《目次》

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ワインの奥深さに敬意を払う一方、「ワインやシャンパンって肩肘を張らず、もっとカジュアルで…でもエレガントかつおいしくて、誰でも楽しめるオープンな世界」という哲学を持つ、ワインスタイリストの藤﨑さん。

動画連載「satokoの一杯逸品」の第9回目は、イタリアワインについて考察していきます。その中でも、「カ・デル・ボスコ」社が生み出すフランチャコルタと白ワインを飲み比べて、それに合う“おつまみ”を試していきます。

そして今回は、イタリアブランド「Felisi」や「HIDE & JACK」を取り扱う株式会社フィーゴ顧問である赤間直樹さんをゲストに迎えています。イタリアに造詣の深い赤間さんが手土産として持ってきてくださった「トリュフ入りサラミ」と「エキストラ ヴァージン オリーブオイル」を使って、イタリアに思いを馳せながらペアリングを楽しんでいきます。

《Guest Profile・経歴》
(株)フィーゴ顧問・赤間 直樹さん

…東京大学卒。2000年~2006年商社の駐在員としてミラノ勤務。2012年~2020年(株)フィーゴ代表取締役。

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【おさらい】
フランチャコルタって何?

フランチャコルタとは、イタリア・ロンバルディア州のフランチャコルタ地域内で造られる発泡性ワインだけが、その名を名乗ることができる高品質スパークリングワインです。

シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で造られているフランチャコルタですが、その醸造規定はシャンパーニュよりも厳しく、今では世界に誇る上質なスパークリングワインの産地として名声を馳せています。

伊「カ・デル・ボスコ」社について

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

今回ピックアップしたカ・デル・ボスコ社は、ロンバルディア州エルブスコにあります。

上の動画をご覧ください。客人を迎えるべく入口にそびえ立つ金色の巨大な門は、イタリアの有名彫刻家ポモドーロの作品です。フランチャコルタに150ヘクタールものブドウ畑を所有、ブドウ樹齢は平均40年…。土壌の特徴別に小さく分けられた区画ごとに収穫されたブドウは、ワイナリーまで丁寧に運ばれ最新の技術を持って醸造されています。

カ・デル・ボスコでは収穫したブドウをプレス前、独自に開発した「ベリースパ」と呼ばれるシステムによって洗浄され、ブドウについた汚れを洗い流してから醸造しています。

洗浄することによって、極限まで酸化防止剤の使用を抑えることができる画期的なシステムなのです。醸造所内ではマスト(果醪:かもろみ)にストレスを与えないようポンプは使用せず、自重力のみで液体を移動させる…液体専用の巨大なタンク式エレベーターを設置し、マストを一切空気に触れさせることのないまま丁寧なワイン造りが行われています。

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イタリアワイン、
何を肴にする?

藤﨑さん:こんにちは、「satokoの一杯逸品」のお時間です。今回は、イタリアワインについて研究していきます。ゲストにお迎えしたのは赤間 直樹さんです。よろしくお願いいたします。

赤間さん:お招きありがとうございます。イタリアワインを楽しめると聞いておりましたので、お土産を持ってきました。

「オリーブオイル」なんですが、普通のだと面白くないかな…と思いまして、私が好きな「レモンのフレーバーが入ったエキストラ ヴァージン オリーブオイル」をお持ちしました。

藤﨑さん:うれしいです。イメージして準備していたおつまみがあるのですが、それにもサッとアレンジが利きやすそうです。調味料など、使い切れるお土産ってうれしいですよね。上級者の手土産な感じがします。

赤間さん:もう一つ、「オリーブオイル」だけだとちょっと寂しいので、「サラミ」も持ってきました。これはトリュフが入っているので、香りも一緒に楽しめると思います。

藤﨑さん:ありがとうございます。では、合わせてみたいイタリアワインについてご紹介します。「カ・デル・ボスコ」社のフランチャコルタと白ワインです。合わせるお料理として考えていたのは「真鯛」です。もう一つ、お土産でいただいた「トリュフ入りサラミ」も試していきましょう!

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「カ・デル・ボスコ」
フランチャコルタの魅力

藤﨑さん:イタリアに長く駐在されていたとか…?

赤間さん:ミラノに6年間住んでいました。「カ・デル・ボスコ」はフランチャコルタとしては知っていましたが、白ワインもあるとは知りませんでした。

藤﨑さん:フランスのシャンパーニュ地方もそうなのですが、こういった“泡(スパークリングワイン)”を造っているワイナリーで白ワインや赤ワインも造っているというのは珍しいんですよね。

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「フランチャコルタ キュヴェ プレステージ エディツィオーネ」750ml 生産者:カ・デル・ボスコ 品種:シャルドネ84%、ピノ・ネロ14%、ピノ・ビアンコ2% 参考価格:5000円公式サイト Amazonで確認 楽天で確認

赤間さん:とても軽やかな舌触りです。

藤﨑さん:優しい味わいですね。フランチャコルタには、お持ちいただいた「トリュフ入りサラミ」を合わせてみましょう。切り分けてみると、トリュフの豊かな香りとお肉の厚みのあるワイルドな香りがミックスされいて、これだけでも満足できそうな感じです。

赤間さん:お皿に並べているだけなのに、存在感のある香りが立ちますね。

藤﨑さん:ポイントは薄く切り分けるより、厚みをもたせてスライスしたほうがいいですね。お肉本来の旨みと脂の甘みも堪能できると思います。

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赤間さんがお土産でいただいた、ヴィラーニ社「トリュフ サラミ」約210g、原産国:イタリア産

藤﨑さん:「カ・デル・ボスコ」のフランチャコルタと「トリュフ入りサラミ」、合うと思います。いかがですか?

