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◇タンパク質摂取が減量につながる理由は? 管理栄養士が解説
減量の第一段階は、ダイエット方法について考え直すことです。
「体重を減らすというのは、要はエネルギーバランスの問題――つまり、食べる以上のカロリーを継続的に燃焼しなければならないということを意味しています。高タンパク質食品はエネルギーバランス方程式(蓄積量 = 流入量-流出量)の、右側の引くほうの数値と左側の引かれる側の数値、その両方の調整に役に立ってくれるのです」と語るのは、管理栄養士で米国ミズーリ州セントルイスでジムを経営しているキム・ヤウィッツさんです。つまり、「ダイエット成功への道筋が実にイメージしやすい栄養素」であり、さらに「成功のカギを握る栄養素」であると言えるのです。
「まず第一に、高タンパク質食品は短期的にも長期的にも代謝を高めるのに役立ちます」、ということ。さらにヤウィッツさんは、「タンパク質を多く含む肉を食べると、一時的にカロリーの燃焼が高まる」とも付け加えています。それはなぜかと言えば、「脂肪や炭水化物に比べ、タンパク質を消化・代謝するためには、身体はより強く働かなければならないからなのです」というごく単純な理由からです。
◇タンパク質を摂るメリット
「長期的には、より多くの高タンパク質を含む食品を摂取することは、カロリー不足の際に筋肉の減少を防いでくれるのにも役立ちます。そして減量をしているときでも代謝がいいので、(適度ではありますが…)比較的多くのカロリーを摂取することも可能となります」と、ヤウィッツさんは説明します。
おまけに高タンパク質食品は特に(パン、パスタ、お米などの)高炭水化物食品と比べると、「高い満腹感が得られる」とヤウィッツさんは言います。「つまり減量を行っている際には、食事や間食でより多くのタンパク質を摂ることこそが不必要に摂取カロリーを増やさないコツとなります」と、さらに続けて教えてくれました。
◇筋肉量を維持したままの減量
ダイエット中の筋肉量を維持するため、最初のうちは食事で体重約0.5kg(1ポンド)あたり、1日に0.8~1gのタンパク質を摂ることをヤウィッツさんは推奨しています。
例えば体重が約68kg(150ポンド)の人であれば、1日に120~150gということになります。
「全体のカロリー摂取量が多くなりすぎれば、例えそれが高タンパク質食品から摂取したものであっても、体重が増えることは覚悟してください。特に通常よりもかなり多くのタンパク質を摂取している場合には、炭水化物と脂肪の摂取量を減らす必要があることも考慮すべきでしょう」と、ヤウィッツさんは言います。
◇日本人の1日あたりにおけるタンパク質摂取の推奨量
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、18~64歳(男性・女性)で身体活動レベルが普通の人のタンパク質推奨摂取量を、次のように記しています。
《男性の場合》
- 18~29歳:タンパク質摂取推進量86~133g / 日
- 30~49歳:タンパク質摂取推進量88~135g / 日
- 50~64歳:タンパク質摂取推進量91~130g / 日
《女性の場合》
- 18~29歳:タンパク質摂取推進量65~100g / 日
- 30~49歳:タンパク質摂取推進量67~103g / 日
- 50~64歳:タンパク質摂取推進量68~98g / 日
◇タンパク質摂取と水分補給の重要性
もうひとつ、タンパク質の摂取量を増やすときに忘れてはならないのは、水をたくさん飲むということです。
「ある小規模の研究において、高タンパク質の食事を摂ったアスリートはタンパク質の摂取量がそれより少なかった人よりも、脱水状態になりやすかったことが示されていました。この研究では、アスリートの尿が脱水症状の兆候を示していても、アスリートは喉の渇きを感じていなかったことも示唆しています」。
そしてヤウィッツさんは、例え喉が渇いていなくても、1日を通じて水を飲むことが気分よく活動することに役立ち、さらに「それが減量の努力を後押ししてくれるかもしれません」と付け加えています。
それでは、そんな減量に役立つ16の高タンパク質食品をご紹介しましょう。
【1】ティラピア|ダイエットに役立つタンパク質が多い食品
日本人の食卓には、なじみの薄い食材ではありますが、日本と意外な巡り合わせもあります。
タイ王国のラーマ9世が、魚類専門家でもあった(皇太子時代の)上皇陛下に相談されたところ、「成長が早くてタンパク質が豊富なナイル川出身の“ティラピア”という川魚がいいのでは」と教え、上皇陛下から稚魚が国王陛下に贈られたという過去があります。そう、ティラピアは明仁天皇も認める、タンパク質豊富な魚なのです。関連記事:駐日タイ王国大使にインタビュー
