2018.09.21

なぜ、彼は異端児となったのか?

池松壮亮「悲しみを請け負うことの多い人生について」

 マーベリック。それは一匹狼であり、“異端児”。10歳でミュージカルの子役としてデビューした、池松壮亮さん。いつしか映画にのめり込み、「そこに何かあるのでは?」と答えを探すようになったと言う彼。演技者としてやっていく覚悟を決めてから、その活躍ぶりはとどまることを知りません。
  
 「今度は何をやってくれるのか?」― 彼の持つマーベリックな世界観に迫ります。

池松壮亮「悲しみを請け負うことの多い人生について」

 
MAVERICK OF THE MONTH:SOUSUKE IKEMATSU

 
20代でやるべきことを
30代に持ち込む
…みたいなことはしたくない。
 
 朝のスタジオには、ハイブランドの服に混じって、袴だの下駄だのハイヒールだのが並べられていた。朝早くの撮影になったのは、彼を撮るのなら、この時間の自然光がいいという篠山紀信氏の発案だったし、メイクルームでは長い時間をかけて、彫師が彼の首に龍を描いていた。スタッフの間に流れる、強いこだわりを感じずにはいられない空気…撮影の後、感想を聞くと彼はこう言った。
 
 「(撮られることにおいては)ど素人が、大人たちの高尚な遊びに混ぜていただいたような気がしています」と。
  
 あまたいる若手俳優の中で、彼が特別な存在であることに異を唱える人はいないだろう。
 
 『ラストサムライ』でトム・クルーズ相手に、「行かないで」と大粒の涙を流した少年役でスクリーンデビューをはたしてから15年。演技者としての飛びぬけた才覚が注目されながら、彼が選ぶのは深夜枠の連ドラや単館で公開されるような映画作品が少なくない。そういう意味においても、“マーベリック”という言葉は彼によく似合っている。
 
 「自分を異端だとも異端じゃないとも思わないし、でも、そう言われることにはわりと慣れてもいます。ただ、自分のことを異端だと言えるのは、本当に突き詰めた人か、そうでなければダサい、と言うのは言葉が違うかな?…でも、そういう感じがするんですね。最大限、自分を褒めるとすれば、“変わっている”かな。でも、そう言われるのは、『僕がまっすぐだからじゃないか』とも思います」と話す池松さん。 

1 2 3

◇PROFILE
池松壮亮さん
…1990年生まれ。福岡県出身。2001年~2003年にミュージカル『ライオンキング』に出演。03年『ラストサムライ』でスクリーンデビュー。14年には『ぼくたちの家族』『海を感じる時』『紙の月』『愛の渦』などで日本アカデミー賞新人俳優賞やブルーリボン賞助演男優賞、キネマ旬報ベスト・テン助演男優賞など数多くの映画賞を受賞。9月28日からは出演映画『散り椿』が全国公開。また『斬、』は2018年11月24日からユーロスペース他全国公開予定。
  

cov_001

▶▶▶池松壮亮さんへのインタビュー全記事をご覧いただけます。
『メンズクラブ2018年10月号』をぜひ手に取ってみてください!!

Photograph / Kishin Shinoyama
Styling / Baby Mix
 Tattoo Art / Eiji Takahashi(UPROCK)
 Hair / Toshihiko Shingu (VRAI) 
Make / Sada Ito for NARS cosmetics(donna)
Text / Yukiko Yaguchi
Edit / Emiko Kuribayashi
Video Shooting / Yu Nakajima
Video Edit / Tsuyoshi Hasegawa

Page Top