イタリアンファッションにあえてケチをつけるとしたら、ファッションブランドやアイテムの数があり過ぎることでしょうか。その膨大さゆえに、中にはロゴが目立ちすぎたり、パンツがタイトすぎたり…と、正直なところ「エスプレッソ(またはバローロ)飲み過ぎでは?」と思わざるを得ないようなデザインのものもあります。
しかし、そのようなアイテムについて語っている場合ではありません。ここでは、イタリアンファッションの大部分を占めている高品質で優れたブランドを取り上げます。実際、すばらしいブランドがあまりに多く存在するため、その中の一部は知らぬ間に見落とされてしまっているかもしれません…。
そうして「このままにしておくにはもったいない」という思いをこめて、フィレンツェで行われた「ピッティ ウオモ97」に登場した膨大なブランドから、秀逸ながらあまり取り立たされていないエッセンシャルなブランドを洗い出し、3ブランド(のみ!)を厳選してご紹介します。
Herno(ヘルノ)
「つくり」、「素材」、「製造プロセス」のいずれも絶対に妥協したくない人にうってつけのブランドが、この「Herno(ヘルノ)」です。最高品質のスポーツウエアをつくり続けているブランドとして、第二次世界大戦直後の誕生から今日まで愛され続けてきました。
ブランドを象徴する「驚くほど暖かい超軽量な」ダウンアウターは、ダウンジャケットの中でも不動の存在と言えます。そのデザインはトレンドに左右されず、いつの時代のスタイルにも馴染む名品でもあるのです。
トラディショナルなファブリックにこだわり、機能性も追求したいなら、「HERNO Laminar」シリーズがおすすめです。その他、このブランドのメインラインから生まれ、環境に配慮したサステナブルなアイテム「Herno Globe」シリーズをご覧ください。
Lardini x Yosuke Aizawa(ラルディーニ x 相澤陽介)
「ラルディーニ」と言えば、花のカタチをしたブートニエールに見覚えがある人も少なくないでしょう。「ラルディーニ」のエフォートレスな一枚仕立てのブレザーや秀逸な仕立てのオーバーコートのラペルには、このブートニエールが取り付けられています。
今回、「White Mountaineering(ホワイトマウンテニアリング)」のデザイナーである相澤陽介氏との協業により、「ラルディーニ」のシグネチャー的なデザインディテールが、(まったく新たな方法で)ハイテクアウターやスニーカーに取り入れられています。
…ということで、「革新的な製品づくり」をモットーに掲げる相澤氏がラルディーニとのコラボにより、コート8点スニーカー3点からなるカプセルコレクションを発表したのでした。
このコレクションのアイテムは、縫製部分にシームシール処理を施し、防水性のあるマルチレイヤーファブリックを使用。実に機能的でありながら、テクニカルな面を全面的に押し出しているわけではありません。登場予定は2020年秋とのこと…このカプセルコレクションから目が離せなくなりそうです。
Altea(アルテア)
イタリア・ミラノの老舗ブランド「Altea(アルテア)」に対するイメージは、人によって異なるかもしれません。アクセサリーブランドと思う人もいるかもしれませんが、それも当然のことでしょう。
4世代にわたって続くこのブランドは、1970年代にスカーフを全世界に輸出するようになり、その品質の高さによって広く知られるようになりました。
また、ニットウエアのブランドだと思っている人もいるでしょう。「アルテア」のセーターは豊かな色合いと柄が特徴ながら、この品質にして価格は控えめなのです。さらにテーラーリング、アウターウエアと、このブランドは多彩な顔を持っており、その製品のどれもが再認識すべきアイテムなのです。
もしかしたらあなたのクローゼットにも、もうすでにあるかもしれませんね。
Source / ESQUIRE US
Translation / Keiko Tanaka
※この翻訳は抄訳です。