さて、管理栄養士のヤウィッツさんは、「私は冷凍庫にティラピアをストックしています。約113gで約30gのタンパク質を摂ることができ、カロリーも低く抑えることができます」と言います。ティラピアであろうとマグロやイワシ、アンチョビ、あるいはその他の種類であろうと、「魚は非常に食べごたえがあって、カロリーを抑えるにはうってつけの選択です」。
【2】サーモン|ダイエットに役立つタンパク質が多い食品
「これは、私のお気に入りのタンパク源なんです。調理したサーモン約85gで上質のタンパク質を約19g摂ることができる上に、EPA、DHA、オメガ3も含まれています」と語るのは、コネチカット州スタンフォードで野菜をベースにした包括的な指導を行っている管理栄養士のエイミー・ゴリンさん。
「これらの健康にいい脂肪は、心臓の健康にいいだけでなく満腹感を持続させるのにも役立ちます」とも言います。
【3】ピスタチオ|ダイエットに役立つタンパク質が多い食品
ピスタチオは、管理栄養士ゴリンさんがおすすめするお気に入りの植物性食品のひとつです。
「なぜなら、これに含まれているのは完全タンパク質だからです。つまり、体内でつくることのできない9種類の必須アミノ酸がすべて含まれているのです」とゴリンさん。また、「ピスタチオが最もタンパク質を多く含むナッツ類のひとつです」と、気に入っているようです。
彼女によると、「ピスタチオ1/4カップで約8gのタンパク質を摂ることができて、さらにタンパク質、食物繊維、身体にいい(上質な)脂肪という、満腹感を長続きさせて体重管理を助けてくれるのです」とのこと。つまり、大事な要素が3つも含まれているわけです。
【4】サバ|ダイエットに役立つタンパク質が多い食品
体重を減らしたい人にぴったりの高タンパク質食品という点では、こちらもうってつけの魚です。
「サバはタンパク質が豊富で、1切れあたり約33gのタンパク質が含まれています」と言うのは、理学修士で管理栄養士のカイリー・イヴァニールさん。「タンパク質は満腹感に関連するホルモンのコレシストキニン(CKK)を増やしてくれます」とも言います。
【5】低脂肪カッテージチーズ|ダイエットに役立つタンパク質が多い食品
「わずか1/2カップの低脂肪カッテージチーズで、腹持ちのいいタンパク質を14gほど摂ることができます。ちょっとした間食をしたいときは1/2カップだけ食べてもいいですし、あるいは倍の量の果物や生野菜を加えて、手軽な食事にすることもできますよ」と、ヤウィッツさんは言います。
【6】卵白|ダイエットに役立つタンパク質が多い食品
卵白が、体重管理に役立つタンパク質豊富な食べ物として高く評価されているのには理由があります。「白身と黄身を両方食べるより、白身だけを食べたほうがタンパク質の量をあまり減らすことなく、摂取するカロリーを大幅にカットできます」と説明するのは、バランス・ワン・サプリメンツの公衆衛生学修士で管理栄養士のトリスタ・K・ベストさんです。
「ゆで卵1個分(55g)のカロリーは、全卵で約74kcalです。このうち卵黄のカロリーは約56kcalで、卵白のカロリーは約17kcal。減量に役立つタンパク質豊富な食べ物であることに。間違いありません」とベストさんは言います。
【7】アーモンドバター|ダイエットに役立つタンパク質が多い食品
「アーモンドバターには1価不飽和脂肪、ビタミンE、食物繊維、タンパク質など、かなりの量の栄養素が詰め込まれています。上質のアーモンドバターであれば、含まれている砂糖は2g未満でしょう。アーモンドバターを選ぶ際には、タンパク質も重要な栄養素になります。1回に食べるアーモンドバターに含まれるタンパク質の量は、およそ6~7g程度です」と、ベストさんは説明します。
【8】ホエイプロテインパウダー|ダイエットに役立つタンパク質が多い食品
管理栄養士のヤウィッツさんは、「高タンパク質ダイエットは必ずしも楽なものではなく、いつも外で飛び回っている人にとっては特にそれが言えるでしょう。私はタンパク質の摂取量が目標に届かないときに備えて、ホエイプロテインパウダーとシェイカーボトルを手元に置いています。第三者機関がテストを行い、1杯分の量に少なくともタンパク質が25g含まれていて、添加物があまり多くないブランドのプロテインを愛用するようにしてくださいね」。関連記事:初心者でも飲みやすい人気プロテイン【迷ったらこれ!】おすすめ11選
【9】グラスフェッドビーフ(牧草のみを食べて育った牛肉)|ダイエットに役立つタンパク質が多い食品
「グラスフェッドビーフ」とは、牧草のみを食べて育った牛肉のことを指します。 赤身の多い肉質や牛の育てられる良質な環境から、ヘルシーな牛肉としても注目されています。
管理栄養士のマッケンジー・バージェスさんは、オメガ3や抗酸化物質などの栄養素が多く含まれていることから、グラスフェッドビーフを推奨しています。「おまけにタンパク質をたっぷり取ることができるので、満腹感を長続きさせることができて、1日に摂取するカロリー量を減らすのにも役立つでしょう」と言います。
【10】豆腐|ダイエットに役立つタンパク質が多い食品
