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シェービングによる肌荒れ、日焼けによるダメージなど、男性の肌には負担が掛かっています。そこでおすすめしたいのが「スキンケア」です。しかしながら、「何から始めていいのかわからない」という方人も多いのではないでしょうか?
このページでは男性のスキンケアにおけるおすすめの手順と、30代~50代の人が気になるであろう年齢に合わせたスキンケアの選び方、そして、敏感肌など肌質に合わせた選び方などを解説。おすすめできるメンズスキンケア製品も、併せて紹介させていただきます。
医師が記事を監修
エムスキンクリニックの田中美帆院長に、このページの監修協力をお願いしました。
◇PROFILE
エムスキンクリニック / 田中美帆(たなか みほ)院長
熊本県出身。東京女子医科大学医学部卒業。卒業後、琉球大学附属病院で臨床研修終了後、東邦大学大橋病院皮膚科入局。その後、都内美容皮膚科勤務。特に重症ニキビ治療に多く携わり、2019年沖縄県那覇市で美容皮膚科エムスキンクリニック開業。女性目線の丁寧な診察と施術に力を入れている。
メンズスキンケアは「肌質・肌の悩み」を意識して選ぶ
自分に合ったスキンケアを見つけるためのコツは、肌質と肌悩みを重視して選ぶことです。具体的には下記の項目をチェックしましょう。
- 肌質:オイリー肌・乾燥肌・混合肌
- 肌の悩み:ニキビ肌・敏感肌
男性に最も多いオイリー肌は、泥や炭の入った洗顔料で皮脂を吸着するのがポイントとなります。乾燥肌と混合肌は、とにかく保湿することが大切となります。
ニキビ肌の人は炎症を抑える成分が入った製品を使うと、少しずつ改善が期待できます。敏感肌の人は刺激になるものが入っていない、「敏感肌向け」の製品を選ぶようにすることがおすすめです。
年齢に合わせてエイジングケア製品などを選ぶことも大切
30代や40代になると、20代のときには気にならなかったシミ・シワ・肌のたるみが徐々に出てきます。50代となると、本格的なエイジングケアの必要性が出てきます。
そこでおすすめしたいのが、30代で美容液、40代からは目元にハリを与えるアイクリーム、50代ではハイブランドなどから発売されている本格的エイジングケアコスメの導入です。
10代や20代では皮脂の分泌量が多く、ニキビや肌荒れの悩みもあるはず。10~20代の人は、ニキビやベタつきを抑えるスキンケア製品を選ぶことをおすすめします。
おすすめのメンズスキンケアブランド&化粧品10選
無印良品
以前は実店舗と直営のネット店舗のみでの取り扱いだった無印良品のスキンケア製品ですが、2020年からamazonでも公式販売が開始。入手性が飛躍的に向上しました。
スキンケアの看板商品は、岩手県釜石市の天然水を使った「敏感肌シリーズ」。特に大容量・高品質・低価格と三拍子そろった化粧水が定番ですが、注目したいのは同シリーズオールインワンジェル。サラッとクセのないテクスチャーで、季節と性別を問わずに使えます。
ORBIS Mr.
