もし『イカゲーム』がシーズン2を放送しないとしたら、1億1100万人の視聴者はガッカリすると同時に、とても驚くはずです。何と言っても、いまやNetflixで最も視聴されているシリーズとなった作品なのですから…(先日、Netflixは最も視聴されたドラマのランキングを発表しました)。

このドラマの反響そして影響は、韓国だけに留まらず世界中へと広がっています。SNSではゲームをネタにしたさまざまなミームが投稿されたり、10月6日(現地時間)にはジミー・ファロンが司会を務める米NBCの有名なバラエティ番組、『The Tonight Show Starring Jimmy Fallon』に主要キャスト4人が登場。一緒にオンライン出演し、子どもゲームをするという回が放送されました。

また、このシリーズで「067」の番号で参加するプレーヤー、モデル出身の女優であるジョン・ホヨン(カン・セビョク役)は、わずか数週間でInstagramのフォロワーが2000万人を超え、今や(日本時間2021年10月15日の時点で)2042万人にもなろうとしています…。

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これまでNetflixで最も視聴数が高い作品は『ブリジャートン家』であり、配信から28日間で8700万世帯(人)という記録を残していました。しかし、現地時間10月13日(水)にそれを優に上回り、前出のように『イカゲーム』は配信から28日間で1億1100万世帯(人)という数字を叩き出しているのですから、これはもう驚き以外の何ものでもありません。

もちろんこの視聴者数は、今後も時間の経過とともに爆発的に成長していくことも予想できるでしょう。そして私たちは、より多くのシーズンが今後展開することにも期待に胸を膨らませながら…。この成功はもはや、『ストレンジャーシングス』や『ザ・クラウン』などのような「時代を超えたドラマ」と称されてきた作品をも(まさに)ケタ違いに超越した作品となったわけです。

しかし当初は、誰もこの成功を予測することはできなかったはずです。そんなわけで、この驚異的な成功に一番驚いているのは当の製作陣に違いありません。とは言え、ここで本記事の主題をお話しましょう。それは製作コストに関してです。企画段階では、誰もが「成功の保証などない」と確信していたに違いないこの作品に対し、かなり高額の製作コストが費やされていたのです。

「Expansión」紙によれば、「このドラマの1シーズンにおける製作予算は、少なくとも2000万ユーロ(約27億円 )は下らない」と言います。「イカゲーム」で最後に残った勝者が得られる金額は456億ウォン(約45億円)なので、この物語に夢中になった人にとっては「なんだ」の額かもしれませんが、これは間違いなく潤沢な資金のもとつくられたドラマと言えます。

el juego del calamar, netflix
Netflix

上を見れば…それにはAmazonが制作しているドラマ版『ロード・オブ・ザ・リング』がいいでしょう。この作品のロケとポストプロダクションはニュージーランドで行われています。そこで先ほど、ニュージーランドのスチュワート・ナッシュ経済開発・観光担当大臣はラジオ・ニュージーランドの取材にて、「アマゾンはシーズン1だけで6億5000万ニュージーランドドル(4億6500万米ドル=約532億円)を費やすことになる…これは史上最高規模のテレビドラマになるはずだ」と発言しています。

またHBO製作のドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の予算は?と言うと、パイロット版の製作には500万ドル~1000万米ドル(約5億7200万~11億5000万円:かなり幅のある表現ですみません)が費やされ、第1シーズンは10話合計で5000万~6000万米ドル(約57億7200万~68億7000万円)が費やされたそうです。そして第2シーズンではそこに15%追加され、第6シーズンに至っては全10話合計が約1億米ドル(約114億4000万円)が費やされたそうです。最も膨れ上がったとされるファイナルシーズンでは、各話の予算が1500万ドル(約17億2000万円)になったということ。

しかしその一方で、『ペーパーハウス』に関してはシーズン1、400万ユーロ(約5億円)を超えておらず、最も視聴数の多かったシーズン4でさえ1000万ユーロ(約13億円)を超えていないということ。そして近年、オスカーを5つ獲得し、最も韓国で成功をおさめたとされる映画、『パラサイト』の制作費に関しては総額約13億円と言われています。

『イカゲーム』の予算を振り返れば、その多くを占めていたのは主演イ・ジョンジェ(ギフン役)であり、1話あたり約2000万円が支払われたそうです。一方、Netflixオリジナルの韓国ドラマを世界へと印象づけた最初の作品と言っていい『KINGDOM』に関しては、ドラマ1話あたり約20億ウォン(約1.9億円)かかったと言います。こうした視点から、改めて『イカゲーム』と『KINGDOM』を見比べるのもいいかもしれませんね。

Source / ESQUIRE ES
※この翻訳は抄訳です。

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