記事のポイント

  • ペルーの首都リマにあるワカ・プクヤーナ遺跡は、富裕層が暮らすミラフローレス住宅街の中にあり、考古学者たちにとって宝の山となっています。
  • 新たに発見されたミイラは恐らく1000年前のもので、長い髪を持ち、顎に損傷がない状態でした。
  • リマでは、最近もミイラが発見されたばかりです。

ペルーの首都リマで
ミイラが続々と見つかる

ペルーのリマでは、人々が魅力的な隣人――ミイラを発掘し続けています。そして今回も、富裕層が暮らすリマの住宅街ミラフローレスにあるワカ・プクヤーナ遺跡で新たに1000年前のミイラが発見されました。

ロイター通信によれば、そのミイラは発見当時、足を曲げて座った状態で顎に損傷はなく茶色の長い髪をしており、陶器や織物などに囲まれていたとのこと。考古学者のミレラ・ガノザはロイター通信に、次のように語っています。

「近代的なビルや建造物に囲まれたミラフローレス地区の中心部に、儀式に使われた場所と考えられているワカ・プクヤーナという重要な遺跡が残されているのは、非常に興味深いことです」

ワカ・プクヤーナは、日干しれんがと粘土でできた高さ72フィート(約22メートル)のピラミッドで、「インカ帝国のマチュピチュが建設されるはるか以前に、西暦500年にイクスマ族によって灌漑(かんがい)管理施設の一部として建設された」とも考えられています。そして「やがてワリ文化がこの地域を支配するようになり、いつしかこの地域は貴族を中心とした人々の埋葬地にもなった」とされています。

このワカ・プクヤーナがある場所は現在は裕福な住宅地となっていますが、古代文明と現代生活が融合しているのはリマにおいて、この地区だけに限ったことではありません。約1000万人の人口を誇るリマには、約400のワカ(古代遺跡や神聖な場所)が今も市内に点在しているのです。中でも、「ワカ・プクヤーナには、より豊富な発掘品が出る」と考えられています。

ミイラを発見することは、リマでは当たり前になりつつあるようです。2023年3月には、800年前のミイラをクーラーボックスに入れて運んでいた男が発見されました。そして同年6月には、以前は寺院があったゴミ捨て場の下から、およそ3000年前のミイラを発見。なおこのミイラは、「生け贄(にえ)として捧げられた可能性がある」とされています。

そして同年4月には、リマから15マイル(約24キロメートル)ほど離れた場所でも、皮膚と髪が残った1000年前のミイラが発見されました。専門家は、このミイラも「生け贄として捧げられた」と考えています。

考古学者たちがリマ市内の遺跡の採掘を続け、ペルーのさまざまな文化を今に伝える遺跡たちがさらに発掘されることが期待されています。

source / POPULAR MECHANICS
Translation & Edit / Satomi Tanioka
※この翻訳は抄訳です