はじめまして、カーライフ・エッセイストの吉田由美です。
突然ですが、今回から私が興味を持ったクルマまわりの情報をご紹介させていただくことになりました! 皆さん、よろしくお願いいたします。
そこで第1回は、2019年5月19日~23日の3泊5日でイタリアに行ってきたお話になります。それは「ランボルギーニFAB イベント in Sant' Agata Bolognese」(現地時間5月20日~21日の2日間)というランボルギーニのイベント。招待されたのは13名の女性たちばかり…。光栄なことに私も、その一人としてご招待いただきました。
実はランボルギーニは、2018年に「ランボルギーニ FAB」を設立しています。そして、そのイベントを日本を含めた世界9都市で開催し、今回はその世界大会という位置づけになります。「 FAB」とは「Female Advisory Board」の頭文字を取ったもので、各分野で活躍している女性たちを招待し、意見交換をする会というわけです。
東京では2018年5月に開催され、そのとき招待されたのは15名。ほかにシンガポール、シドニー、ドバイ、ロスアンゼルス、ワシントン、香港、ミラノ、ロンドンでも同様に開催され、現在メンバーは67名。この中にはランボルギ―ニオーナーもいますが、ランボルギーニに乗ったことがない女性もいます。
そんなメンバーの中から、今回13名が「FABアンバサダー」として選出され、イタリアのサンタアガタ・ボロニェーゼにあるランボルギーニ(=正式名称ヌォーヴァ・アウトモービリ・アウトモービリ・フェルッチオ・ランボオルギーニSpA)本社に招待されたわけです。
この「ランボルギーニ FAB」を立ち上げたのは、ランボルギーニ初の女性役員であるCMOのカティア・バッシ氏。バッシ氏いわく、「ランボルギーニを女性にもっとアピールしたい。女性にもスーパースポーツカーを楽しんでもらいたい」という考えのもと、世界各国で活躍する女性たちとコミュニケーションを取りながら応援するプロジェクトとして「ランボルギーニFAB」を始めたのだそう。
ちなみに日本からは、私とランボルギーニオーナーの女性の2人です。
1日目のプログラムは、ランボルギーニの本社 & 工場見学&ミュージアム見学。そしてその後、そのままディナー。かなり多くの徒歩移動が予想されるため、ディナーのドレスコードも「ビジネスカジュアル」。しかし、実はこのドレスコードが一番難しい。私はほかのメンバーがどういう雰囲気なのかわからず、無難にワンピースにスニーカー姿。「いざとなったらパンプスを履けばよいかな」と…。
しかし朝、ロビーでFABアンバサダーたちに会うと、想像以上に華やかで驚きました! ちゃんと自分たちが「見られること」、「映されること」を想定したファッションなのです。
工場内を歩き回るというのに、華奢なルブタンやルイ・ヴィトン、シャネル、クリスチャン・ディオールなどを履くお洒落な女性たち…。私は歩きやすく疲れにくいコンバースのハイカットにしたというのに…(笑)。この足元へのこだわりこそ、女性たちが少しでも美しく見えたい、見られたい、「女性のやせ我慢」…少しでも美しく見せようという「女ごころ」なのです。
だって、絶対に足が痛くならないはずがありません! でも、さすが世界中から招待された「FABアンバサダー」の皆さんです。工場見学と言えど手を抜かないという…。
本社で最初に向かったのは、「ウルス」(2018年に発表されたランボルギーニ初にSUV。これが現在大人気です!)の組み立て工場の2階にある、プレゼンテーションルーム。
途中、階段の壁には「ウルス」のスペックが書かれていたり、「ウルス」の写真が展示されています。そしてプレゼンテーションの途中で、それまで閉じられていたブラインドが開き、「ウルス」の組み立てラインがその部屋から見えるという演出…。
ランボルギーニはSUV「ウルス」を販売するにあたり、4億ユーロを投資して本社工場をこれまでの2倍となる16万㎡へと拡大。作業の効率を高めるため、オートメーションや自動化も進めているとのこと。「ウルス」の組み立てラインでは200名が従事し、23の作業工程。各工程はそれぞれ32分で組み付けを行い、1日に26台を生産します。さらに各工程ごとに検査を行い、品質を保持。手作業部分が多いのですが、ウインドーシールなどではロボットも活用しています。