赤間さん:サラミの塩気とフランチャコルタのほんのりした甘み(果実味)が絶妙にマッチしていて…、最高です。

藤﨑さん:うれしい! フランチャコルタには甘み(果実味)と酸味があって、そのバランスがとても良いです。だから、お肉が持つ本来のジューシーな脂身をさっぱりとさせてくれると感じています。

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「コルテ デル ルーポ クルテフランカ ビアンコ 2018」750ml 生産者:カ・デル・ボスコ 品種:シャルドネ80%、ピノ・ビアンコ20% 参考価格:4800円公式サイト Amazonで見る 楽天で見る

藤﨑さん:「カ・デル・ボスコ」の白ワインと「トリュフ入りサラミ」の相性は、どうでしょうか?

赤間さん:「カ・デル・ボスコ」の白ワインは初めていただくので楽しみです。樽(たる)の香りを感じますね。

藤﨑さん:そうなんです。「カ・デル・ボスコ」社は同じ畑のブドウを使用してフランチャコルタと白ワインを造っているので、その造り分けも大変だと思うんですよね。その両者のクオリティを維持し続けていることに感銘を受けています。

赤間さん:今までいただいたシャルドネの中でも、とても美味しいです。樽の効き方が上品な感じがします。

藤﨑さん:ではもう一品、お次は「真鯛」を合わせてみたいと思います。

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赤間さんがお土産でいただいた、アルドイーノ社「エキストラ ヴァージン オリーブオイル『フルクトゥス』レモン風味」250ml楽天で見る


「真鯛」を簡単アレンジ
オリーブオイルでひと手間

藤﨑さん:今回はイタリアワインをテーマにしていたので、白身魚の「真鯛」とのペアリングを準備していました。赤間さんからお土産で「レモンのフレーバーが入ったエキストラ ヴァージン オリーブオイル」をいただきましたので、急遽ちょっぴりアレンジを加えることにしました。

「真鯛」をサイコロサイズの角切りにして、お塩をひと回し。そこに、エキストラ ヴァージン オリーブオイルを“かけた”カルパッチョ風味と、思いっきり“あえた”一品、2つを用意してみました。前者があっさりした印象に、後者は良い意味でオイリーになって食べ応えがあると思います。

この些細な違いではありますが、微妙な手間のかけ方が、ワインと合わせたときの「アタック(第一印象)」の違いに影響してくるのではないかと踏んでいます。

赤間さん:なるほど…、いただいてみます。

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真鯛にエキストラ ヴァージン オリーブオイルを「かけた」モノと「あえた」モノで飲み比べ。

赤間さん:エキストラ ヴァージン オリーブオイルをかけただけのほうは、より真鯛本来の味が堪能できます。あえたほうは、レモンの風味も強く感じて濃厚さを味わえる感じです。ワインとの相性と、第一印象も変わってきますね。

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「正解はない! 飲み比べで自分の好みを探して」

藤﨑さん:フランチャコルタを造っているワイナリーって、時代に合った柔軟性を持つ醸造家が多いと思っています。イタリアの自国だけでない、他の国のブドウを取り入れて挑戦してみたり、チャレンジ精神があふれているんですよね。

赤間さん:フランチャコルタと言えば、「カ・デル・ボスコ」社のモノを選んでしまいますね。安定した信頼できる味を楽しめるので、つい手が伸びてしまいます。

ディナーの席に最初に、「カ・デル・ボスコ」のフランチャコルタを注文して乾杯するだけで「ハッピーな時間がはじまるぞ…」っていう予感がしてきます。

藤﨑さん:そんな幸せな時間を保証してくれるのも、「カ・デル・ボスコ」の魅力ですね。今回は「カ・デル・ボスコ」社に焦点を当てましたが、イタリアワインってとても幅が広いので、食材に対してどのようにでもマッチングしてくれる柔軟性を持っています。皆さんもぜひ、自分の好きなペアリングを見つけてみてください。

それでは、次回もお楽しみに!

《Profile・経歴》
藤﨑聡子(Satoko FUJISAKI)
ワインスタイリスト

…1997年ワイン専門誌「ワイン王国」創刊、編集・作家担当・広告業務を担当。2003年ワインスタイリストとして独立。以後、男性ファッション誌、女性ファッション誌でシャンパン、ワイン、料理制作、スタイリング、レストラン紹介などを連載・執筆。

世界的に発刊されているワイン漫画『神の雫』では、シャンパン女番長としてワインと食材のマッチングコラムを2年半にわたり執筆。これはフランス、上海、北京、香港、台北、ソウル、アメリカで翻訳され現在も発売中。単行本では24巻から36巻まで収録されている。

レストランのワインリスト作成、メニュー開発、またスタッフに対するワインセミナーもジャンルを問わず手掛ける一方、ファッション撮影ではインテリアコーディネート、フードスタイリングなども担当構成。2014年12月、シャンパン100種類、メインディッシュは餃子、唐揚げをリスティングするラウンジ・Cave Cinderellaを東京・西麻布にオープン。

フランス・シャンパーニュ生産者組合団体・シャンパーニュ騎士団より2007年シュヴァリエ・ド・シャンパーニュ、2009年ジャーナリスト最年少でオフィシエ・ド・シャンパーニュを叙任。シャンパン、餃子、唐揚げ、ポテトフライ、ゴルフをこよなく愛する。

Video Photograph & Edit / Kazune Yahikozawa
Director / Yusuke Hama, Kie Soeda
Hair and make-up / BOTAN