ファレル・ウィリアムスは自身認めているように、かつては多くの人と同じように日焼け止めを使っていなかったようです。

「もっぱら肌のケアは、クレンザー、エクスフォリエーター(ディープクレンジングに特化した超音波毛穴洗浄マシン)、モイスチャライザーの3ステップだけに意識を集中して、人生の大半を過ごしてきました。そんなわけで、日焼け止め対策はこれまでしてこなかったんです 」と、「エスクァイア」US編集部の電話インタビューで彼は答えてくれました。

最終的にファレルに日焼け止め対策の重要性を知らしめたのは、彼自身のスキンケアブランド「Humanrace(ヒューマンレース)」から2022年7月14日(現地時間)に発売予定となった新しいサンケア(日焼け止め)製品開発のためのリサーチからだったようです。

「もし僕も含めた皆さんが、(僕が今回の開発で知り得た知識を)最初から認識していたのなら、決して現在している(日焼け止め対策を蔑ろにした)スキンケアだけで終わりにはしていないはずです。とにかく、現在われわれは(日焼けに対して)注意を払わないわけにはいかない環境にあります。例えば、皮膚がんのリスクは年々上昇傾向にあるのです。地球のオゾン層の破壊は、ねずみ算式の増加率で進んでいるのですから…」。

ファレル・ウィリアムスの「Humanrace」日焼け止め成分は?

ファレルが得た(彼自身にとって)新たな知識は、毎日の個人的な習慣に日焼け止めを塗る習慣を加えることだけでなく、「Humanrace(ヒューマンレース)」のラインナップに2つの新商品を生み出して、多くの皆さんにそのことを共有することにもつながりました。

『Ozone Face Protection Daily Moisturizer($58)』 と『Ozone Body Protection Cream ($52)』。この2本をセットにした『Ozone SPF 30 Protection Set ($94)』も用意されています。

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どちらも「肌への刺激が少なく地球にも優しい」と言われている非鉄金属で、米国食品医薬局(FDA)から安定性と効果を認められている無機系の紫外線散乱剤「酸化亜鉛(ZnO)」を使用しており、広域スペクトルSPF 30(何もつけない状態より日焼けを30倍遅らせる効果を示す値)のUV防護効果が謳われています。

また、どちらも成分にサンゴ礁に悪影響を与えることから、海外のビーチでは使用禁止となっている紫外線吸収剤「オキシベンゾン」や「オクチノキサート」は使用していないということでリーフセーフ(サンゴにやさしい)であり、動物実験もなし。さらにボトルは詰め替え可能となっているので、実にサステナブルでもあります。

日焼け防止の効果の確かさはもちろんですが、日焼け止めにとって最も重要な部分のひとつにテクスチャーがあります。ファレルと共に、この「Humanrace」を共同創設し、現在は社長を務めるレイチェル・マスカットはこれまでの日焼け止めのテクスチャーに満足していなかったということ。

日焼け止めが多くの人にとって、日々愛用するほどのスキンケア製品という存在になっていない理由はもっとたくさんあるかもしれません。そこでファレルとレイチェルは、それらひとつひとつ解決しようと試みたのです。そうして、とうとう完成という運びになったわけです。

白浮きしない?

いちばん気になる点は、塗ったところが白浮きしてしまうことではないでしょうか? これは「酸化亜鉛」を代表とする無機系紫外線散乱剤を成分に使用した場合の日焼け止めに、よく見られる傾向でもあります。これは褐色肌の人にとっては、特に気なる問題かもしれません。

「どんな肌のトーンの人にも合うような日焼け止めを開発することが、とても重要な課題でした。なぜなら、すべての人の肌は常に皮膚がんの恐怖に対し、同じレベルでさらされているからです。あらゆる人に、これを使用してもらいたいんです。あと加えるなら、白浮きしたらエンバーミング(遺体を保存できるように、防腐処理をして化粧を施すこと)されたように見えてしまいます。そうはしたくなかったのです」

「Humanrace」の日焼け止め試してみた結果【検証】

私(筆者マンス)は、実際に上記日焼け止めを両方とも試してみましたが、「クリームを少し厚めに塗っても、どちらも塗ったところが白く目立つようなことはなかった」とのこと。

ふたつ目の問題点は、前述でレイチェルが指摘したいたことでもある塗りごこち(テクスチャー)です。ファレルとレイチェルは典型的な日焼け止めではなく、「よりモイスチャライザー(保湿剤)に近い調合の開発を目指しました」と言います。「日焼け止めは水分補給をしながら保護することで、さわやかな気分も感じさせないといけません」と、ファレルは明かしています。

そこで彼らは、「『Humanrace』の加湿クリームの中で好評の成分となっているスノーマッシュルーム(白キクラゲ)から抽出した成分を加えることで、瑞々しさを実現できました。なので、一日中つけていても快適なレベルの加湿が得られます」と、レイチェルは言います。

評価基準が最も高い日本もクリアした日焼け止め

さらに保湿性の高いスクアラン(※1)と肌ざわりのいいアロエも配合され、水分補給効果をさらに高めています。こうしてファレルとレイチェルが掲げるチェック項目を一つ一つクリアしながら、すべての項目で満足できる(さらにアメリカ、そして評価基準が最も高いとされる日本での評価基準を鑑みた)調合を完成させるまで、およそ2年の歳月を要したそうです。

ファレル・ウィリアムスからのアドバイス

従来の常識を一変させるようなこれら2つの製品が、これから自由に使えるようになります。そこでファレルは、日焼け対策への最高のアドバイスをしてくれました。

「まずは、実際にこのアイテムを使ってみることです」とのこと…(一度ではありますが実際に試した私からすれば、これよりすばらしい日焼け止めアイテムを見つけることは至難の業でしょう)。

「日焼け止めは、毎日する必要があります」とファレル。さらに、「それはあなたの習慣にしなければなりません。私が肌に関する質問を受けたときには、局所的に使用することをおすすめするときもあります。ですが、それ以上に最も重要なことは、日々の習慣にすること。そして、それを継続することです。これにはぜひ、本気で取り組むと約束してほしいですね」と、最後にアドバイスします。

この「Humanrace」の日焼け止めアイテムの2本は、デザインも実にクール。こうした化粧品にありがちなことでもありますが、バスルームのキャビネットに飾りとして並べるだけに留まる人も少なくないでしょう。ですがこれは、毎日使ってこそその存在価値が味わえるものです。ぜひとも毎日、例え夏が終わっても日々使用することをおすすめします。 

※1 スクワランとは、アイザメなど深海鮫の肝油中に多く存在する「スクワレン」という成分に水素を添加して安定(=酸化しにくい状態)にしたものを指します。

Source / Esquire US
Translation / Satoru Imada
※この翻訳は抄訳です。