「ウラカン」と「アヴェンタドール」の組み立てラインも見学しました。こちらも「ウルス」と同様にそれぞれ23工程ありますが、「ウラカン」は45分、「アヴェンタドール」は100分と長くなっています。ミシンを使うシートの工程は、ほとんど女性が行っているのが印象的です。
ただこの生産ラインでは、残念ながら写真撮影はできませんでした。
また、カスタマイズ専用の「AD PERSONAM(アド・ペルソナム)」やデザインセンター「Cento Stile」も見学しました。
さらに、今年4月にリニューアルしたランボルギーニのミュージアム「MUDETEC」も見学。ランボルギーニが1964年に初めてつくったスポーツカー「350GT」をはじめ、1966年製「ミウラ」、1971年製「カウンタック」、1993年製「ディアブロVT」、2011年製「アヴェンタドール」。そして2階には現在のラインナップと、ランボルギーニ50周年記念車や世界に2台しかないコンセプトカーが展示されています。
また、壁に掛けられた「アヴェンタドール」はインスタ映えしそう…。そして新設された「ブレーンルーム」では、360度ランボルギーニの世界が映像で映し出されます。ちなみに館長も女性です。
この機会にいくつか驚きに発見がありました。そのひとつが、ランボルギーニは環境への取り組みも注力しているということ。工場内には、14000㎡にソーラーパネルを設置しているんです。太陽光発電で蓄えた電力で、工場内の30%の電力を賄っているそうです。また生物の多様性も考慮し、2011年に「ランボルギーニパーク」を設置。大気のCO量を確認するためミツバチの生育も行っています。
ちなみにこの日のランチで振舞われた「蜂蜜」は、ランボルギーニ特製のもの。66万匹の蜂からとれた蜂蜜は、従業員にクリスマスプレゼントとして贈られるそうです。そして今回は特別に、FABメンバーにもお土産にいただきました♡ こちらはかなり貴重なもののようですよ。
そしてこの日は、「ハイパフォーマンスライン」でのディナー。見学した組み立てラインが、ディナー会場へと早変わり。しかも、見学時は写真撮影NGの場所なのに、ディナーの時は撮影OKに。自分の席には、自分のファーストネーム入りプレートが用意されていましたが、これがポップでお洒落なのです!
ディナーの時には、ステファノ・ドメニカリCEOも臨席しました。社長のお名前「Stefano」も、ポップなプレートで用意されていました!
また、ソプラノ歌手による生オペラの演奏もあり、素敵な空間…お料理だってもちろん女性シェフです。
そして翌日は、場所をイモラサーキットに移して。ランボルギーニを、名門サーキットで試乗体験することに…。
ほとんどがサーキット初体験であり、ランボルギーニでのドライブも初体験というアンバサダーも多かったようで、ヘルメットの被り方からドライビングポジションの取り方まで丁寧にビデオ解説してくれました。そしてコースでも、インストラクターの後ろを走るというマンツーマン方式。
試乗車は日本未導入の「ウラカンEVO」、「アヴェンタドールSVJ」「ウルス」。サーキットイベントの最後は「ホットラップ」という、インストラクターが運転する「アヴェンタドールSVJ」での助手席体験です。それにしてもクルマから降りてきたFABアンバサダーたちは、みんないい笑顔でした!
まさに、ランボルギーニの世界をリアルに堪能した2日間でした♡
「ランボルギーニFAB」はこの後も知見を高め、ほかの多くのメンバーと引き続きコミュニケーションを取りながら、2020年に30歳未満の女性をサポートする「フューチャーFABアワード」の開催を予定しています。
ランボルギーニと「女性」たちは、これからもっともっと面白いことをやってくれそうです。どうぞご期待ください。
カーライフ・エッセイスト吉田由美
2月23日、岩手県生まれ。短大在学中に「ミス渋谷」、「ミス・チェッカーモータース」、「準ミス・エチュード」など、10個以上のミスコンタイトルを受賞。卒業後、本格的にモデル活動をはじめる。1998年より、モデル業とともに日産ドライビングパークで、セーフティ・ドライビング(安全運転講習)のインストラクターに。3年間務めた後、現在は「カーライフ・エッセイスト」として、著書、雑誌、ブログなどの執筆活動を行っている。