《目次》

▶カリフォルニア産ロゼの魅力

▶ポルトガル産スパークリングワインってどんな味?

▶動画レシピ|ポテトチップス簡単アレンジ

▶ロゼ & スパークリングとのペアリングを考察

▶まとめ:活用方法

ワインの奥深さに敬意を払う一方で、「ワインやシャンパンって肩肘を張らず、もっとカジュアルで、でもエレガントで…おいしくて、誰でも楽しめるオープンな世界」という哲学を持つ、ワインスタイリストの藤﨑さん。

 動画連載「satokoの一杯逸品」の第7回目は、誰しもが!?つい手に取ってしまう定番のスナック「ポテトチップス」を簡単にアレンジして、ワインとのペアリングを考えていきます。合わせてみたのが、「ロゼ」と「スパークリングワイン」です。肴(さかな)が無いときや、「ちょっとおつまみが欲しい…でも、つくるのは面倒くさいな…」なんて日に、ぜひ参考にしてみてください。

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藤﨑さん:こんにちは、「satokoの一杯逸品」のお時間です。前回の記事「岩手編」でロゼの魅力を再確認した影響もあり、今回もロゼ、そしてスパークリングワインを取り上げて、どんなお料理・おつまみを合わせたら楽しめるのか研究していきます。

 ご紹介するおつまみは、シャカシャカ振って混ぜるだけの簡単おつまみレシピです。

◇カリフォルニア産ロゼの魅力

藤﨑さん:まずは、ワインについてご紹介します。

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「クロニック・セラーズ ピンク・ペダルズ」参考価格:3520円(税込)購入はこちらから

 ご用意した1本目はカリフォルニアの「ローダイ」と「パソ・ロブレス」で、手摘みで収穫されたブドウを使用したロゼワイン。品種はグルナッシュです。

 グルナッシュと言えば、南フランスではメジャーなブドウ品種で、フランス産の場合は味がしっかりしていて、タンニンもボリュームがあるの印象を受けると思います。ですが、こちらのカリフォルニア産の場合は、ロゼに使用しただけあって、とても軽やかに仕上げっていると感じました。フルーティな香りが広がります。

ロゼって、甘くてちょっと手を出しにくい!?

藤﨑さん:ロゼにあまりなじみのない人でも、「クロニック・セラーズ ピンク・ペダルズ」は、さっぱりしていて甘すぎず、飲みやすいワインになっています。この飲みやすさの理由は、グルナッシュという品種のブドウの特徴にあると思っています。

◇ポルトガル産
スパークリングワイン
どんな味?

藤﨑さん:続いてご紹介したいのが、ポルトガル産のスパークリングワインです。ポルトガル北部アマランテ地区にある自社畑のいくつかの区画から収穫されたアリントとローレイロのブドウを使い、シャルマー方式でつくられています。

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「ポータル・ダ・カルサダ ブリュット」、生産者:キンタ・ダ・カルサダ、参考価格:2200円(税込)購入はこちらから

 アリントとローレイロは、ポルトガルではメジャーな白ブドウの品種です。これらブドウ品種の味のイメージとしては、少し甘みを感じると思うので酸味を加えたくなることでしょう。ということで、“スパークリング”の良さが発揮されます。

 「ポータル・ダ・カルサダ ブリュット」をテイスティングしてみると…、バランスの良さを感じます。酸味と甘みが上手に共存していて、まとまっていて、すごく巧緻性(こうちせい)のあるスパークリングワインだと思います。

 これら2本のワインに合わせてみたい…(合わせやすい)、ポテトチップスを使った“アレンジおつまみ”を考えていきます。

◇【動画レシピ】ポテトチップス簡単アレンジ

preview for ポテトチップス簡単おつまみレシピ|ワインに合うアレンジ

藤﨑さん:数あるポテトチップスで試してみたのですが、湖池屋の「ポテトチップス のり塩」味が、(独断と偏見ですが…)私の味覚と合いました。

なぜ湖池屋のポテトチップスなのか?

