パンケーキの一種で、フランス北西部のブルターニュが発祥の料理「ガレット(galette)」の派生ともされる「クレープ」は、その独特の食感とアイデンティティーを失うことなく、食べる人の好みの材料を加えることで、臨機応変に変化する食べ物です。

 しかし、クレープをつくろうとしたことがある人なら、すぐにおわかりいただけるかと思います。材料はシンプルです。ですが、それとは裏腹に、クレープをつくるという段階になると、それほど単純なことではなくなります。

 容量と調理法のバランスを守ることは料理の基本ですが、これをしっかりと守ることはそう簡単ではありません。調味料のバランスが偏ると固まりにくかったり、固すぎたりする原因となるので、慎重に行いましょう。

 よくある失敗が、生地の流し過ぎによってオムレツのように分厚いクレープや、ほとんどパンケーキのようにふっくらしてしまったり、つくる過程で破れてしまう…などです。

 ではここで、薄くてもしっかりとした完璧なクレープをつくるためのコツを伝授しましょう。

クレープ
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材料

・バター 30g
・小麦粉 100g
・砂糖 20g
・卵 2個
・牛乳 250cc
 

ヒント

 一番気をつけなければならない点は、ダマにならないように材料をうまく混ぜ合わせることです。そうするために一番重要となることは、材料を一気に投入しないようにすることです。

 小麦粉・牛乳・卵をまずは全体の3分の1を混ぜ合わせましょう。一挙に全体を混ぜることはぜひとも避けてください。その後再び、3分の1の量を加えて混ぜます。さらにその後、残りの3分の1を加えて混ぜ合わせます。そしてここで、あまり知られていない秘技をお教えしましょう…。

 それは生地に少しだけバターを加える…というマル秘テクです。これによって、フライパンにバターを塗り重ねることによる焦げの危険を回避しながら、十分な風味を引き出すことができるでしょう…。
 

焼き方のコツ

 フライパンは、熱い状態であるほど良いです。熱々のフライパンに流し込む量は、フライパンのサイズとお玉のサイズによって異なります。が、一般的なお玉(50cc)に直径26cm~28cm程度のフライパンが丁度いいでしょう。

 バターによって滑りはよくなっているはずなので、流し込んだ生地は自然と剥がれてくるはずです。そうなれば、あとはヘラでひっくり返すだけになります。お皿にのせて焼いたものを重ねる場合は、粗熱がとれてから、ラップやクッキングシートなどを間に挟むことでくっつきを防止できるでしょう。

 普段あまり料理をしない方でも一度コツを掴みさえすれば、今後はあなたの「得意料理」として自慢できるでしょう。そして、次の週は大切な恋人や友人を家に招いて、ぜひともおもてなししてください。例えその後、一人で反省会になろうとも…そうして人は成長を(クレープのように)重ねていくのですから…(笑)。

From ESQUIRE IT
Translation / Misuzu Horiuchi
※この翻訳は抄訳です。