国際テニス連盟(ITF)の男子ツアー大会「ポルシェ軽井沢オープン 2023」(ITFワールドテニスツアーM15)が、長野県北佐久郡・軽井沢会テニスコート(クレー)にて開催されました。この大会を主催するのは一般社団法人 軽井沢テニス協会であり、特別後援として一般財団法人 軽井沢会、後援として軽井沢町・一般財団法人 軽井沢南原文化会によって運営されています。
当初、「軽井沢フューチャーズ」の愛称で親しまれてきた男子テニス国際大会ですが、2018年よりポルシェジャパン株式会社の特別協賛を得て「ポルシェ 軽井沢オープン」に改名。そしてコロナ禍でここ3年間中止となっていたところ、ようやく2023年は再開する運びとなりました(期間:5月30日~6月4日/賞金総額:1万5000ドル)。
軽井沢会テニスコートは、軽井沢エリアに別荘を所有するオーナーとその家族のみが会員として使える名門テニスクラブであり、上皇上皇后両陛下のロマンスの地としても有名な場所、いわば日本テニスの聖地です。そんな地で、若きプロテニスプレーヤーたちの世界への第一歩を後押しするために始まったドラマチックな大会を、エスクァイア日本版は2019年の前大会から応援しています。そして今大会より、弊社の雑誌『Richesse(リシェス)』もこれに加わりました。
それでは、6月4日(日)に行われた決勝の様子をレポートします。
実はここ軽井沢会テニスコートは、いつもは一般開放されていません。この大会の開催期間のみ一般の方でも入場できるということもあり、観客は若きテニスプレーヤーの活力あふれるプレーが観戦できるとともに、リシェス(豊かで価値ある存在)なこの地に足を踏み入れることができるのです。しかも、建築家W.M.ヴォーリズ氏が設計したクラブハウスも間近で観ることもできる…ということもあり、毎年この大会を心待ちにしているテニスファンの方も少なくありません。今回は4年ぶりということもあり、決勝の日にはさらなる賑(にぎ)わいを見せていました。
日本テニスの未来を後押しする
軽井沢会による国際大会
2016年より、この大会の趣旨に賛同したポルシェジャパン株式会社がタイトルスポンサーに。そして2018年からは特別協賛として、若手テニスプレーヤーの育成サポートへの強い意志とともに大会名を「ポルシェ 軽井沢オープン」に変更。以来、2回目となる開催となりました。
大会は6日間をかけて、男子シングルスと男子ダブルスが行われました。大会前半は雨に見舞われた日もありましたが、選手たちはそれをものともせず全て白熱した好ゲームの連続。決勝の6月4日(日)には、日本有数の避暑地・軽井沢であるにもかかわらず…特に軽井沢会テニスコートを中心に体感気温はグッと上昇していました。
そうして迎えた大会最終日、男子シングルスおよび男子ダブルスの両決勝は行われました。シングルスでは川橋勇太選手が、伊藤竜馬選手を7-5 6-2で下して優勝に輝きました。そしてダブルスでは、福田創楽選手&渡邉聖太選手がソン・ユンハン(Seon Yong Han)選手&サンヒー・シン(Sanhui Shin)選手を7-5 7-6(5)で倒して栄冠を手にしています。
惜しくも決勝で敗れ準優勝となった伊藤選手は、2012年にはATPランキング自己最高位となるシングルス60位にもなった名選手。6月3日(土)の準決勝、6月4日(日)の決勝の両日には、数日前に全仏オープンで世界ランク1位のカルロス・アルカラス選手に惜敗し帰国したばかりのダニエル太郎選手が伊藤選手の応援に駆けつけていました。
伊藤選手とダニエル選手の親交は深く、2023年1月には伊藤選手自身がケガで試合に出られないこともあって、ダニエル太郎のサポートメンバーとして全豪オープンを含む3大会に同行しています。
同大会はテニスプレーヤーとしての最高峰である、グランドスラムと呼ばれる四大大会に出場するために必要な世界ランキングポイントが取得できる国際テニス連盟公認の「ITF World Tennis Tour M15」。ジュニアから学生、若手プロ選手まで世界から集まる登竜門にもなっています。
本大会のトーナメント・コーディネーターを務める八田修孝氏は、「これまで、この大会を足がかりにして世界大会に出場した日本人選手は何人もいます。この大会は、世界への1歩目となる大会です。テニスプレーヤーとしての最高峰であるグランドスラム(全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン選手権、全米オープン)に出場するためのいわば登竜門。ここでの勝利でポイントを重ね、世界へ羽ばたくチャンスを広げてほしいです。こらからも若手の選手が世界大会に出るポイントを取ることができるこの大会を、軽井沢会で可能な限り続けていきたいと思います」と語ります。
🎾シングルス決勝戦結果
○川橋勇太(日本/マイシン)7-5 6-2 ●伊藤竜馬(日本/興洋海運)
🎾🎾ダブルス決勝戦結果
○福田創楽/渡邉聖太(橋本総業ホールディングス)7-5 7-6(5) ●ソン・ユンハン/サンヒー・シン(韓国)
以上、「エスクァイア」および「リシェス」は今後もこの「ポルシェ 軽井沢オープン」に応援していきます。