし、最も過酷なオリンピック・リフトをマスターするために、「自分には一体何が欠けているのか?」という問題点も洗い出すこともできますので…。

 なによりも、爆発的な瞬発力、パワーと筋力を得るための方法として最適なメニューなのです。しかしながら、あなた自身がどのようなゴールを設定しているかによります。「別に、古典的なオリンピック・リフト習得まで到達する必要はないでしょう…」という方もいるかと思いますが、何かのヒントになるはずです。ぜひ、ご覧ください。

◆オリンピック・リフティングとは?

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 オリンピック・リフティングとは、身体能力を求められるトレーニングであり、また典型的なウエイトリフティングや一般的なグループトレーニングとは、様々な面で異なるものです。

 次に挙げるルールを心がけ、オリンピック・トレーニングを習得しましょう。安全にも十分に注意することも忘れずに…。

【1】
オリンピック・リフトを行うのは、週3度までにしましょう。毎日のトレーニングに適したトレーニングではありません。体を十分に休ませながら取り込んでください。

【2】一般的なウエイト・トレーニングに対する補助的なものとして、オリンピック・リフトをトレーニングを組み込むようにしましょう。基礎となる高い身体能力を求められるのがオリンピック・リフトです。例えばミリタリー・プレス、スクワット、デッドリフトといった、ジムにおける基本的なトレーニングをまずマスターしてから取り組むようにしてください。

【3】背筋を十分に鍛えましょう。強靭な背筋により、オリンピック・リフトを行う際の肩の安全が向上しますし、他にも役立つ効果を期待できます。クリーンやスナッチを行うには、ウエイトを引き上げるための大きな筋力が必要となります。プルアップ、ラットプルダウン、ローイング運動などを行うことで、オリンピック・リフトに必要な体幹を鍛えることが可能です。

【4】
可動域を広げるトレーニングにも、きちんと時間を当てましょう。オリンピック・リフトは、筋力とパワーのみに頼るものではありません。柔軟性と可動性が大きく求められるのです。例えばベンチプレスばかりを行い、ストレッチをあまり行わないという人は、胸筋の柔軟性を欠いてしまうが故に、クリーン・オーバーヘッド・ポジションをつかむまでに時間を要するかもしれません。毎週のトレーニング・メニューにフォームローラーによるトレーニングやストレッチを組み込むようにし、胸筋、ハムストリング、殿筋、ふくらはぎの柔軟性を高めるように心がけましょう。

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◆ザ・バーベル・パワークリーン

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Power CLEAN / Olympic weightlifting
Power CLEAN / Olympic weightlifting thumnail
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《チャレンジ》
クリーン・アンド・ジャーク(ウエイトリフティング競技種目の一つ)は夏季オリンピックおいても、もっとも古典的な重量挙げ競技のひとつであり、特に「クリーン」については、スタンダードなトレーニングとしてもゆるぎない地位を獲得しています。

 そしてクリーンでは、ファースト・プル、セカンド・プル、サード・プルと3種類のプル、つまり“引く”という動作が行われます。

 床にあるバーベルをまずは持ち上げ、それを肩の高さまで引き上げます。そして、若干のスクワットを交えつつ、直立姿勢を目指します。肩、手頸、上部背筋の柔軟性が必要であり、バーベルを身体の真上まで持ちあげるためには、バランスとタイミングも求められます。

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《やり方》ザ・バーベル・パワークリーン

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Boyce Hang Power Clean 225x5
Boyce Hang Power Clean 225x5 thumnail
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まずは、バーベルを床に置かずに始めましょう。あらかじめ手に持ったバーベルを、腰の高さで支えたポジションから行うハングクリーンから始めてみるのです。ザ・バーベル・パワークリーンの一連の動作の中で、最も注意の必要な第2段階目の動きに集中することが可能になります。

 パワークリーンには、2段階のプルの動作が求められます。床にあるバーベルをまず持ちあげるファースト・プル、腰の位置まで引き上げたバーベルを可能な限りの高さまで持ちあげ、直立姿勢をおこなうセカンド・プルになります。

  技術的難易度の高いセカンド・プルは、ハングクリーンを行うことにより、集中的にその動作を身につけることができます。またこの方法は、下部背筋のオーバーワークを避けるためにも有効です。

 ハングクリーンを行うためには、まずはバーベルを腰の高さに持ちあげ、若干の前傾姿勢をとります。ですが、バーベルが太腿(ふともも)よりも下にくるほど腰を曲げてしまってはいけません。腰を前方に押し出す要領で、若干跳ね上がるようなイメージで、瞬時に爆発的な力を込めてバーベルを持ちあげましょう。

 そして、ウエイトをできるだけ高く持ちあげた状態で、こころもち膝を曲げ体制を整えます。両肩のうえにウエイトの位置が定まったところで、直立します。

 基本的にはデッドリフトと同じであるファースト・プルについては、後回にしておきましょう。ハングクリーンの利点とは、パワークリーンを行う場合と比べて、軽量のウエイトで行えることであり、トレーニングの際の負傷のリスクを低く抑えられるのです。