言わずもがな、日本人の食卓の定番であるお豆腐は、タンパク質の含有量も素晴らしいものです。
管理栄養士ゴリンさんは、「お豆腐は私のお気に入りの植物性タンパク質です。なにしろ用途が広範囲ですので。どんなものと一緒に料理してもよく合いますし、豆腐だけを焼いて食べてもとてもおいしいんです。しかも豆腐は完全にヴィーガンな食品で、タンパク質と食物繊維も含まれているので、これが満腹感の持続にも貢献してくれる画期的な食品です」ということ。
- 木綿豆腐(100gあたり):タンパク質約6.6g
- 絹ごし豆腐(100gあたり):タンパク質約4.9g
- 焼き豆腐(100gあたり):タンパク質約7.8g
大豆食品全般は、タンパク質を取って体重を減らしたい人が覚えておいたほうがいい食品グループです。
大豆には食物繊維も含まれているので、減量ダイエットにうってつけの高タンパク質食品。食物繊維は満腹感を持続させるのに大事なもので、食べ過ぎも防いでくれます。大豆食品には豆腐のほかにも、枝豆、味噌、テンペなどがあります(テンペについては次の項目で!!)。
【11】テンペ|ダイエットに役立つタンパク質が多い食品
テンペとは、大豆にテンペ菌をつけて発酵させた、インドネシアの伝統的な発酵食品です。管理栄養士バージェスさんも言っていますが、食わず嫌いは禁物です。
1カップで約31gのタンパク質を摂れるテンペは、「しっかりとした食感があって、そのナッツに近い風味は驚くほどです。発酵させた大豆からつくられていて、肉を使わない食事でタンパク質が摂れる食材としてさまざまな使い方ができます」とのこと。
テンペキューブを野菜と一緒に炒めたものや、ケバブのように焼いたものを試してみることを、バージェスは提案しています。
【12】ピー(エンドウ豆)プロテインパウダー|ダイエットに役立つタンパク質が多い食品
「ピープロテインパウダーには、減量のためとも言えるタンパク質と食物繊維が含まれています。エネルギーレベルを維持し、血糖値を安定させるとともに満足感も与えてくれるでしょう」と説明するのは、管理栄養士のリッシー・ラケイトスさんと、タミー・ラケイトス・シェイムズさんです。
「エネルギーや血糖値の急激な低下を防いでくれるので、糖分や塩分が猛烈に欲しくなったり、予定外の間食で不要なカロリーを摂取する機会が減ることでしょう。またピープロテインは、カロリー制限がない場合でも減量を助けてくれますし、空腹を抑える点に関してはホエイプロテインよりも効果があることが、研究によって報告されています」。 関連記事:植物由来「ピープロテイン」の効果。実際にヘルシーなの?|おすすめピープロテイン8選
【13】黒レンズ豆|ダイエットに役立つタンパク質が多い食品
理学修士で管理栄養士のイヴァニールさんは、「黒レンズ豆には1カップあたり約18gのタンパク質が含まれています。タンパク質は減量の役に立ちますし、さらに消化を遅らせ、一日を通じて満足感を持続させて食欲を抑えてくれる食物繊維も黒レンズ豆には含まれています」と説明します。
【14】豆類|ダイエットに役立つタンパク質が多い食品
管理栄養士のベストさんは、「豆類に含まれている食物繊維は食事の後、満足感を長く持続させてくれるので食べ過ぎを防いでくれるでしょう」と言います。
できれば、お豆とお米を組み合わせるのがよいでしょう。「お豆にはタンパク質も豊富に含まれているので、お米と一緒に食べることが9つの必須アミノ酸をすべて摂取するのによい方法です。必須アミノ酸を摂取することは、健康的な生活に欠かすことはできません。またお豆とお米の組み合わせは、それにふさわしい組み合わせになります」とのこと。
【15】カボチャの種|ダイエットに役立つタンパク質が多い食品
管理栄養士のイヴァニールさんは、「カボチャの種はタンパク質が豊富で、1カップあたり約12g含まれています。タンパク質は血糖値を抑えて、減量をサポートしてくれます」と言います。
また、カボチャの種には食物繊維も豊富に含まれていて、それが腸内の善玉菌を養ってくれることが大いに期待できるということです。
【16】ケフィア|ダイエットに役立つタンパク質が多い食品
この乳酸菌飲料のことはご存じでしたか? そろそろあなたの食生活に加えてみてはいかがでしょう。
ケフィアは複数の乳酸菌と酵母が、絶妙なバランスで共生発酵した発酵乳です。体内に届いたケフィアは、善玉菌の働きを助けることで身体の内側からサポートしてくれることが報告されています。
イヴァニールさんは、「グラス1杯のケフィアには、タンパク質が約9gも含まれています。タンパク質は、“炭水化物が食べたくなる”ホルモンの神経ペプチドY(NPY)を減少させてくれる効果が期待できると言われています。炭水化物は血糖値を上昇させるので、減量の大敵となりますので…」と説明します。ぜひ砂糖を加えていないケフィアを探してくださいね。
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