「ブレット・カバノー米最高裁判事から、性的暴行を受けた」と告発したクリスティーン・ブレイジー・フォード教授。それ以来、脅迫や殺害予告を受けるようになったそうなのです。

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Dr. Christine Blasey Ford

 2018年9月27日(現地時間)、上院司法委員会の公聴会で米連邦最高裁判事候補(当時)のブレット・カバノー氏から性的暴行を受けたと証言した、カリフォルニア州パロアルト大学のクリスティーン・ブレイジー・フォード教授。
 
 その後、複数の殺害予告の脅迫を受けるようになり、現在も引越しを繰り返していることが明らかとなりました。
 
 彼女の弁護士であるデブラ・カッツ氏、リサ・バンクス氏、マイケル・ブロムウィッチ氏の3人は、アメリカのラジオ局ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)に対し、「カバノー氏は最高裁判事に就任しましたが、フォード教授への脅迫はいまだに続いています」とコメント。
 
 フォード教授は上院公聴会にて、「1980年代に開催されたパーティーで当時高校生だったカバノー氏にレイプされそうになった」と主張。「彼に襲われたことで、私の人生は劇的に一変しました ― あまりの恥ずかしさと怖さで、このことを長い間誰にも話せずにいました」と公表しています。

これはThird partyの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

 ですが、このように勇気を持って告発したことによってフォード教授は、さらなる心のダメージを受けてしまっているのです。
 
 NPRによれば、「彼女はそれ以来パロアルト大学での仕事に復帰することができておらず、脅迫やメディアの攻勢のせいで自宅に住めなくなり、これまでに4回も引越し。さらには、セキュリティ部隊を雇っているため、経済的にも苦しい生活を送っている」のだとか…。 
 
 そんな彼女を心配した近隣住民や同僚たちが、教授のために募金サイト「GoFundMe」で寄付を募り、現在は635,931ドル(約7240万円)まで集めることに成功。
 
 教授は2018年10月3日、募金サイトに「セキュリティ対策の費用、住宅費、交通費、そしてその他の生活費は、私たちの予想よりもはるかに高額でした。今後、支出が減る気配もありません」「集まった寄付金は、これらの積み重なる出費の支払いに使用されます」とのメッセージを投稿しています。
 
 また、嫌がらせは議会証言が行われる前からもあったようで、彼女は「ネット上に私の個人情報を流出した人がいます。それによって迷惑メールや電話、脅迫を受けるようになり、私と家族は自宅に住んでいられなくなりました。今はボディーガードと一緒に、さまざまな場所を転々としながら生活しています」と説明しています。
 
 2018年10月6日に、新しい最高裁判事に就任したカバノー氏は性的暴行疑惑について、「無実です」と否定。
 
 それでもフォード教授は、自分を襲ったのはカバノー氏であると「100%」確信しているらしい。疑惑が消えぬまま、最高裁判事に承認されてしまったカバノー氏を不満に思う人が多数いるのも、頷けるところです。

From ELLE
Photograph / Getty Images
Translation / Reiko Kuwabara