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【動画】座った体制でのダンベル・ハングクリーン

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Lee Boyce DB Power Clean
Lee Boyce DB Power Clean thumnail
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 腰の使いほうを身につけることが、パワークリーン習得のためのもうひとつの鍵となります。そのため、座った体制でのダンベル・ハングクリーンを行うと良いでしょう。

 ベンチの端に腰をおろし、中重量のダンベルを両手に持ちます。やや前屈姿勢をとり、背筋はピンと伸ばします。その体制から状態を垂直に戻す際に、その力を利用してダンベルを持ちあげます。ダンベルカールとは、異なる動きであることを忘れないようにしましょう。

 両腕をロープのように使うのです。腰の動きを活かして、ダンベルを肩の高さまで持ちあげます。

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◆ザ・ジャーク

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Barbell Jerk - How To
Barbell Jerk - How To thumnail
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《チャレンジ》
 
クリーン・アンド・ジャークの仕上げとなるのが、このジャークです。夏季オリンピックにおいて、最も目立つウエイトリフティングのムーブ(動作)ではないでしょうか。

 肩の上まで持ちあげてクリーンな状態にしたウエイトを、今度は頭上に押し上げるものです。ミリタリープレスにも似ていますが、異なります。肩と上腕三頭筋だけで行うのではなく、全身を連動させることでウエイトを持ちあげます。

 まず両膝を折り曲げ、力を爆発させて飛び上がると同時に、肩に乗ったバーベルを持ちあげるのです。

 両足を前後に開いた体制を作り、上体を低く下げ、そこから一気にバーベルを頭上に押しあげ、両肘をしっかりとまっすぐに固定するのです。直立した姿勢がフィニッシュの状態です。

 過去に肩のケガを経験しているような人にとって、もしくは背筋の強化や安定を行う機会に乏しいデスクワークを行う人にとっては、この一連の動作はかなりチャレンジングなものになるでしょう。

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《やり方》ザ・ジャーク

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Lee Boyce Single Arm DB Split Jerk
Lee Boyce Single Arm  DB Split Jerk thumnail
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ダンベルを用いて、シングルアーム・スプリットジャークを試してみましょう。

 スタンダードなジャークを行うのと同様に、肩の筋力と瞬発力を鍛えるのに役立ちますが、ダンベルを用いるので負担が軽く、まだ十分に肩を鍛え上げていない人にも取り組めるトレーニングです。

 スプリットジャークを行う際は、まずは立った姿勢でやってみましょう。

 両足を腰の幅ほどやや開いた状態で立ち、片手にダンベルを持ち、肩の高さで支えます。もう一方の腕は、バランスを取るのに使いましょう。ハーフスクワットよりもやや抑え目に、膝を曲げて上体を下げてゆきます。そして、爆発的な瞬発力で上体を持ちあげるのです(実際に地面を蹴って飛び跳ねても構いません)。その勢いを使い、ダンベルを高々と押しあげます。

 その際、片方の足を前に出して、両足を前後にスプリットしましょう。体重はその前方の足に、より多く乗せるようにしてください。

 ウエイトを頭上に掲げたまま、最初の体制へと戻ります。そしてゆっくりと、ウエイトを下ろします。4~6レップ、繰り返して行います。1回ごとに前後の足を入れ替えることも忘れずに。

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◆ザ・バーベルスナッチ

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Barbell Snatch (Olympic Weightlifting)
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《チャレンジ》
 
ウエイトトレーニングの中でも、バーベルスナッチこそ最も運動競技然としたムーブメントを求められるものではないでしょうか。

 一流れの動作の中で、床の位置から頭上まで一息にバーベルを持ちあげ切るのが目標です。肩の可動域の広さ、瞬発力と強力さを兼ね揃えた両脚、そして体幹の力強さも多分に求められます。

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《やり方》ザ・バーベルスナッチ

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Lee Boyce Tall Kneeling BB Snatch
Lee Boyce Tall Kneeling BB Snatch thumnail
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 パワークリーンの場合と同様に、バーベルを持ちあげる距離を短縮することにより、スナッチを手早く習得することが可能です。早速、トール・ニーリング・ポジション(膝立ち)の体制をとり、太腿を地面に垂直に立てて上体を支え、軽量のウエイトを装備したバーベルをつかみます(ダンベルで代用することも可能です)。

 腰の瞬発力を活かし、バーベルを頭上まで持ちあげるのが目標です。バーベルを持ちあげ切ったら、背筋を引き締めます。

 オリンピック・リフトで鍛えたいのは、爆発的な瞬発力です。なので、筋力のみに頼らないということを忘れないようにしましょう。

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スナッチステップを試すのも効果的でしょう。

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Lee Boyce BB Snatch Step
Lee Boyce BB Snatch Step thumnail
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 これは、重いウエイトを持ち上あげるのに適したムーブとは言えません。ですが、バーベルスナッチを行うのと同様の効果を期待することができます。

 踏み台を前に立ち、ワイドグリップで持ったバーベルを腰の高さで支えます。腰を前方に勢いよく突き出すと同時に、その力を利用してバーベルを持ちあげるのです。

 踏み台に乗せるのは利き足です。頭上に掲げた両腕を窓枠に見立て、そこから頭と胸を外に出すようなイメージで行ってください。

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Source / Men’s Health
Translation / Kazuki Kimura
※この翻訳は抄訳です。

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