湖池屋 のり塩 60g×12袋

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 ポテトの厚み、お塩のバランス、そして油との相性…この三位一体なバランスと食べ応えが、「ワインとのおつまみにマッチするのではないか!?」と思っています。

 もし、ポテトが薄すぎた場合、油っこさが際立ってしまいますし、逆に厚すぎると食感に持っていかれてしまいます。という訳で、絶妙なバランスという意味で、この湖池屋のポテトチップスを選びました。

では、ポテチをワインにどう合わせるのか?

 ここで登場するのが、ごま油(大さじ1)とお塩(ひと振り)です。お塩は、どのお塩でもいいですが、あえておすすめするとしたら、フランス産「ゲランドの塩」です。この塩は甘みが若干あるので、塩っぱさとのバランスが実に良いです。

 そこに加えるのが、細ネギです。 2cm幅くらいにカットにしてください。あまり長すぎるとネギの味の強さが際立ち過ぎてしますので、2~3cm幅がおすすめです。次に、ネギをポテトチップスの袋の中に入れます。続いてごま油を垂らしたら、袋を手で閉じてシャカシャカと振るだけ…。適度に混ざったと思ったらお皿に盛って、仕上げに追い塩をひと振りしてみてください。ネギを混ぜでいるので、少し物足りなを感じない程度の塩で調整します。これで、おつまみの完成です。

◇ロゼ&スパークリングとペアリングを考察

藤﨑さん:ロゼの「クロニック・セラーズ ピンク・ペダルズ」と、ポテトチップスのアレンジおつまみを合わせてみると、塩気によってロゼの甘さが引き立ちます。この“甘さ”とは精製された甘さではなく、ブドウ本来の甘みを指します。ですので、ネギの甘さ(旨み)と上手にマッチしています。

 では、スパークリングワインの「ポータル・ダ・カルサダ ブリュット」とでは、どうでしょうか? はい、酸味が生きてきます。塩気というのは酸味を生かしてくれたり、穏やかにしてくれる働きがあると思っています。今回のポテトチップスのアレンジおつまみは、「酸味を生かして」くれています。

◇まとめ:活用方法

 急なお客さんが来たりしたとき、「何か気取ってない…、でも、気の利いたおつまみを出したいな…」なんて思ったらぜひ、このポテトチップスのアレンジおつまみを思い出してみてください。ご自宅でも試せるし、アウトドアでも簡単に逸品おつまみができますよ。

 今回の「satokoの一杯逸品」はいかがでしたか? ぜひ試してみてください。次回もお楽しみに。

《Profile・経歴》
藤﨑聡子(Satoko FUJISAKI)
ワインスタイリスト

…1997年ワイン専門誌「ワイン王国」創刊、編集・作家担当・広告業務を担当。2003年ワインスタイリストとして独立。以後、男性ファッション誌、女性ファッション誌でシャンパン、ワイン、料理制作、スタイリング、レストラン紹介などを連載・執筆。

 世界的に発刊されているワイン漫画『神の雫』では、シャンパン女番長としてワインと食材のマッチングコラムを2年半にわたり執筆。これはフランス、上海、北京、香港、台北、ソウル、アメリカで翻訳され現在も発売中。単行本では24巻から36巻まで収録されている。

 レストランのワインリスト作成、メニュー開発、またスタッフに対するワインセミナーもジャンルを問わず手掛ける一方、ファッション撮影ではインテリアコーディネート、フードスタイリングなども担当構成。2014年12月、シャンパン100種類、メインディッシュは餃子、唐揚げをリスティングするラウンジ・Cave Cinderellaを東京・西麻布にオープン。

 フランス・シャンパーニュ生産者組合団体・シャンパーニュ騎士団より2007年シュヴァリエ・ド・シャンパーニュ、2009年ジャーナリスト最年少でオフィシエ・ド・シャンパーニュを叙任。シャンパン、餃子、唐揚げ、ポテトフライ、ゴルフをこよなく愛する。

Video Photograph & Edit / Kazune Yahikozawa
Director / Yusuke Hama, Kie Soeda
Hair and make-up / BOTAN