メディアを使った大々的な宣伝は行わず、長らく通信販売がメインだったオルビス。そのオルビスがつくったメンズスキンケアブランドが、「ORBIS Mr.(オルビスミスター)」です。
最近のオルビスは、「手の届く価格なのに抜群にいい」スキンケアとして女性に人気です。メンズラインもその長所を受け継ぎ、親会社のPOLA(ポーラ)譲りの上質な成分から真摯な姿勢でつくられています。
バルクオム(BULK HOMME)
BULK HOMME(バルクオム)は、2017年にスタートしたメンズ用スキンケアブランドです。洗顔料・化粧水・乳液の3商品を柱に、さまざまなスキンケア製品をリリースしています。
バルクオムが世にインパクトを与えたのは、今までになかったパウチタイプの容器とクールなデザイン。女性用コスメとは一線を画する、「男性のためのコスメ」という概念を浸透させました。代表作は、驚きの泡立ちの洗顔料「THE FACE WASH」です。
Nile
メンズのスキンケア、ボディケア、ヘアケアに特化したブランドである「Nile」。どの製品も実用的で高品質なことはもちろんですが、他メーカーにない豊富な香りをラインナップするなど、「嗜好品」としての官能的な使い心地も追い求めているのが特徴です。
人気のオールインワン化粧水は、セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分をたっぷり配合するとともに、アフターシェーブとしても使えるようトラブルケアの代表成分も含んでいます。5種類から選べる香りはどれもラグジュアリーなもので、毎日のスキンケアが華やぐことうけあいです。
クワトロボタニコ
植物性のエキスを中心としたボタニカルスキンケアを提案しているクワトロボタニコ。大人の男性向けたスキンケア製品を広くラインナップしており、大手百貨店でも取り扱われています。
この「ボタニカル オイルコントロール & スキンコンディショナー」は、2種類の皮脂吸着パウダーを配合した化粧水で、テカリやベタつきを抑える効果が期待できます。さらに、ユズセラミドなどのエイジングケア成分を配合しており、年齢に応じたケアも可能です。
オールインワン化粧水としてこれ1本だけでも使えるので、今までスキンケアをしたことのない人にもおすすめできます。
SHISEIDO MEN
言わずと知れた、資生堂のメンズラインです。日本のブランドとしては早い段階から、メンズ向けスキンケア製品を充実させているので根強いファンも多いブランドです。
アイテムとしては、資生堂の女性向け高級ライン「クレ・ド・ポー ボーテ」のクリームに迫る品質と人気を呼んだ、「リバイタライジングクリーム」など人気製品の枚挙にいとまがありません。
この洗顔料「フェイスクレンザー」は、2021年にリニューアルされた新製品です。ロングセラーだった以前のモデルの洗い上がりの良さはそのままに、潤いのある洗い上がりを実現しています。
DISM
DISM(ディズム)は、育毛剤「スカルプD」を開発・販売していることで有名なANGFA(アンファー)が立ち上げたスキンケアブランドです。
シンプルで多機能なスキンケアを掲げ、濃密な泡洗顔フォームと(化粧水+乳液+美容液+クリーム+マスクの)5in1設計のオールインワンジェルをラインナップしています。そんなこのオールインワンジェルは、ヌメヌメせず肌にピタッと浸透する使い心地にこだわり、コスメを使い慣れていない男性でも使いやすくつくられています。
クリニーク for Men
今では当たり前となった、皮膚科医監修の低刺激なスキンケア用品を世界で初めて製品化したのがClinique(クリニーク)です。エスティローダー社のブランドであり、メンズラインの「Clinique for Men」の製品も皮膚科学がベース。女性より多い皮脂や、毎日のシェービングで痛んだ男の肌に対して、徹底的に立ち向かってくれます。
この「MX ハイドレーター ウォーター ジェル コンセントレート」は、「強力な保湿力を実感することができる」と評判です。
FIVEISM × THREE
クールでミニマル、かつ現代的なコスメとして人気の「THREE」と、そのメンズラインとして生まれた「FIVEISM × THREE(ファイブイズム バイ スリー)」。
スキンケアだけでなく、ファンデーションやネイルなどのメンズメイク製品もそろえ、国内のコスメの最先端を突き進みます。
初めての購入には、ジェンダーを問わず使えるTHREEのスキンケアシリーズ「バランシングステム」の洗顔・化粧水・乳液を。ライン使いで試せるトライアルキットもおすすめです。
BOTCHAN
夏目漱石の小説「坊っちやん」から名前をとった「BOTCHAN(ボッチャン)」のコスメは、旧来の”男らしさ”から離れつつある…現代の”坊っちゃん”に向けてつくられています。
クラシカルな名前とは対照的に、パッケージは超カラフル。ですが、その中身は実にマジメで、肌に負担のかかる成分を使わず天然成分中心につくられています。この「ジェントルクレンザー」は、マイルドな洗い心地と華やかな香りで人気となっているアイテムです。
メンズスキンケアの正しい手順と方法を解説
ここからは、正しいスキンケアの方法を紹介していきます。朝・晩ともに手順は同じです。
洗顔の正しい手順
- ぬるま湯で顔を軽く洗う。
- 洗顔料を泡立てる(泡立てネットを使うのもおすすめです)。
- こすらず、泡でクルクルと1~2分優しく洗う。
- ぬるま湯でよく流す(20~30回程度流しましょう)。
- 清潔なタオルで軽く押さえて水気を取る。
洗顔は「ぬるま湯&たっぷり泡」でこすらず洗う
ついついゴシゴシと洗ってしまいがちな洗顔。実は力任せに洗うのは、肌を傷める可能性があるのでおすすめできません。洗顔料をよく泡立て、強くこすらずに1~2分程度クルクルと洗うこと。また、冷たすぎる水や熱いお湯で洗うのもNGです。洗顔には、32度くらいのぬるま湯が最適とされています。
洗顔後は、清潔なタオルでそっと肌を押さえるようにして水気を拭きとることがおすすめです。ここでも、ゴシゴシ拭くことは避けましょう。
化粧水の正しい塗り方
- 手を清潔にする。
- 手のひらに化粧水を取る。
- こすらずに優しく塗り広げる。
- ハンドプレスで仕上げる。
化粧水は洗顔後すぐに手で優しくつける
化粧水は、洗顔後すぐにつけましょう。お風呂上がりの場合も同様です。特にお風呂上がりは顔の水分が蒸発しやすいので、早くつけるのが望ましいです。
清潔な手のひらに、化粧水を500円玉ほどの大きさの量で取ります。コットンよりも手でなじませるほうが、浸透力が高くなるのでおすすめです。
「ハンドプレス」と言って、手のひら全体で頬や額を5秒程度密着させる方法にすると、手の温度も加わることで化粧水が浸透しやすくなるとのこと。目回り、鼻回りなどは指先で優しくなじませてください。
乳液・保湿クリームの正しい塗り方
- 化粧水をつけ終わった手のひらに適量を乗せます。
- こすらず優しく塗り広げます。
- ハンドプレスで仕上げます。
乳液・保湿クリームは、適量に気をつける
化粧水をつけた後に塗るのが、乳液・保湿クリームです。間に美容液を挟む場合は、化粧水の後、保湿クリームの前に塗ります。
塗り方は化粧水の塗り方と同じで、手のひらで温めてから塗るとしっかりと浸透しやすくなります。保湿は水分補給とセットなので「朝べたつくから塗らない」と言って避けずに、しっかり適量塗るようにしましょう。そうすることで午後に浮かび上がってくる皮脂を抑制してくれたり、肌を外的刺激から守ってくれるのです。
日焼け対策・UVケアはお出かけ前に
紫外線が少ないと思いがちな季節でも、生活紫外線と言われる「UV-A波」は常に降り注いでいます。暑い季節のレジャーのときだけでなく、冬の出勤前にもUVカット乳液をサッと塗るようにしましょう。日焼け止めはミルクやジェルタイプを選ぶと、使い心地も良いでしょう。
また、意外と見落としがちなのが、「日焼け止めの量」です。少量しか塗っていないという人がほとんどではないでしょうか。理想的な推奨量は、顔だけでも100円玉大の量は必要とされているので、最初のうちは慣れないかもしれません。ですが、必ずたっぷりの量を使用することをおすすめします。シミができやすい頬の高いところと目の周囲は、特に重点的に塗るといいでしょう。
スペシャルケアは、製品ごとに使うタイミングが違う
美容液やアイクリームなどのスペシャルケア製品は、メーカーや商品の特性によって使うタイミングが異なります。洗顔後すぐに使うものもあれば、仕上げとして使う製品もあります。
そのため、製品に書かれている使用法を守ることが重要となります。毎日使うことで肌は変化しやすくなるので、たまにご褒美として使うのではなく、無理のない範囲で使い続けることを強くおすすめします。
まとめ
初心者が最初にそろえるべきなのは、「洗顔料」「化粧水」「乳液・保湿クリーム」「日焼け止め」の4つ。高価なものでなくても大丈夫です。まずは、スキンケアの習慣をつくることを目指しましょう。
もし、少しでもスキンケアを簡単にしたいのなら、「洗顔料」「オールインワン」「日焼け止め」の3つでもいいでしょう。最低でも1カ月~3カ月は使わないと変化がわかりにくいものなので、使い方が簡単なことも大切な要素となりますので…。焦らずじっくりと取り組んでいただくことが、肌にも心にも「吉」となるでしょう。